2小節でも充分ですよ
(本日のお話 2215字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日日曜日は、
朝から大学院の仲間との打ち合わせ。
お昼から2週間に1度の
ピアノのレッスンを挟んで、
また夕方、夜と3件のミーティングでした。
最近、週末も
人材開発・組織開発のお話づくしで、
こういった人の気持ちや
変化に携わっていくメカニズムに関われるのは、
実に面白く、ぜいたくな日々だなあ
と感じております。
*
さて、本日のお話ですが、
先日のピアノのレッスンに行った際に
ピアノの先生からのアプローチが、
「これぞ人材育成!」
と思う内容で、
大変感銘を受けたのでした。
本日はそのお話にまつわる学びと気づきを
皆様にご共有させていただきたいと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【2小節でも充分ですよ】
それでは、どうぞ。
■「この2週間忙しくて、
全然練習できなかったんですけど、、、」
言い訳から始まった
日曜正午12時間からのピアノのレッスン。
別に小学生のお稽古じゃ、ありません。
自分の趣味として
ピアノを習っているわけなので
練習ができなかったら、
それはそれで仕方ない。
なのに、
「練習ができていない」
↓
「先生に残念な顔される」
↓
「なんか罪悪感&自尊心低下」
みたいなパターンが
脳内に染み付いてしまっており、
趣味で通っているのに
なんだか憂鬱な気分で、
家を出ました。
■この2週間、確かに忙しかったのです。
とはいえ、物事の熟達には
「継続」が大事です。
そして継続のためには
「仕組み」が必要です。
ゆえに、「レッスンに通う」と
仕組みを設けたわけです。
3日に1回としても、
10分でも15分でもピアノに触ってました。
■そうして、前から練習している
「幻想即興曲」(ショパン)
をもうちょっと上手く弾こうと
トライをしておりました。
この曲は、
右手と左手が違ったリズムで
バラバラに動くのですが、
私の場合、右手と左手が
妙に揃ってしまいます。
そのことを指摘され、
”それぞれのリズムを刻めるようになる”
のが前回からの課題でした。
■しかしながら、
言うは易し行うは難し。
なんとなく&勢いおりゃー!
で弾いていたところを
細かく見て、譜面通りに
弾こうと思っても、なかなかできない。
曲が始まってからの
2小節のところだけで、
あーでもないこーでもないと弾き、
結局、「2小節だけ」で
前回のレッスンから2週間経ちました。
■これまでのピアノのレッスンで
「毎回、上達してすばらしいですね!」
なんて先生のお褒めの言葉を貰うと、
”褒められたい”気持ちが
なんとなくもたげてくるものです。
今回、2小節×数日で、
今回は全然練習できなかったなぁ…
と思うと、
あんまり進歩してなくて、
褒める箇所もなく、微妙な空気になりそうで、
ゆえに億劫でした。
■とはいえ、
急にキャンセルもできませんから、
日曜日の久しぶりの快晴の最中、
家を出て、教室に行き、
よろしくおねがいします、
全然ダメっすけど、、、
と言い訳しつつ弾いてみました。
、、、が、
先生のリアクションは予想外のものでした。
「すごくリズムを意識してるのが
伝わってきました!すごくいいですね!」
「特に最初の”2小節”、
それぞれのリズムで弾けるようになってますよね」
、、、とのこと。
■自分では何も変わっていない、
と思っていたような、
目立たない、
わずか2小節の小さな変化を先生は気づき、
褒めてくれた。
これが実に嬉しかったのです。
多分、実際は
さほど大きな進歩ではないはず。
しかし、”わずかな変化”を見て、
フィードバックしてくれたこと。
このことが、
「少しでも積み重ねれば
変化があるのかも」
と、気持ちに火をつけてくれたのでした。
■私からぶっちゃけで話します。
「正直、やっても全然うまく合わないし、
2週間この2小節しかできなかったんですよね。
全然うまくならないなぁ、
センスないなあ、と弾くのが億劫でした」
対して、先生はこう言いました。
「いや、2小節で充分ですよ!
ちょっとやったから、
一気に全部合うなんてこと、
私でもないですからね(笑)」
、、、と。
あぁそうか。
1歩ずつ積み重ねていけばいいんだな。
そんなふうに思って、
気が楽になったのでした。
そして、単純にやる気になりました。
■そして、
この一連のことから思ったこと。
それは、
『「小さな変化」を見つけ、承認をすること』
の影響力です。
やはり人は
できないところを見てしまうもの。
あるいは、
自分が伸びていることに、
その緩やかさ故に、気づけないこともある。
全然伸びないとか、
上手くならないとか。
あるいはできる人と比較する、とか。
しかし、です。
ごく小さな変化でも、
それは本人が気づかない位の
わずかな小さい変化でも、
上位者だからこそ、
見える変化はあると思うのです。
そこを目を凝らして見つけ、言葉にし、
積み重ねた一歩の価値を
本人が見えるよう、
触れられるように
手触り感を与えてあげること。
このことはまさに、
「人の力を引き出す教育(人材育成)」
の核のようなものだ、、、
などと思ったのでした。
■「教える」とは、
「技術を伝える」だけではない。
俗説で
”その人の能力を引き出すこと”
が意味としてある、
などと言われますが、
・小さな変化を見る感性を持ち、
・小さな変化を言語化する力を持ち、
・小さな変化を励まし、心に火を付けること
そんなことが、
教えることであり、
人の成長の支援をするなのだろう、
そんなことを
ピアノの先生から教わったな、
と思った次第です。
ちなみにこの先生、音大を出たのち
民間企業でDXの業務で
マーケティングを行っているとのこと。
現在、副業でピアノの先生をしている
社会人2年目だそうですが、
上司になったら、
ものすごい教え上手になるんだろうな、
なんて思った次第。
働き方の新しい姿も
見せてもらったような気がしました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
==========================
<本日の名言>
私は社員をほめて、ほめて、ほめ抜く。
そうすることによって、褒められた人は
よりレベルの高い自分にチャレンジするのです。
リチャード・ブランソン(ヴァージングループ創業者/1950-)
==========================