メールマガジン バックナンバー

『働くみんなの必修講義 転職学 -人生が豊かになる科学的なキャリア行動とは-』

今週の一冊『働くみんなの必修講義 転職学 -人生が豊かになる科学的なキャリア行動とは-』

2656号 2021年5月30日

(本日のお話 1856字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

土曜日は、朝から大学院のミーティング1件。
その後、昼から愛知の実家へ。

弾丸のツアーで戻ってきましたが、
父母姉含め会えてよかったです。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する、
今週の一冊のコーナー。

今週の一冊は、

==========================

『働くみんなの必修講義 転職学 -人生が豊かになる科学的なキャリア行動とは-』

中原 淳 (著), 小林 祐児 (著), パーソル総合研究所 (著)


==========================
です。

■「転職」。

読者の皆さんも、
かつて「転職」をされた経験がある方、
少なくないかと思います。

ちなみに、
日本の転職回数の平均2.9社。

実は、日本を含めた
APEC(アジア・オセアニア地域)の14カ国を比べると、
同水準以上の回数だそう。

「日本人は、1社に最後まで勤め上げる」というイメージは、
アメリカと比べているからでないか、とのこと。

日本でも今や「転職する」のは当たり前だし、
今その流れは更に加速しているようです。

そんな「転職」をテーマにした一冊が、
これからご紹介させて一冊です。

■Amazonの本の紹介によると、

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日本の人材開発研究の第一人者が
12,000人の大規模調査を駆使して編み上げた、
「一億総転職時代」最高のテキストが誕生!

・巷に溢れる「転職本」のいったい何が問題なのか?

・「マッチング思考」ではなく「ラーニング思考」の転職とは?

・圧倒的な効果を生み出す「アンラーニング」のすごさ

・「ミドルの転職」の結果を大きく分けるポイントはこれだ……

いま転職を考えている社会人はもちろん、
これから社会に出る学生、悩める中高年ミドルまで、
これからの働き方と日本社会を考えるうえで、全日本人必読の一冊。

※Amazon本の紹介より引用

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とのこと。

「1億総転職時代」。

実に気になる一冊です。

■ちなみに、転職をした際に
「給与が上がった」と言う人の割合は43%。

過半数は転職をすることによって、
生涯賃金が下がるというデータがあります。

しかしながら、自分の人生。

もし自分が転職するとしたら、
どんな形であれ、

「絶対、よい転職にしたい」

と思うのが全ての人の
る願いではないかと。

■では、実際に
どうすれば転職が成功するのか?

給与的にも、
自分自身の満足度としても、

・どのようなプロセスを経て、
・どのような動機を持ち、
・何に気をつければ、

「良い転職」ができるのか?

このことを、”科学的データ”を
元にして語られているのが
実に、興味深く読めます。

■例えば、

・転職するための、エンプロイヤビリティ(雇用可能性=転職力)を
どうすれば高めることができるのか?

・転職を成功させる上での、相談の活用の仕方とは?

・エンプロイヤビリティ(転職力)が高い人に
共通する学びへのマインドセットとは?

・地方転職、独立企業、副業・兼業、ベンチャー転職…
それぞれのメリットデメリットは何か?

・転職後、新しい組織に馴染み、
成果を出すために必要なこととは何か?

、、、

これらのことが12,000人の大規模調査により

「科学的に」
「データを通じて」

描かれているので、
実に説得力があります。

■「自分だけは特別」と思っても、

データは嘘を付けません。

ゆえに、成功する人が行っている特徴を
きちんと押さえていれば

「転職の成功率」は高まると
言えそうですし

逆にそこに当てはまらない状況で、
ただ今が不満だから転職するとしたら、

「辞めたけど、前の会社のほうがよかった」

となる可能性が高い
と言えるでしょう。

、、、だからこそ、

あらゆる転職を考えている人
(そうでない人にとっても)

実に参考になるデータが
抱負に含まれていると感じます。

■以下、著書のポイントを
簡単にまとめてみます。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<『働くみんなの必修講義 転職学 -人生が豊かになる科学的なキャリア行動とは-』まとめ>

◯転職の方程式

D(Dissatisfaction 不満)×E(エンプロイアビリティ=転職力)> R(Resistance 抵抗感)

日本の転職はまず8割が、D(不満)からスタートする。
不満が大きくなると転職確率が高まる。

そこに自分が良い条件で雇用される可能性(E=転職力)が高ければ、
さらに転職する可能性が高まる。

ただし新しい環境に移ると言う事は
必ず抵抗感(R)がある。

不満が高まり、転職力も高い。
それらが、抵抗感が上回れば、人は転職する。



◯「エンプロイアビリティ(転職力)」の要素

では、エンプロイヤビリティ(=転職力)を
高めるにはどうすればいいのか。

エンプロイアビリティは、

1)転職活動をうまくいかせるための
「アクションとしてのエンプロイアビリティ」

2)そもそも能力・スキルなどを高める
「ステータスとしてのエンプロイアビリティ」

に分かれる。



◯「アクションとしてのエンプロイアビリティ(転職力)」を高めるには?

大事なのは、「セルフアウェアネス(=自己認識)」である。

自分自身の大切にしていること、価値観等を
きちんと理解しているか、(内面的自己認識)

同時に、他者から自分の能力がどのように評価されているのか
正しく把握しているのか(外面的自己認識)、

これが揃っていると、
「こんなはずじゃなかった」をクリアできる。



◯不満な転職理由を前向きに変える「ナラティブ・アプローチ」

また、転職者は「不満ベース」で転職がスタートするものの
不満だけが原因で転職をすると、うまくいかない。

ゆえに不満ベースの転職動機を、
前向きなものに意図的に変えていく必要がある。

そのためには、「ナラティブ・アプローチ」が重要である。

・自分がこれまでどんなことを学び、歩んできたのか、
・なぜ自分は今転職したいと思っているのか、
・そして未来どこに向かっていくのか

と言うストーリーを自分自身で編み上げること。
そうすると前向きな動機が生まれる。



◯「ステータスとしてのエンプロイアビリティ(転職力)」を高めるには?

転職したいと思ったときに、
勝負はほぼ決まっている。

なぜなら
ステータスとしてのエンプロイアビリティは、
日々の積み重ねで出来上がっているためである。

ではどうすればよいか?
それは「学ぶこと」である。

ではどのように学べば良いか。

それは、職場外に出て学ぶ「越境学習」である。
外からの刺激を得て、学び続けると姿勢が重要である。



◯転職後に新しい会社に馴染むためには?

また、実際に転職したとしても、

これまでのルールにこだわっていると、
新しい組織になじむことができない。

ゆえに意識して、自分が学んだことを手放す
「アンラーニング(学習棄却)」が必要である。

いずれにしても転職は、

自分の理想とする青い鳥のごとき会社を
見つけようとする「マッチング思考」では上手くいかない。

転職というイベントを通じて、

「自分が何者か」「何をしたいのか」を
問い続けていくプロセスとしての「ラーニング思考」

であると理解することが最も重要。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

■300ページ強の本ですが、
密度が濃く、あっという間に読めます。

転職をお勧めしているわけでは無いですが、
もし考えている方がいるのであれば
もちろんお勧めいたしますし、

そうではない方も、今後のキャリアを考える上で
押さえておいた方が良いデータ、情報が豊富に含まれており
とても学びになります。

よろしければ、ぜひ。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

==========================
<今週の一冊>

『働くみんなの必修講義 転職学 -人生が豊かになる科学的なキャリア行動とは-』

中原 淳 (著), 小林 祐児 (著), パーソル総合研究所 (著)


==========================

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す