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2679号 2021年6月21日

ピアノは肘と脇で弾くんですよ

(本日のお話 2422字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

日曜日は、朝から
大学院のプロジェクトの打ち合わせ。

その後、ピアノのレッスンに行き、
午後は映画『グリーンランド』を観に行きました。

久しぶりの休日らしい休日で、
大変良い時間でございました。



さて、早速ですが本日のお話です。

3週間ぶりに行った
ピアノの個別レッスン。

大人の趣味のピアノ以上に
人生における深い学びを得ており、
(、、、は言いすぎかもですが)
大変貴重な機会となっております。

そして今回も、
ピアノの先生から教えてもらった話が
目から鱗であるとともに

ピアノ以外の、多くのことにも通ずる
汎用的な学びだなあ、と感じましたので、

本日はこのお話からの学びと気付きを
皆様にご共有させていただきたいと思います。

タイトルは、

【ピアノは肘と脇で弾くんですよ】

それでは、どうぞ。

■「ここのオクターブのパート、
ちょっと指が苦しそうな感じですね」

数ヶ月前から、
一小節ずつ進めている
「幻想即興曲」(ショパン)。

一通り、最後まで弾いたものの
まだまだ荒く、完成には程遠い状況を、
一合一合少しずつ登っている、、、

そんな感覚で日々積み重ねております。

■そんな中、先生から
指摘された箇所。

その曲の中で1番盛り上がる箇所であり、

高い音階から、
音を上下に散らしつつ

一気に低い音階まで
駆け下りるパートを弾いたときに

「オクターブが
ちょっと苦しそう」

という表現で、
フィードバックをくれました。

■いつものごとく、

コーチングスタイルで、
先生は聞いてくれます。

「オクターブを弾く時、
どこに意識を向けていますか?」

、、、問われて、
考えてみます。

「そうですね、できるだけで
手のポジションをまとまりごとに
固定して進めることでしょうか。

手を開いて、最初から
全ての音をつかめるようにする、とか」

対して先生は、こういます。

「いいですね。
前回もお伝えした通り
とても大切ですよね」

「ちなみに、今日はもう一つ。

”高い音をつかむときに、
肘と脇に意識を向けて弾く”

ことをやってみてほしいです。

自分の体から、遠い音を弾くとき
ちょっとだけ肘と脇を開くような意識で、
弾いてみてください。

、、、どんな感覚がしますか?」

■そう言われて、
実際に肘と脇を開いて弾いてみると、

手が苦しく、なんとか届かしていた
高い「ミ」の音が、弾きやすくなりました。
そして、驚きを覚えました。

思わず、こう口にします。

「肘とか、脇とか、意識したことなんて
これまでなかったですね…」

■それを聞いてか、

先生は少しだけ嬉しそうに
こんな風に解説してくれました。

「ピアノは、確かに指で弾きます。

でも、指だけじゃなくて、
手首の柔らかさや、
肘の角度や、脇の開き方など

体の構造が連動して
”指”に伝わります。」

「骨格が人によって違うので、
これが絶対いいというのはないですが、

肘や脇なども連動して
どういう弾き方がよいのか考えて弾くと、

曲はもっと弾きやすくなるし、
表情もつけて弾けるようになりますよ」

昔ピアノを習っていた時、

『指と肘と脇の連動』

なんて、聞いたこともなかったなあ、

そして、大人になって
自分から興味を持って学ぶからこそ、
こういう話も面白く聞けるのかもなあ、

などと思い、感動をしたのでした。

■そして、この話を聞きながら、

実はもう一つ、
別のことを考えておりました。

思い出していたキーワードが

『システム思考』

なるものでした。

ちなみに、システム思考は
こんな風に定義されています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<システム思考について>

「システムとしてとらえる」とは
事象を体系的に見ることであり、

事象の要素細部を見るのではなく、
全体のシステムを構成する要素間のつながりと相互作用に注目し
その上で、全体の振る舞いに洞察を与える。

※Wikipediaより抜粋

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ここで言う、

”事象の要素細部を見るのではなく、

全体のシステムを構成する
要素間のつながりと相互作用に注目する”

これぞまさに、

”指、肘、脇の連動”

だな…と感じ、
勝手に納得していたのでした。

■木を見て森を見ず、のように、

1つ1つの要素だけ見ていても、
限界があるのです。

今回のピアノの話だけ言えば、
”指先”だけに限定していたら、
技術としては限界を迎えていた、

ということになるのでしょう。
(と語れるほどのレベルでもないですが汗)

指先から、肘と脇、
そして姿勢などの他の要素とのつながり、

要素間の相互作用を意識したからこそ、
新しい視点がもたらされて、

新しい結果も生まれたわけです。

そしてそれは、言い換えれば
ピアノを弾くという行為を、

「人体のシステムが作る
一つのプロセスである」

と捉えることに繋がる…

そんなことを思ったのでした。

■そしてこのことは、
他のあらゆることにも通ずるように思います。

例えば、人材開発でも、
”問題を一つのシステム”として
捉えていないと

「部下のパフォーマンスが上がらない」

という減少を

・本人への能力の問題である、とか
・上司のリーダーシップの問題が悪い、

というように、

一部の要素にだけ原因を求めてしまうこと
しばしば見受けられるのです。

そうすると、

「じゃあ、
本人の主体性研修だね、とか、
上司のリーダーシップ研修だね」

というように、

安易な話に帰結してしまい、
根本的な解決にならないのです。

■これらのことは、
もちろん、他のことにも応用できます。

組織のおける「生産性」だって、

本人の時間に対する意識という
”個人”の話も影響していれば

会議などの時間の使い方等の
”組織”の文化も影響しているし、

どのように仕事をしているかという
”ツール”なども影響したり

実に色々なことが関わってきて、

「生産性が高まる」

ものです。

(当たり前ですけど)

…とすると、
あらゆる問題や課題に対峙する際に、

”部分ではなく全体”

として捉える思考(システム思考)は
とても重要なのだろう、

と思ったのでした。

■要素だけではなく、
全体にも目を向ける。

要素感の間にこそ、
目を向ける。

そんなことを、
ピアノのレッスンを受けつつ
大切なことだな、

と思った次第。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

世界とは一冊の本であり、旅に出ない者は
同じページばかり読んでいるのだ。

アウグスティヌス(古代ローマの哲学者/354-430)

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