組織の全体像の分析に役立つ「マッキンゼーの7S」
(本日のお話 1994字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日、大学院での
「戦略的人的資源管理論」なる授業が
ありました。
今日は、その授業で学んだ
パワフルなフレームワークについて
皆様に学びをご共有させて
いただきたいと思います。
それでは、まいりましょう!
タイトルは、
【組織の全体像の分析に役立つ「マッキンゼーの7S」】
それでは、どうぞ。
■大学院にて
「このケースから、
この組織の問題の要因を整理せよ」
みたいな宿題が出されます。
、、、こういうの、
私すこぶる苦手でございまして(汗)
お題を見た瞬間、
ほんの一瞬、抵抗感を感じたりします。
■しかしながら
大学院での学びを進める中で、
自分の「分析能力」が
たとえ低くかったとしても、
世の中にある、
著名なフレームワークを知っているだけで
それなりに分析できることを学びました。
そして、その代表的な1つが、
『マッキンゼーの7S』
というフレームワークです。
■当初「7S」なんて聞いたときは
「なんだかコンサルっぽくて
抵抗感あるー(←偏見)」
と思ったのですが、
実にシンプル!
そして、ごちゃっとした
組織の問題を考えるのに、実に便利だなあ、
としみじみ感じております。
世の聡明な方々は
凄いものを開発するものです。
■では、そんな『7S』とは
一体どのようなものなのか?
*
「7S」とは上述の通り
世界的なコンサルティングファームの
マッキンゼーが30年以上前の提唱したモデルで
”組織の全体像と、
それぞれの要素感の連携を捉える”
ために開発された
組織の経営資源分析のための
フレームワークです。
■例えば、実際の組織だと
こういうことがあったりします。
トップが変わって、
「戦略」を変えて、
「組織の構造」や「評価制度」も変える。
「よし、じゃあここから
ボトムアップのイノベーションを
起こすぞ!」
なんて言ってみたりして、
笛をピーピー吹いてみるものの、
一向に下からは意見が上がってこない、、、
イノベーションからは程遠い、
みたいな現象。
その原因を、もう少し掘り下げて見ると、
”仕事は上からの要望に従って
打ち返すもの”
という組織に長年染み付いた
「価値観」が影響していたり。
あるいは、
”新しいことよりも、
目の前のことを確実にやることを好む”
という「組織文化」が
根付いていることが影響していた
、、、なんてことがあります。
■つまり、
”組織はハード面の要素と
ソフト面の要素が
それぞれ影響を与え合っている”
わけで、
”ハードを変えたからといって
組織自体がガラリと変わるわけではない”
ということです。
■では、どのように
組織は構成されているのか?
その、組織の構成要素と、
その相互作用について、
マッキンゼーは以下の7つに整理しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【マッキンゼーの「7S」】
<ハードのS> ※比較的すぐに変えられる
1)戦略(Strategy):
・自社が競争有意に立っている理由は?
・優先的に解決しなければならない課題は何か?
・事業の方向性は?どの分野にどのように経営資源を配分するのか?
2)組織構造(Structure):
・どの事業で、誰が責任や権限を持っているか?
どのように指揮をとっているか?
・上司と部下の関係はどうなっているか?
3)システム・制度(System):
・人事評価システム
・報酬のシステム(給与体系)
・情報の流れ(情報システム)
・管理・会計システム
*
<ソフトのS> ※変えるために時間がかかる
4)共通の価値観(Shared Value):
・7Sの「核」にあたるもの
・経営理念
・経営陣と従業員で浸透しているもの
5)経営スタイル(Style)
・組織の経営スタイル
・または社風と言われるもの
・トップダウン・ボトムアップなどの意思決定フロー等
6)人材(Staff):
・どんな人材(社員・経営者)がいるのか?
・チームのリーダーシップのあり方は?
・どのように人事を行っているのか、も含む
7)スキル(Skill):
・従業員個人の能力
・組織が持つ独自の能力
(営業力、技術力、マーケティング力など)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
以上の7つです。
■そして、このフレームワークのポイントは、
特に以下の2つが特に強調されているようです。
<POINT1>
・『共通の価値観』が7Sの中心に来ること
=やっぱり理念は重要
<POINT2>
・ハードの3Sは比較的変えやすいが、
ソフトの4Sは時間がかかる。
・それぞれお互い絡み合っており、整合性していることが大切。
=ハードを動かすには「ソフトの4S」も重要
■いかがでしょうか。
こうやって整理してみると、
「組織とは生き物」のようなものだと
改めて考えさせられます。
一つの要素”だけ”を変えても
根本的な変化にはならない。
それぞれの要素が
影響を与え合っていることを知る、
”要素感の繋がり”にも着目する、
そうしてこそ、
組織を変えていくことができると
改めて思わされます。
■もちろん、今回のフレームワークはごく1部。
他の要素も絡み合うので、
実際はもっと複雑になるでしょう。
しかし、複雑なものを整理するために、
”便利なフレームワークを
自分の中にインストールする”
ことは、
新しい視点で
物事を見れるようになりますし、
ごちゃっとした問題も
フレームを知っているだけで
わかりやすく整理をすることもできて、
人にも説明できて、とっても便利です。
■自分の周りの状況に当てはめて、
3回くらい使ってみると
ぐっと身近になります。
学びって大事。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
独創力とは、思慮深い模倣以外の何ものでもない。
ヴォルテール(フランスの作家/1694-1778)
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