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2686号 2021年6月29日

リーダーシップの100年の歴史(前編)

(本日のお話 2653字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
また夜は「大学院おすそ分け勉強会」の開催でした。

https://docs.google.com/forms/d/1HeHzumOsIkgoiyhAQRBhgPgk7Hw1AIJVeY8C30d2RfU/edit

昨日は「リーダーシップ」がテーマ。

リーダーシップを
ストーリーとして時系列で遡ることで、

散らばっていた知識が
自分の中で統合される気がして
実に深い学びになるなあ…

と感じた時間でした。

手前味噌ですが、
いい勉強会やってるなあ、と思いました。
(自画自賛笑)

そして、ご参加いただきました皆様、
誠にありがとうございました!



さて、本日のお話です。

今日は昨日の勉強会に
ご参加頂いた皆様の復習も兼ねて

「リーダーシップの歴史」

をテーマに、学びを
ご共有させていただきたいと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、

【リーダーシップの100年の歴史(前編)】

それでは、どうぞ。

■「リーダーシップ」と聞くと
皆様はどのようなイメージを持たれますか?

・主体性
・協調性
・自ら動くこと
・方向を指し示すこと
・思いやりがあること

みたいな、
”リーダーシップの要素”を
思い浮かべる人もいれば、

・スティーブ・ジョブス
・ガンジー
・坂本龍馬

みたいな、
”リーダーでイメージする人”を
思い浮かべる人もいるかと。

実に様々なイメージを彷彿するのが、

「リーダーシップ」

という言葉ではないかと思います。

(ちなみに、ある高校生は
リーダーシップ=「卑弥呼」と
言っていたそうな)

■「リーダーシップ」あるいは
「マネジメント」といった

頻繁に使われるけれども

具体的にその言葉が何を定義しているのかが
人によって違うし、よくわからない言葉を

”プラスチック・ワード”

と呼ぶことがあります。

要は、

「プラスチックのように表面がツルツルしているので
触っていても、曖昧で、ぼやっとしていて、
本質に手が届かない言葉」

を意味します。

確かに、

「リーダーシップは大事だよね」
「リーダーシップを身に付けないといけないよね」

と語っても、それが

・具体的に、どんな要素なのか?
・具体的に、どんな行動なのか?

は、実に曖昧だったりします。

■さて、そんな
曖昧なプラスチック・ワードを、
深く探求する際に便利なのが、

「リーダーシップ研究100年の歴史」

なのです。

多くの研究者が喧々諤々、
様々な定義を打ち出してきました。

その理論を知ると、

「ああ、リーダーシップって
そうやって研究が深まってきたんだ」

というストーリーが分かって、
視点が広がる感じがします。

■、、、ということで、

リーダーシップ研究の
100年以上にわたる大まかな流れを
以下、ざっくり説明したいと思います。

(私なりにラフにアレンジしておりますので
その点はご留意ください)

■まず1930年代。

『リーダーシップの特性理論(偉人説)』

が研究されます。

「特性」とは”個人の特徴”のこと。

リーダーには、
リーダーたる特性が備わっている。

つまり、リーダーは生まれつきリーダー。
すなわち、「リーダー偉人説」となるわけですね

特性も、様々なものが挙げられました。
例えば、

・知能、学力、といった「知性」。

・教育水準や、社会的地位といった
「社会的バックグラウンド」。

・身長、体重、恰幅の良さ、人種などの
「身体的特徴」

etc...

しかしながら、
多くのリーダーをリーダーたらしめる特性の研究が進み、
80近くのリーダーシップ特性が特定されたのですが、

4つ以上の研究に共通する特性は
「わずか5つ」しかなかった…
という結論に至りました。。。

つまり、
”上場企業の社長は身長が高い人が多い”
という特性を見つけたとしても

「でも、身長が低い社長もいるじゃん」

となると「共通する特性」にはならず、
あくまでも傾向止まりです。

ということで、結果、

「リーダーをリーダーたらしめる
特性の共通点など、ほぼないのでは…?」

となり、リーダーシップの特性理論は
壁にぶち当たります。

■そして、時は進み、1940年代。

『リーダーシップの行動理論』

が登場します。

リーダーをリーダーたらしめるのは、
個人の特性ではなく、「行動」ではないか。

しかも、

リーダーシップに紐付く「行動」が特定できたら
リーダーシップを学ぶことができるじゃないか…!

、、、とリーダーシップ研究は
新たな光を見出します。

■そんな中で有名な
2つの研究が行われました。

1つがオハイオ州立大学での
リーダーシップ研究。

リーダーシップを記述する
1700を超える質問項目が抽出され、
これを分析したところ、
「リーダーシップは2つの軸で説明しつくせる」
ことがわかりました。



その2つの軸とは何か?

1つ目が「構造作り」。

部下の課題を明確にし、
部下にタスクを割り当て、
業務手順を設定することです。

2つ目が、「配慮」。

人間関係を生み出し尊重する行動。
部下の感情や欲求に配慮することです。

この両者について
高いレベルでバランスさせることで

リーダーは高い業績をもたらすことができる、と
オハイオ州立大学の研究ではしました。

■また、同じ時期に行われた
ミシガン大学の研究もあります。

リーダー行動には、
「仕事中心志向の監督」と
「従業員中心志向の監督」がある。

両者を比較した場合、
「従業員中心志向の監督」の方が
高業績であることがわかった、

としました。

■両者の大学の研究は、
方法が若干違うのですが、

いずれも

『1,仕事軸』(構造づくり/仕事中心志向の監督)
『2,対人軸』(配慮/従業員中心志向の監督)

という2つの軸が
リーダーシップ行動にはあるとわかった、
という点で共通しています。

これらのリーダーシップの行動理論から

『マネジリアル・グリッド』
『PM理論』

といった、リーダーシップ教育のツールが生まれ、
リーダーシップ研究は更に進みます。

(上記の「マネジリアル・グリッド」と「PM理論」は、
自分自身のリーダーシップスタイルを把握するよきツール。
よろしければGoogle先生に聞いてみて下さい)

■これで、リーダーシップがわかったね、

これで、一件落着…とはなりません。

むしろもっと複雑になります(汗)

探求をすると、更に疑問が出るのです。

このリーダーシップの行動理論も、
追求していった結果、

「リーダーシップの行動と集団業績の間に
一環した関係は見られなかった」

という結論に至ってしまいます。
(あらら)

確かに、現実を考えてみると
ある組織では
「業績、業績、とにかく業績だ!」ばかりなのに、
高業績で、モチベーションも高い、
ということもありえますし、

一方、別の組織で、
「業績、業績、とにかく業績だ!」となったら
やっぱり人が辞めまくってしまった、、、
ということもあります。

チームが一丸となっている中で
「人を大切にする対人軸」のリーダーシップ行動に
力を入れたら、業績が高まったチームもあれば、

逆に落ちてきてしまった…
というチームもあったりする。

■、、、はて、では
リーダーシップ行動と業績の関連とは…?

と疑問が生まれました。

そしてそれらを説明するのは
行動だけではなく、「状況」である、

とされ、1970年代の、

『リーダーシップの条件適合論』

なるものに、繋がっていくのです。

、、、とここまでの話が
1970年代前半まで。

ここから更に
盛り上がってくる(?)のですが、、、

長くなりましたので
続きは明日に続けます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

先入観を取り除くために、常に「なぜ」と自問しない者は、
どんなに勉強しようとも怠け者だ。

トーマス・フラー(イギリスの神学者/1604-1661)

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