リーダーシップの100年の歴史(前編)
(本日のお話 2653字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
また夜は「大学院おすそ分け勉強会」の開催でした。
https://docs.google.com/forms/d/1HeHzumOsIkgoiyhAQRBhgPgk7Hw1AIJVeY8C30d2RfU/edit
昨日は「リーダーシップ」がテーマ。
リーダーシップを
ストーリーとして時系列で遡ることで、
散らばっていた知識が
自分の中で統合される気がして
実に深い学びになるなあ…
と感じた時間でした。
手前味噌ですが、
いい勉強会やってるなあ、と思いました。
(自画自賛笑)
そして、ご参加いただきました皆様、
誠にありがとうございました!
*
さて、本日のお話です。
今日は昨日の勉強会に
ご参加頂いた皆様の復習も兼ねて
「リーダーシップの歴史」
をテーマに、学びを
ご共有させていただきたいと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【リーダーシップの100年の歴史(前編)】
それでは、どうぞ。
■「リーダーシップ」と聞くと
皆様はどのようなイメージを持たれますか?
・主体性
・協調性
・自ら動くこと
・方向を指し示すこと
・思いやりがあること
みたいな、
”リーダーシップの要素”を
思い浮かべる人もいれば、
・スティーブ・ジョブス
・ガンジー
・坂本龍馬
みたいな、
”リーダーでイメージする人”を
思い浮かべる人もいるかと。
実に様々なイメージを彷彿するのが、
「リーダーシップ」
という言葉ではないかと思います。
(ちなみに、ある高校生は
リーダーシップ=「卑弥呼」と
言っていたそうな)
■「リーダーシップ」あるいは
「マネジメント」といった
頻繁に使われるけれども
具体的にその言葉が何を定義しているのかが
人によって違うし、よくわからない言葉を
”プラスチック・ワード”
と呼ぶことがあります。
要は、
「プラスチックのように表面がツルツルしているので
触っていても、曖昧で、ぼやっとしていて、
本質に手が届かない言葉」
を意味します。
確かに、
「リーダーシップは大事だよね」
「リーダーシップを身に付けないといけないよね」
と語っても、それが
・具体的に、どんな要素なのか?
・具体的に、どんな行動なのか?
は、実に曖昧だったりします。
■さて、そんな
曖昧なプラスチック・ワードを、
深く探求する際に便利なのが、
「リーダーシップ研究100年の歴史」
なのです。
多くの研究者が喧々諤々、
様々な定義を打ち出してきました。
その理論を知ると、
「ああ、リーダーシップって
そうやって研究が深まってきたんだ」
というストーリーが分かって、
視点が広がる感じがします。
■、、、ということで、
リーダーシップ研究の
100年以上にわたる大まかな流れを
以下、ざっくり説明したいと思います。
(私なりにラフにアレンジしておりますので
その点はご留意ください)
■まず1930年代。
『リーダーシップの特性理論(偉人説)』
が研究されます。
「特性」とは”個人の特徴”のこと。
リーダーには、
リーダーたる特性が備わっている。
つまり、リーダーは生まれつきリーダー。
すなわち、「リーダー偉人説」となるわけですね
特性も、様々なものが挙げられました。
例えば、
・知能、学力、といった「知性」。
・教育水準や、社会的地位といった
「社会的バックグラウンド」。
・身長、体重、恰幅の良さ、人種などの
「身体的特徴」
etc...
しかしながら、
多くのリーダーをリーダーたらしめる特性の研究が進み、
80近くのリーダーシップ特性が特定されたのですが、
4つ以上の研究に共通する特性は
「わずか5つ」しかなかった…
という結論に至りました。。。
つまり、
”上場企業の社長は身長が高い人が多い”
という特性を見つけたとしても
「でも、身長が低い社長もいるじゃん」
となると「共通する特性」にはならず、
あくまでも傾向止まりです。
ということで、結果、
「リーダーをリーダーたらしめる
特性の共通点など、ほぼないのでは…?」
となり、リーダーシップの特性理論は
壁にぶち当たります。
■そして、時は進み、1940年代。
『リーダーシップの行動理論』
が登場します。
リーダーをリーダーたらしめるのは、
個人の特性ではなく、「行動」ではないか。
しかも、
リーダーシップに紐付く「行動」が特定できたら
リーダーシップを学ぶことができるじゃないか…!
、、、とリーダーシップ研究は
新たな光を見出します。
■そんな中で有名な
2つの研究が行われました。
1つがオハイオ州立大学での
リーダーシップ研究。
リーダーシップを記述する
1700を超える質問項目が抽出され、
これを分析したところ、
「リーダーシップは2つの軸で説明しつくせる」
ことがわかりました。
*
その2つの軸とは何か?
1つ目が「構造作り」。
部下の課題を明確にし、
部下にタスクを割り当て、
業務手順を設定することです。
2つ目が、「配慮」。
人間関係を生み出し尊重する行動。
部下の感情や欲求に配慮することです。
この両者について
高いレベルでバランスさせることで
リーダーは高い業績をもたらすことができる、と
オハイオ州立大学の研究ではしました。
■また、同じ時期に行われた
ミシガン大学の研究もあります。
リーダー行動には、
「仕事中心志向の監督」と
「従業員中心志向の監督」がある。
両者を比較した場合、
「従業員中心志向の監督」の方が
高業績であることがわかった、
としました。
■両者の大学の研究は、
方法が若干違うのですが、
いずれも
『1,仕事軸』(構造づくり/仕事中心志向の監督)
『2,対人軸』(配慮/従業員中心志向の監督)
という2つの軸が
リーダーシップ行動にはあるとわかった、
という点で共通しています。
これらのリーダーシップの行動理論から
『マネジリアル・グリッド』
『PM理論』
といった、リーダーシップ教育のツールが生まれ、
リーダーシップ研究は更に進みます。
(上記の「マネジリアル・グリッド」と「PM理論」は、
自分自身のリーダーシップスタイルを把握するよきツール。
よろしければGoogle先生に聞いてみて下さい)
■これで、リーダーシップがわかったね、
これで、一件落着…とはなりません。
むしろもっと複雑になります(汗)
探求をすると、更に疑問が出るのです。
このリーダーシップの行動理論も、
追求していった結果、
「リーダーシップの行動と集団業績の間に
一環した関係は見られなかった」
という結論に至ってしまいます。
(あらら)
確かに、現実を考えてみると
ある組織では
「業績、業績、とにかく業績だ!」ばかりなのに、
高業績で、モチベーションも高い、
ということもありえますし、
一方、別の組織で、
「業績、業績、とにかく業績だ!」となったら
やっぱり人が辞めまくってしまった、、、
ということもあります。
チームが一丸となっている中で
「人を大切にする対人軸」のリーダーシップ行動に
力を入れたら、業績が高まったチームもあれば、
逆に落ちてきてしまった…
というチームもあったりする。
■、、、はて、では
リーダーシップ行動と業績の関連とは…?
と疑問が生まれました。
そしてそれらを説明するのは
行動だけではなく、「状況」である、
とされ、1970年代の、
『リーダーシップの条件適合論』
なるものに、繋がっていくのです。
、、、とここまでの話が
1970年代前半まで。
ここから更に
盛り上がってくる(?)のですが、、、
長くなりましたので
続きは明日に続けます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
先入観を取り除くために、常に「なぜ」と自問しない者は、
どんなに勉強しようとも怠け者だ。
トーマス・フラー(イギリスの神学者/1604-1661)
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