「探究」とは、自信をなくすことから始まる
(本日のお話 2489字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
日曜日はひきつづき
18時間くらい眠った気がします。。。
なんとなく気だるさが続いていましたが
この週末で復活できました。
心身の体調は大切。
*
さて、本日のお話です。
先日読んだ本の一節にて、
「探求の大切さ」
を考えさせられました。
本日はこのお話について
皆さまに学びと気付きを
ご共有させていただければと思います。
それでは参りましょう!
タイトルは、
【「探究」は、自信の揺らぎから始まる】
それでは、どうぞ。
■私が好きな例え話で、
『コマ回し』
のたとえがあります。
この話は、
「人が信念を
手に入れていく道筋」
を比喩的に表したお話。
*
ちょっとイメージをしていただきたいのですが、
お正月のコマを回すと、どうなるでしょうか?
まず、
・コマは回し始めた時は、
コマが大きな円を描き、安定しない
↓
・しかし、コマ自身が回リ続けていれば、
いずれ大きな円を描くコマの軌道は、
段々と小さくなっていく
↓
・コマはいずれ一箇所で留まり
安定して、回転し続けられるようになる
と、変化をしていきますね。
■これを現実の
私達のキャリアの旅路に置き換えるならば
・何かを始めたばかりのときは
あちらこちらに動き回ってばかりで、安定しない。
何がしたいのかも、自分でもわからない。
↓
・しかし、あれやこれや行動をし続けると
コマ自体は回転を止めない、回り続ける。
すると、やがて一箇所にとどまっていく
↓
・そして一つの場所に定まる。そして
ある道において「これが自分のスタイルなのだ」という
信念が生まれる
、、、こんなイメージで、
「コマ回しのたとえ」
=「人が信念を獲得する道すじ」
と例えたのでした。
■人は往々にして、
「新しい事柄(人/知識)との出会い」から始まり、
↓
「信念のゆらぎ・疑念」が起こり
↓
「探究」を進め
↓
「安定」していく
というプロセスを経ていきます。
これが、
”人が自分の信念を
獲得していくプロセス”
と言えるのでしょう。
*
ちなみに、ことコマについても
”一度安定したように見えても、
環境が揺らぐと(台がぐらつく、障害物にぶつかる)
コマはまた不安定になり、円を描き始める”
ものですが
この点も、私達のキャリアに
非常に似ているなあ、、、
と思いますね。
(人や新しいプロジェクトに出会うと、
信念が揺らいだりするものです)
■そんな「コマのたとえ」に関して、
哲学者のデューイが、
こんな事を言っており、
大いなる関連性を感じて、
一人興奮してしまっておりました。
どんな話かというと、
デューイ曰く、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
”探究とは、新しい事に出会ったりして、
これまでに持っていた信念が揺らいだときに始まる。
それは矛盾をはらむような不確定な状態、
混沌とした状態である。
そこから、それらが落ち着くような信念に向かい、
到達したら、安定する。
思考・探究は、混沌から手探りで
一歩ずつ前に進んでいくため、「冒険」的である”
(デューイ『論理学』)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
という話です。
■「探究」とは
「内省的思考」とも言いかえられます。
”内省的思考”とは
「われわれがなすことと、生ずる結果との間の、
特定の関連を発見して、両者が連続的になるようにする
意図的な努力」
とデューイは言いますが、
シンプルに言い換えると、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「内省的思考」=
1,自分が行ったことと、結果について
関連を発見しようとする。
2,それらの発見をこれからに活かそうとする
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
という思考です。
そして、
”「内省的思考」を行うことは
能力向上にプラスの影響を与える”
こともわかっているので、
とっても大事なのです。
■新しい事柄に出会い、
そこから「何をしたらどうなるのか?」
という新しい探究(内省的思考)が始まる。
まさに、
”探究とは、新しい事に出会ったりして、
これまでに持っていた信念が揺らいだときに始まる。
のです。
そしてそれは「混沌」とも表現されるように、
決して気持ちがよいだけではない。
しかし、成長のためには
とても大切なことなのです。
■私(紀藤)の話で恐縮ですが、
私も大学院に行きはじめて、
人材開発・組織開発を深く学ぶにつれて
まさに「混沌」を感じています。
つまり、
「自分が持っていた信念(=自信)に
ゆらぎが生じている」
と感じるのです。
自分がやってきたことは
正しいと思ってやってきた。
しかしながら、
「新しい事柄(人/知識)との出会い」によって
「このやり方で本当によいのだろうか?」
という疑惑・疑念が生まれ、混乱するのです。
それは、
・研修企画の仕方
・文章の書き方
・人への伝え方
・ミーティングのやり方
・ファシリテーションの仕方
などなど、あらゆるところに
”ゆらぎ”が生じています。
■気持ちが良いかと言うと、
そんなことはありません。
”混沌・不確定な気持ち”
ですから、あまり落ち着きません。
しかし、これらを
「探究の道のり」
を見れば、これはこれで素晴らしい
ステップを進んでいる、
とも言えるかもしれない。
■デューイは続いて
こんなことも言っています。
”解決された信念の獲得は、
漸進的事柄である。
全く解決されて、
されなる探究にさらされない信念は存在しない。”
とのこと。
つまり、
「これに違いない!」という信念を獲得しても、
それで終わり、とはならない
次なる混沌があり、新しい探究は続く、
というわけです。
「探究」とは、漸進的に
だんだんと進み続けるものなのです。
そして、
『一つの探究の終わりが
次なる探究の始まりになる』。
これこそ学び・探究の旅路です。
■皆さまも、新しい出会いがあると、
色々と落ち着かないこともあるかもしれません。
しかし、それは新しい探究の旅の
始まりである。
「新しい事柄(人/知識)との出会い」
↓
「信念のゆらぎ・疑念」
↓
「探究」
↓
「安定」
↓
「新しい事柄(人/知識)との出会い」
↓
「信念のゆらぎ・疑念」
↓
「探究」
↓
以下続く・・・
これらが
「探究の旅路」であり
「信念を獲得し続ける旅路」
なのだろう、
【 「探究」は、自信の揺らぎから始まる】
そんなことを思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
生物は、変化しうるがゆえの
安定なのである。
シャルル・ロベール・リシェ(フランスの生理学者/1850-1935)
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