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2720号 2021年8月2日

「探究」とは、自信をなくすことから始まる

(本日のお話 2489字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

日曜日はひきつづき
18時間くらい眠った気がします。。。

なんとなく気だるさが続いていましたが
この週末で復活できました。

心身の体調は大切。



さて、本日のお話です。

先日読んだ本の一節にて、

「探求の大切さ」

を考えさせられました。

本日はこのお話について
皆さまに学びと気付きを
ご共有させていただければと思います。

それでは参りましょう!

タイトルは、

【「探究」は、自信の揺らぎから始まる】

それでは、どうぞ。

■私が好きな例え話で、

『コマ回し』

のたとえがあります。

この話は、

「人が信念を
手に入れていく道筋」

を比喩的に表したお話。



ちょっとイメージをしていただきたいのですが、
お正月のコマを回すと、どうなるでしょうか?

まず、

・コマは回し始めた時は、
コマが大きな円を描き、安定しない

・しかし、コマ自身が回リ続けていれば、
いずれ大きな円を描くコマの軌道は、
段々と小さくなっていく

・コマはいずれ一箇所で留まり
安定して、回転し続けられるようになる

と、変化をしていきますね。

■これを現実の
私達のキャリアの旅路に置き換えるならば

・何かを始めたばかりのときは
あちらこちらに動き回ってばかりで、安定しない。
何がしたいのかも、自分でもわからない。

・しかし、あれやこれや行動をし続けると
コマ自体は回転を止めない、回り続ける。
すると、やがて一箇所にとどまっていく

・そして一つの場所に定まる。そして
ある道において「これが自分のスタイルなのだ」という
信念が生まれる

、、、こんなイメージで、

「コマ回しのたとえ」
=「人が信念を獲得する道すじ」

と例えたのでした。

■人は往々にして、

「新しい事柄(人/知識)との出会い」から始まり、

「信念のゆらぎ・疑念」が起こり

「探究」を進め

「安定」していく

というプロセスを経ていきます。

これが、

”人が自分の信念を
獲得していくプロセス”

と言えるのでしょう。



ちなみに、ことコマについても

”一度安定したように見えても、
環境が揺らぐと(台がぐらつく、障害物にぶつかる)
コマはまた不安定になり、円を描き始める”

ものですが

この点も、私達のキャリアに
非常に似ているなあ、、、
と思いますね。

(人や新しいプロジェクトに出会うと、
信念が揺らいだりするものです)

■そんな「コマのたとえ」に関して、

哲学者のデューイが、
こんな事を言っており、

大いなる関連性を感じて、
一人興奮してしまっておりました。

どんな話かというと、
デューイ曰く、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

”探究とは、新しい事に出会ったりして、
これまでに持っていた信念が揺らいだときに始まる。

それは矛盾をはらむような不確定な状態、
混沌とした状態である。

そこから、それらが落ち着くような信念に向かい、
到達したら、安定する。

思考・探究は、混沌から手探りで
一歩ずつ前に進んでいくため、「冒険」的である”

(デューイ『論理学』)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

という話です。

■「探究」とは
「内省的思考」とも言いかえられます。

”内省的思考”とは

「われわれがなすことと、生ずる結果との間の、
特定の関連を発見して、両者が連続的になるようにする
意図的な努力」

とデューイは言いますが、
シンプルに言い換えると、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「内省的思考」=

1,自分が行ったことと、結果について
関連を発見しようとする。

2,それらの発見をこれからに活かそうとする
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

という思考です。

そして、

”「内省的思考」を行うことは
能力向上にプラスの影響を与える”

こともわかっているので、
とっても大事なのです。

■新しい事柄に出会い、

そこから「何をしたらどうなるのか?」

という新しい探究(内省的思考)が始まる。

まさに、

”探究とは、新しい事に出会ったりして、
これまでに持っていた信念が揺らいだときに始まる。

のです。

そしてそれは「混沌」とも表現されるように、
決して気持ちがよいだけではない。

しかし、成長のためには
とても大切なことなのです。

■私(紀藤)の話で恐縮ですが、

私も大学院に行きはじめて、
人材開発・組織開発を深く学ぶにつれて

まさに「混沌」を感じています。

つまり、

「自分が持っていた信念(=自信)に
ゆらぎが生じている」

と感じるのです。

自分がやってきたことは
正しいと思ってやってきた。

しかしながら、
「新しい事柄(人/知識)との出会い」によって

「このやり方で本当によいのだろうか?」
という疑惑・疑念が生まれ、混乱するのです。

それは、

・研修企画の仕方
・文章の書き方
・人への伝え方
・ミーティングのやり方
・ファシリテーションの仕方

などなど、あらゆるところに
”ゆらぎ”が生じています。

■気持ちが良いかと言うと、
そんなことはありません。

”混沌・不確定な気持ち”

ですから、あまり落ち着きません。

しかし、これらを

「探究の道のり」

を見れば、これはこれで素晴らしい
ステップを進んでいる、

とも言えるかもしれない。

■デューイは続いて
こんなことも言っています。

”解決された信念の獲得は、
漸進的事柄である。

全く解決されて、
されなる探究にさらされない信念は存在しない。”

とのこと。

つまり、
「これに違いない!」という信念を獲得しても、

それで終わり、とはならない
次なる混沌があり、新しい探究は続く、

というわけです。

「探究」とは、漸進的に
だんだんと進み続けるものなのです。

そして、

『一つの探究の終わりが
次なる探究の始まりになる』。

これこそ学び・探究の旅路です。

■皆さまも、新しい出会いがあると、
色々と落ち着かないこともあるかもしれません。

しかし、それは新しい探究の旅の
始まりである。

「新しい事柄(人/知識)との出会い」

「信念のゆらぎ・疑念」

「探究」

「安定」


「新しい事柄(人/知識)との出会い」

「信念のゆらぎ・疑念」

「探究」

以下続く・・・

これらが

「探究の旅路」であり
「信念を獲得し続ける旅路」

なのだろう、

【 「探究」は、自信の揺らぎから始まる】

そんなことを思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

生物は、変化しうるがゆえの
安定なのである。

シャルル・ロベール・リシェ(フランスの生理学者/1850-1935)
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