「リーダーシップを開発する」ための6つの実践方法(その4)~ジョブアサインメント~
(本日のお話 2853字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は打ち合わせ3件。
また、研修企画の作成。
並びに企画書作成などでした。
*
さて、本日のお話です。
引き続き、
『LEADERSHIP DEVELOPMENT:A REVIEW IN CONTEXT』
(リーダーシップ開発:文脈の中での見直し)
デイビッド・V・デイ
の論文から、学びと気づきを
ご共有させていただければと思います。
(2回で終わる予定だったのに
気づいたらずっとこの論文から
離れられなくなっております・・・汗)
、、、がそれくらい学びが深い、ということで、
早速まいりたいと思います!
タイトルは、
【「リーダーシップを開発する」ための6つの実践方法(その4)~ジョブアサインメント~】
それでは、どうぞ。
■「リーダーシップを開発する
一般的な、でも有望な実践方法があるよ」
と、ペンシルバニア大学の
デイビッド・V・デイは、
以下の6つを述べていました。
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【リーダーシップを開発する有望な実践方法】
1)360度フィードバック
2)コーチング
3)メンタリング
4)ネットワーキング
5)ジョブ・アサインメント(仕事の割り当て)
6)アクション・ラーニング
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そして、昨日まで
1)~4)をご紹介してまいりました。
※過去バックナンバーはこちら↓↓
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3931815/
、、、ということで、
今日は続きまして、
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5)ジョブ・アサインメント(仕事の割り当て)
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のお話をご紹介できればと思います。
■いきなり質問ですが、
Q,これまでのキャリアを振り返ったとき、
「自分が成長した」と感じた瞬間は
どんなときでしょうか?
、、、こう問われたら、
皆様は、どのように
お答えになられますでしょうか?
、、、
おそらく様々な回答が出るかと思いますが、
「自分にとってチャレンジングな仕事に向き合ったとき」
(昇進、昇格、異動、転職などで役割が変わったとき)
と答えられる方、
いらっしゃるのではないかと思います。
■リーダーシップの分野で有名な、
神戸大学教授の金井壽宏氏は
『リーダーシップ開発には
”一皮むけた経験”が重要である』
と言いました。
まさに、人を成長させるのは、
一皮むける、つまり、
「自分をストレッチさせる経験」であること、
それは一つの事実かと思います。
そして、そのストレッチされる経験の
きっかけとなるものが、
”ジョブ・アサインメント(仕事の割り当て)”
です。
■ちなみに、
ジョブ・アサインメント(仕事の割り当て)
の特徴は以下のように
説明されています。
・概要:仕事の役割やスキル、社会化の域面で
”ストレッチ”させる仕事を提供すること
・効果:より広い範囲でのビジネスの理解
スキルの開発がされる
・強み:仕事に関連した学びを加速させる
とのこと。
確かに、仕事の役割で
「新人育成担当」でも「メンター」でも
「リーダー」でも「マネジャー」でも、
「部長」でも「社長」でも、
”新しい役割”を与えられると、
これまでの延長線上ではない能力を
発揮することが求められます。
その時はめちゃくちゃ大変で、
乗り切ることしか考えられない!
という状況だったとしても、
振り返ってみると、
そのタフな経験が
自分を成長させてくれた、
ということは往々にしてあるものです。
(まあ、大変なんですけどね汗)
■ご紹介の論文でも、
リーダーシップ開発の文脈において、
仕事の割り当てについて、
このように語られています。
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”仕事の割り当ては、マネージャーにとって、
チームの構築、より優れた戦略的思考者になる方法、
貴重な説得力と影響力のスキルを得る方法を学ぶ上で、
特に役立つものとして認識されている”
(McCall, Lombardo, & Morrison, 1988)
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まあ、そりゃそうだ、
ということですが、
いずれにせよ、
”「仕事の割り当て」はとても大事”
なわけです。
■、、、といいつつ一方、
”とはいえ、
ジョブアサインメントにおいて
注意すべきこともある”
とも言われています。
以下、その理由について
論文から引用します。
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失敗を発展的にとらえる上級管理職は
非常に少ない。
苦難から学ぶことは、
挑戦や変化に直面したときの個人の回復力を高め、
長期的にはパフォーマンスを
向上させることができるにもかかわらず、
組織のトップレベルには、能力開発への関心よりも、
最大のパフォーマンスを追求する人々が
多く存在していることの方が圧倒的に多い。
(Hollenbeck & McCall, 1999)。
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とのこと。
つまり、
『仕事の割り当ては能力開発に有効。
わかっちゃいるけど、
そのような長期的な”能力開発の効果”を考えずに、
短期的な視点で、
成果を出せそうな人に仕事を割り当てるがちだよね』
ということですね。
■確かに、成果は大事です。
ゆえに、
長期的な「能力開発」の視点と
短期的な「最大のパフォーマンス」の視点。
これを比べたときに
つい短期目線になるのは、
致し方ないことかもしれません。
でも、それって
長期継続的に見たときに、
組織全体を考えたとき本当にいいのだろうか?
と、問われているようにも感じます
■「ストレッチングな仕事」というのは、
私たちを成長させてくれる、
実に”貴重なチャンス”なわけです。
そして、それらのものが
ゴロゴロ転がっているかというと、
今の時代、意外と
そうでもないのです。。
低成長な時代。
新たな仕事もポジションも
増えづらくなっている。
とすると、その中では、
「ストレッチングな仕事」というのは、
『貴重で希少な、
選ばれし者のみが得られる”経験資源”』
とも呼べるものである。
組織は「経験資源を配分すべき」という話を
先日大学院の授業で聞きましたが
まさにそのとおり。
我々は、
”ストレッチングな仕事経験がもたらす価値”
を仕事を与えるほうも、
そして受けるほうも、
もっともっと認識することが
大事なのだろうな、と思います。
■その他、
ジョブアサインメントに関連して、
仕事の横移動(ジョブローテーション)についても、
こんな研究結果が出ています。
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”ジョブローテーションによって
どのようなスキルが得られるかという質問に対して、
1位:ビジネスに対する幅広い視野(回答者の46%)
2位:適応性と柔軟性(31%)、
3位:リーダーシップスキル(19%)
であることが明らかになった”
(Campion, Cheraskin, & Stevens, 1994)
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とのこと。
抽象度を上げると、
「新しい経験」は自分の成長につながる
ということは、仕事の割り当てと
同じことなのでしょうね。
■ということで、
「ストレッチした仕事経験」
は私たちの能力開発に役立つ、
このことをしかと認識し、
・昇進・昇格
・新しいプロジェクトの参加
・他の部署への異動
などを積極的に活用して
自分と組織を育てていきたい、
そんなことを思った次第です。
私も自分で会社をやっているので、
攻め続けて、自分で経験資源を
どんどん取りに行かないとな、
と思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
運命とは偶然の問題ではなく、選択の問題である。
それは、待つものではなく、自分の手で獲得するものである。
ウィリアム・ジェニングス・ブライアン(米国の政治家/1860-1925)
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