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2752号 2021年9月3日

「ステータス」を「マネジメント」する

(本日のお話 1919字/読了時間2分半)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は、1件のアポイント。
また午後からストレングス・ファインダー研修でした。



さて、本日のお話です。

先日、大学院の学びの中で

「ステータス・マネジメント」

なる言葉と、その大切さについて学び
考えさせられました。

今日はそのお話についての気づきを
皆さまにご共有させていただきたいと思います。

それでは早速まいりましょう。

タイトルは、

【「ステータス」を「マネジメント」する】

それでは、どうぞ。

■「ステータス・マネジメント」。

ステータス=地位
マネジメント=管理

すること。

「これ、研修において、
めっちゃ大事ですよ!」

と、先日大学院にて
先生から教わりました。

■私は研修講師もしているので、
この感覚、よーくわかります。

そうでなくても
研究結果において、

”講師が受講生との心理的距離を縮めるような
インストラクションスタイルであった時に、

受講生の反応は良くなり、その結果
「研修内容を現場で実践できそう」と考える
自己効力感が高まる。”

(Sitzmann et al.2008)

なんて話もあるので、

受講者との心理的距離とは
極めて重要なようです。

■また、皆さまも
ご想像いただけるかと思いますが、

例えば研修の場に参加したとして

「講師が親しみやすくないと、
聞く気にならない」
(=ヤな感じの講師の話は抵抗感を覚える)

ものだと思いますし、かといって、

「フレンドリーすぎて、権威がないと
信頼できず話が入ってこない」

こともあります。

、、、うーん、人の心とは
かくもむずかしいものです。。。

■いずれにせよ、

「研修」の場というのは、

人の心と心が対峙するナマモノで

ガラス細工のごとき、
繊細な関わり方がときに必要です。

ゆえに、なんとなくではなく、

”「いい人&すごい人」と思ってもらえる
信頼関係を意識して作り出す”

ことは、

研修において効果につなげる上でも大事で、
講師は骨身を砕く必要があること、

となるのでしょう。

ゆえに、意識して

「ステータス・マネジメント」
(=地位を管理する)

のが大事となるわけです。

■では、この
ステータス・マネジメント。

実際にどのように
何に気をつければよいのでしょうか?

それは、一言。

『言葉』

なのです。

例えば、

「皆さんにとって
何が大切ですか?」

と問うたとき、
受講者はどう感じるか。

一見普通なようですが、

”「私」と「あなた」という
境界線を作っている表現”

とも言えて、若干の距離感を生みます。

一方、

「私たちにとって、
何が大切なのでしょうか?」

と問えば、

「私たち」の中に
講師も入ることになり、
距離感が縮まる、となります。

どちらが良いかは
ケース・バイ・ケースですが、

”わずかな言葉づかい”

が影響を与えるわけです。

■あるいは、
もっと極端な例で言えば、

日本企業で横文字が大の苦手な
ベテラン社員の方々に、

「エンゲージメントを高めるためには、
トレーニングのフィジビリティが重要ですよね」

なんて横文字を連発した日には、

「”あの人”は 我々とは違う」

と境界を感じさせるでしょうし、
場合によっては、

(いけ好かねえ野郎だ・・・!)

と敵意すら覚えるかもしれません。

■他方、

冒頭の挨拶では、
冗談やユーモアを交え
ぐぐっと自分のステータスを下げたものの

いざ講義に入ると

情熱を携えつつ
エビデンスに基づいたデータを用いた講義で
ぐぐっと自分のステータスを上げてくる、

等を意図して行うことで、
効果的な地位に自分を持ってくる、、、

という方法もあるでしょう。

■何が正しいか、というのは、
状況によってまるで違います。

それは、”自分のキャラ”もあるでしょう。

「自分の得意な立ち位置は
どのあたりだろうか?」

(先生的なポジションか
親しめるパートナー的ポジションか)

という問いもあります。

あるいは、

”今回の受講者と講師の関係性”

を考えて、

「今回の受講者にとって、
最適なステータス(地位)はどこか?」

と、時と場合に応じて
柔軟に対応をすることも
求められてくるでしょう。

■いずれにせよ、

1,言葉一つで自分のステータスが変わる

2,ステータスは講師の信頼性に関わる

3,講師の信頼性は研修効果に影響を与える

ことを意識し、

『効果的な研修の場にするために
”言葉”を意識して、意図した
ステータス・マネジメントを行う』

ことは、

その研修において
講師が持つ重要な責務である、

とも言えるのでしょう。

■自分は、その場において
どんな言葉を使っているか。

その影響を意識しているか。

このことを改めて問うてみると、
意外と意図せず放っている言葉、
多いのかもしれません。。。

「自分視点」と「相手視点」、
そして俯瞰してみる「メタ視点」を
縦横無尽に行き来しつつ、

自らのステータス・マネジメントを
意図して行うこと。

研修に関わるものとして
とても重要なことだな、と
共感した次第でございます。

自戒を込めて。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

最も良い説得方法の一つは、
相手に気に入られることである。

カリエール(フランスの外交官/1645-1717)

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