「ステータス」を「マネジメント」する
(本日のお話 1919字/読了時間2分半)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、1件のアポイント。
また午後からストレングス・ファインダー研修でした。
*
さて、本日のお話です。
先日、大学院の学びの中で
「ステータス・マネジメント」
なる言葉と、その大切さについて学び
考えさせられました。
今日はそのお話についての気づきを
皆さまにご共有させていただきたいと思います。
それでは早速まいりましょう。
タイトルは、
【「ステータス」を「マネジメント」する】
それでは、どうぞ。
■「ステータス・マネジメント」。
ステータス=地位
マネジメント=管理
すること。
「これ、研修において、
めっちゃ大事ですよ!」
と、先日大学院にて
先生から教わりました。
■私は研修講師もしているので、
この感覚、よーくわかります。
そうでなくても
研究結果において、
”講師が受講生との心理的距離を縮めるような
インストラクションスタイルであった時に、
受講生の反応は良くなり、その結果
「研修内容を現場で実践できそう」と考える
自己効力感が高まる。”
(Sitzmann et al.2008)
なんて話もあるので、
受講者との心理的距離とは
極めて重要なようです。
■また、皆さまも
ご想像いただけるかと思いますが、
例えば研修の場に参加したとして
「講師が親しみやすくないと、
聞く気にならない」
(=ヤな感じの講師の話は抵抗感を覚える)
ものだと思いますし、かといって、
「フレンドリーすぎて、権威がないと
信頼できず話が入ってこない」
こともあります。
、、、うーん、人の心とは
かくもむずかしいものです。。。
■いずれにせよ、
「研修」の場というのは、
人の心と心が対峙するナマモノで
ガラス細工のごとき、
繊細な関わり方がときに必要です。
ゆえに、なんとなくではなく、
”「いい人&すごい人」と思ってもらえる
信頼関係を意識して作り出す”
ことは、
研修において効果につなげる上でも大事で、
講師は骨身を砕く必要があること、
となるのでしょう。
ゆえに、意識して
「ステータス・マネジメント」
(=地位を管理する)
のが大事となるわけです。
■では、この
ステータス・マネジメント。
実際にどのように
何に気をつければよいのでしょうか?
それは、一言。
『言葉』
なのです。
例えば、
「皆さんにとって
何が大切ですか?」
と問うたとき、
受講者はどう感じるか。
一見普通なようですが、
”「私」と「あなた」という
境界線を作っている表現”
とも言えて、若干の距離感を生みます。
一方、
「私たちにとって、
何が大切なのでしょうか?」
と問えば、
「私たち」の中に
講師も入ることになり、
距離感が縮まる、となります。
どちらが良いかは
ケース・バイ・ケースですが、
”わずかな言葉づかい”
が影響を与えるわけです。
■あるいは、
もっと極端な例で言えば、
日本企業で横文字が大の苦手な
ベテラン社員の方々に、
「エンゲージメントを高めるためには、
トレーニングのフィジビリティが重要ですよね」
なんて横文字を連発した日には、
「”あの人”は 我々とは違う」
と境界を感じさせるでしょうし、
場合によっては、
(いけ好かねえ野郎だ・・・!)
と敵意すら覚えるかもしれません。
■他方、
冒頭の挨拶では、
冗談やユーモアを交え
ぐぐっと自分のステータスを下げたものの
いざ講義に入ると
情熱を携えつつ
エビデンスに基づいたデータを用いた講義で
ぐぐっと自分のステータスを上げてくる、
等を意図して行うことで、
効果的な地位に自分を持ってくる、、、
という方法もあるでしょう。
■何が正しいか、というのは、
状況によってまるで違います。
それは、”自分のキャラ”もあるでしょう。
「自分の得意な立ち位置は
どのあたりだろうか?」
(先生的なポジションか
親しめるパートナー的ポジションか)
という問いもあります。
あるいは、
”今回の受講者と講師の関係性”
を考えて、
「今回の受講者にとって、
最適なステータス(地位)はどこか?」
と、時と場合に応じて
柔軟に対応をすることも
求められてくるでしょう。
■いずれにせよ、
1,言葉一つで自分のステータスが変わる
2,ステータスは講師の信頼性に関わる
3,講師の信頼性は研修効果に影響を与える
ことを意識し、
『効果的な研修の場にするために
”言葉”を意識して、意図した
ステータス・マネジメントを行う』
ことは、
その研修において
講師が持つ重要な責務である、
とも言えるのでしょう。
■自分は、その場において
どんな言葉を使っているか。
その影響を意識しているか。
このことを改めて問うてみると、
意外と意図せず放っている言葉、
多いのかもしれません。。。
「自分視点」と「相手視点」、
そして俯瞰してみる「メタ視点」を
縦横無尽に行き来しつつ、
自らのステータス・マネジメントを
意図して行うこと。
研修に関わるものとして
とても重要なことだな、と
共感した次第でございます。
自戒を込めて。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
最も良い説得方法の一つは、
相手に気に入られることである。
カリエール(フランスの外交官/1645-1717)
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