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2763号 2021年9月14日

パーソナル・ビジョンの研究 ~鮮明で挑戦的な個人のビジョンを持つことの価値ってなんだ!?~

(本日のお話 2656字/読了時間3分半)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は5件のアポイント。
また1件のコーチング(受けるほう)。



さて、本日のお話です。

「ビジョンを持つこと」は
しばしば大切と言われます。

、、、が、実際のところ、
「ビジョンを持つ」ことは、
どんな効果があるのでしょうか?

このことについて先日、
調べてみました。

そんな中、
とある興味深い論文が見つかりました。

今日はそのお話を皆さまに
共有させていただければと思います。

それでは、早速まいりましょう!

タイトルは、

【パーソナル・ビジョンの研究
~鮮明で挑戦的な個人のビジョンを持つことの価値ってなんだ!?~】

それでは、どうぞ。

■「ビジョンを持ちましょう!」

「夢を持ちましょう!」

「高い目標を持ちましょうー!!」

、、、と、言葉は違えど、

「こうなれたらいいな」という
ビジョンを鮮明に描くことは、

(特に自己啓発的な文脈では)

100%といっていいほど登場する、
主役級のメッセージです。

ぶっちゃけ

「ビジョンを持とう!」

といっても、眉唾な人も
少なくないのでは…と思います。

ちょっと青臭いし、
それが今期の数字達成につながるのかよ!?

というツッコミも想像されそうです。

■実際

「個人的なビジョンを持つ」

ことが、

”現実世界の課題
(例えば、学業や仕事など)に対して、
どのような影響を与えるのか?”

についての研究は、
これまでなされていなかったようです。

そんな中、先日、
こんな論文が見つかりました。

(ちょっとタイトルが長いのですが)

『鮮明で挑戦的な個人のビジョンが
目標の階層化に果たす役割』

(Aline Masuda.Thomas Kane.Carol F.Shoptaugh.Katherine Minor(2010),
The Role of a Vivid and Challenging Personal Vision in Goal Hierarchies)

なるもの。

ミズーリ州立大学などによる研究です。

■端的に研究の趣旨を伝えると

1)ビジョン(遠位目標)は近い目標(近似目標)に
どのような栄養を与えるのか?

2)それを見極めるために、
「鮮明で挑戦的な個人ビジョンを持つ学生」と
「ビジョンを持たない学生」を比較する

3)目標へのこだわり、努力に対しての影響を調べる

というシンプルなものです。

■結果からすると、

「挑戦的で鮮明な個人的なビジョンを自然に設定した学生は、
”より困難で具体的な大学の目標を設定”した。

生き生きとした個人的なビジョンを概念化した学生は、
”学期ごとの目標に対してより熱心に取り組んだ”」

という論文の結論に至っています。

想像すると、
普通のことに見えるかもしれませんが、

「ビジョンを描くと、
近しい目標へのコミットが高まる」

という事実は、
改めて注目に値するかと。

■ちなみに、

「挑戦的で鮮明ビジョン」とは
一体どのようなものなのでしょうか?

一つ、鮮明なビジョンの例として
以下のように紹介されていました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<鮮明なパーソナル・ビジョン(例)>

私の職業人生のビジョンには、人生の様々な分野が含まれています。
私は、米国の外交的前哨基地で海外勤務をしたいと考えています。
特に、国務省の政治分野で働くことを楽しみにしています。

将来的には、フランス語、中国語、ドイツ語など、
さまざまな外国語を話せるようになりたいと思っています。

世界中を旅して、イギリス、フランス、イタリア、
日本、中国の「文化」を吸収したいと思っています。
芸術や音楽への情熱を持ち続けたいと思っています。

私は、フランスの混雑したビジネス街のカフェに行ってワインを飲み、
人生を楽しむような男になるでしょう。

山登りやキックボクシングなど、
冒険性の高いスポーツに参加している自分がいます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

対して、

<鮮明”ではない”パーソナル・ビジョン(例)>とは

私は、自分が楽しめる専攻を選び、
自分の稼ぎで自分と家族を支えられるような仕事を
見つけたいと思っています。

、、、みたいなもの。

こう見てみると、

”鮮明なパーソナル・ビジョン”

なるものを描いている人は
ごく一握りのようにも思えます。

■そして、ビジョンが目標達成に繋がる
メカニズムとしては、こうなります。

1)鮮明かつ、挑戦的なビジョンを持つ

2)学生の学期目標への愛着、
目標を下げたくないという気持ちに繋がる

3)目標達成のための努力をする

4)より高いパフォーマンスにつながる

と連鎖するのです。

よって、

個人的なビジョンを持つと、
結果的に、近い目標に対してこだわりが生まれ、
より高いパフォーマンスが得られる、

となる。

■さらに言えば、

現実のキャリアにつながる話として、
こんな話も紹介されていました。

”Howard and Bray (1988)は、
AT&Tの管理職を対象とした25年間の縦断的研究において、
キャリアの抱負のレベルがキャリアの進歩を予測する
唯一の最良の要因であることを明らかにした。

とのこと。

これ、面白いですよね。

「キャリアの抱負のレベルが
『キャリアの進歩を予測する
唯一の最良の要因』である」

というわけです。

言い換えれば

「高いキャリアのビジョンを持つことは
本人の出世を予測する要因になっている」

と言えます。

そして、別の角度から見れば、

”鮮明で挑戦的なビジョンを
意図的に持つ”

ことによって、

・自らの出世に繋がる
・より望ましいキャリアが開かれる
・目標達成の確率が高まる

とも言えそう。

■、、、と考えてみると、です。

少なくとも、

「個人的なビジョンを持つことで、
損することはない」

と言えるかと。

■もちろん、皆が皆、
ビジョンを描いたから
必ずしもそうなるとは限りません。

あるいは、この研究でも、
「鮮明で挑戦的なビジョンを描いてください」と
指示しても、描けない人もいました。

つまり、

”描けるか描けないかは
個人の特性による”

という結論に至っていました。

それは本人のこれまでの経験
自己効力感、あるいは年齢などの要因があり、
ビジョンを描けるか、また、描きたいかは変わります。

ゆえに、

”誰も彼もビジョンさえ描かせておけば
なんとかなる”

みたいな強引な話にはなりません。

■ただ、です。

繰り返しとなりますが、
もし「鮮明で挑戦的なビジョン」を
描こうとして描けるのでれば、

”目標に対してコミットし
より良い結果につながるという研究結果”

はあるわけですから、やっぱり、

「個人的なビジョンを持つことで、
損することはない」

といえるし、否、

宝くじを買うよりも
個人の成功に対して
よほど相関関係はありそうなので、

『鮮明で挑戦的なビジョンは、
積極的に描くべし!』

と言えるのでは、

と私は思いますが、
いかがでしょう。

■青臭いようですが、

ビジョン、やっぱり大事。

皆さまは、
鮮明で挑戦的なビジョン、
お持ちでしょうか?

年を重ねると、
現実が見えてきたりもしますが、

いくつになっても、
ワクワクする、鮮明かつ、挑戦的なビジョン
描いていきたいものだ、

と思った次第。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

あなたができることを、
あるいはでいるようになりたいと夢見ることを、
今すぐに始めてみるといい。
大胆であること自体に、力や魔法がある。

ゲーテ

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