経営に資するための「従業員満足」を考える
(本日のお話 1775字/読了時間2分半)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
またリーダーシップ研修などでした。
夜からはコーチング講座の参加。
*
さて、本日のお話です。
大学院関連で打ち合わせをする中で、
多くの企業において
「従業員満足度」
を指標にしているところ、
やはり多いのだな、
と改めて感じています。
今日はそんな「従業員満足度」について、
(やや大学院生らしく)考えたことについて
皆さまにご共有させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【経営に資するための「従業員満足」を考える】
それでは、どうぞ。
■従業員満足度(ES)が大事。
、、、これについて、
否定する人はあまりいなさそうです。
今でも、
「Great Place to Work(働きがいのある職場)」とか
「エンゲージメントサーベイ」とか
「Well-Being指標」とか
「健康経営」などなど、
その切り口は違えど、
・会社と従業員の関係性
・従業員の心身の健康度
・感情的なつながり
等、従業員の満足度に
視点を当てた指標は数多くあり
益々増えているように感じます。
(厳密に言うと、
それぞれ違うのでしょうが…
ざっくり”似た匂い”を感じております)
■しかしながら、こと
「従業員満足度が大事」
と語るときに、
「なぜ、従業員満足度が大事で
力を入れる必要があるのか?」
を明確に理解しているか、
というと
意外とふわっとしている方も
多いのかもしれません。
従業員満足度を高めると、
どんなメリットがあり、
そして自社は何を狙って
従業員満足度のサーベイを行っているのか…
このあたりは一考の余地がありそうです。
■、、、さて、では、
理論的に「従業員満足度」は
どのように語られているのでしょう?
「組織行動論」において
『職務満足』
という言葉がありますが、これは
”自分の職務およびその環境に関する
満足度を示す概念”
とされています。
「従業員満足度」も色んな測り方がありますが、
この職務満足は近い概念といえそうです。
■そして、組織行動論において
「職務満足を高める要因」には
・精神的にやりがいのある仕事
・公平な報酬
・支援的な作業条件
・上司や同僚との人間関係
があることがわかっています。
そして「職務満足」を高めると
以下の影響があることも知られています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<職務満足を高めることによる影響>
1)顧客の視点:顧客満足(CS)の向上
2)組織の視点:離職の防止、欠勤の低下、労働災害の低下
組織市民行動(役割以外の望ましい行動)の増加
3)個人の視点:心身の健康、生活満足のアップ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
、、、とのこと。
一方、
”「職務満足」を高めたとしても、
「個人業績」とは弱い相関しかない”
こともわかっています。
ゆえに、
「従業員満足度(≒職務満足)を高めれば
一生懸命頑張って、成果を出してくれるか」
というと、そういうわけでもない、
というのも興味深いです。
■、、、と、少し
「従業員満足度」について
組織行動論の観点から見ていました。
それを踏まえて、
「従業員満足度(≒職務満足)を高めることで
特に何を得ようとしているのか?」
を考えてみるとどうだろうか、
と思うわけです。
もちろん従業員満足が高まったら、
顧客の視点でも、
組織の視点でも、
個人の視点でも、
いいことがあるのはわかる。
しかし、
「全部大事」というのは、
「どれも大事ではない」とも近しく、
その中でも、
自社の経営戦略にとって
「特に何が大事なのか?」
を問うことは、
少なくともサーベイを取っている
特に人事やマネジメント層にとっては、
重要なことではないか、
と思われます。
■「なぜなんのため?」という
根本の部分はつい忘れがちです。
今回の従業員満足度の話も、
多くの企業で取られているものだからこそ、
「従業員満足度(≒職務満足)を高めることで
特に何を得ようとしているのか?」
を考えることは大事なのでしょう。。
■儲からない仲良しな会社では
長期的に「職務満足」を実現する
・精神的にやりがいのある仕事
・公平な報酬
・支援的な作業条件
・上司や同僚との人間関係
も得られなくなるでしょうから、
「手段が目的化する」ことの危うさを考えつつ、
こういった仕組みは考える必要があるのだろうな、
と思った次第です。
「経営に資するための従業員満足」。
大事です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
孤独では、精神は満足に働かない。
ジョージ・オーウェル
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