「成功体験」を振り返る重要性
(本日のお話 2444字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日月曜日は、3件のアポイント。
また夕方からは大学院の打ち合わせ2件。
*
さて、本日のお話です。
キャリア研修でも、
リーダーシップ研修でも、
「成功体験を振り返る」
なるワークを行うことがあります。
シンプルなようですが、
実に効果的なこのワークについて、
ある書籍の中で、
説得力を持って語られており、
「確かに!」と実に納得をいたしました。
ということで今日は
”成功体験を振り返る重要性”
というテーマで
皆さまに学びと気づきを、
お届けできればと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【「成功体験」を振り返る重要性】
それでは、どうぞ。
■こんな調査があります。
「5年目までの
若手社員の育成担当者」
を対象に調査を実施したところ、
”育て上手の担当者には、
育成支援に特徴がある”
ことがわかりました。
それは以下の3つでした。
1、成功・失敗の原因を本人に語らせる
2,成功・失敗のパターンを認識させる
3,成功しても、より良い方法を考えてもらう
とのこと。
(※参考:松尾睦(2019)『部下の強みを引き出す 経験学習リーダーシップ』ダイヤモンド社より)
■社員の能力向上に
役立つ支援とは何か?
職場の学習における研究で、
その大きな一つは、
「内省支援」(=振り返り)
であることが、
明らかになっています。
※詳しくはこちら↓↓
素朴な疑問。上司が何をすれば「部下の能力」が伸びるのだろうか?
ー「職場学習」の研究から紐解く
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/9981/
■そして、そんな
「内省支援」の中で、
特に上述の3つのように、
「成功・失敗の原因やパターンに自覚的になる」
ことの支援が、
育て上手の担当者に共通するという事実は
興味深いものがあります。
■ここで特に注目したいのが、
「失敗した原因を語らせる」
ことだけではなくて、
『成功した原因(理由)を語らせる』
ことかと。
では、なぜ
「成功した原因(理由)」を語らせることが
大事なのでしょうか?
その事を考える上で、
上述の書籍よりエピソードを引用、ご紹介いたします。
(ここから引用)
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同様の方法は、育て上手のスポーツ指導者も採用しています。
北島康介選手や、荻野公介選手を育てた水泳コーチである
平井伯昌氏の言葉を引用しましょう。
「試合で泳いだあと、
成績が悪かったり、ミスをしたときには
『どうしてダメだったのか?』
誰でもがそう考えるはずだ。
もちろん、そうした反省も必要であることは確かだ。
だが、もっと大切なのは、
調子が良くて記録も上がった時に
『どうして良かったのか?』
と考えることである。
(中略)
選手の泳ぎはいつも順調に行くわけではない。
必ず崩れるときがくる。そのときに、
『なぜ、あのときできたのか』
それがわかっていないと、
調子をもとに戻せなくなってしまう。
一番大切なのは、悪くなったときの
『リカバリー能力』なのだ。」
※引用:松尾睦(2019)『部下の強みを引き出す 経験学習リーダーシップ』ダイヤモンド社より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)
とのこと。
■つまり
「どうしてうまく泳げたのか?」
という「成功の理由」を
振り返ることで、
”スランプから脱出できる”
というわけです。
また、トップ営業マンとは
お客様が買ってくれたときに
「何故買ってくれたのか?」
を聞き、その理由を
振り返り、教訓にできるといいます。
まとめると
「成功の理由」を振り返り、
理解をすることを通じて、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1)「失敗パターン」から脱出できる
2)「成功の再現性を高める」ことができる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
といえます。
■そして、言わずもがな、
これは同じことが
仕事でも言えます。
*
例えば、営業で言えば、
私(紀藤)自身の事例だと、
こんなかんじでしょうか。
<成功パターン「新規の案件が獲得できた」を振り返る>
◯なぜうまく行ったのか?を振り返る
・問い合わせが来て1時間以内に対応した
・1週間以内にアポイントを取り、
顧客の課題をヒアリングした
・その上で、一両日中に課題を反映した
企画提案書を提出した
↓
◯改めて検証する
・顧客に「なぜ発注をいただけたのか?」を伺った結果、
「対応が丁寧でレスも早かった」という回答を頂いた。
◯教訓を得る
・レスの速さ、提案スピードは信頼につながる
■または、
別の例(研修運営)だと
こんな感じかもしれません。
<成功パターン
「参加者の発言も多く、”仕事への関連度”のスコアも高かった>
◯なぜ成功したのか?の理由
・「参加者1人ずつと対話」をし、
関係を作ることができたため
・各ワーク前の説明を、
「例示を示し説明したこと」で
ワークへの信頼が得られた
・「活用の具体例を多く出した」ことで
参加者が自分事に置き換えやすくなった
・事前の巻き込みができていた
…というように。
■上記は一つの例であり、
ごく一部の条件ではありますが
「どうしてうまく行ったのか?」
を都度振り返ることで、
”成功の理由”という
パズルのピースを一つずつ揃えて行くことが
出来るように感じます。
うまくいく理由とは、
”いつ何時も当てはまる
絶対的な答え”
などはなく
『状況において変わる、
その時々の答え』
の積み重ねでしかありません。
それでも、
経験したいくつもの状況を
振り返リ続けることで
成功に通ずるいくつかのパターンは
見えてくるものだと感じます。
■そして、それらを言語化し、
ピン留めしておくことで、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1)「失敗パターン」から脱出できる
2)「成功の再現性を高める」ことができる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ことが可能になります。
■年を重ねるほど、
他者からフィードバックは
もらえなくなっていくものです。
しかし、
【「成功体験」を振り返る重要性】
を認識しつつ、
”「どうしてうまくいったのか?」を
振り返り、言語化する”
習慣をつけることで、
・自分自身の成長
・部下の成長
いずれにも役立てることが
できるのであろう、
そのように思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
成果をあげる人とあげない人の差は、才能ではない。
いくつかの習慣的な姿勢と、基礎的な方法を身につけているか
どうかの問題である。
ピーター・ドラッカー(オーストリアの数学者/1909-2005)
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