育て上手のマネジャーは「感情」に配慮する
(本日のお話 2006字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は、4件のアポイント。
ならびに、1件のコーチングの実施。
*
さて、本日のお話です。
コーチングの技術の中に、
「感情を反映する」
という技術があります。
今日はある理論と研究事例から、
(部下指導において)
”「感情」に触れることの大切さ”
について学びと気づきを、
ご共有させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【育て上手のマネジャーは、「感情」に配慮する】
それでは、どうぞ。
■「そのとき、何を感じましたか?」
、、、このように、
コーチングの手法で
”感情に触れる”
という質問があります。
しかし人によってはこの
”感情に触れること”が苦手である
(理由がわからない)
という方もいるようす。
ちょっと曖昧だし、
何のためにやるのかよくわからない、
ということかもしれませんね。
■一方、リフレクション研究における
有名なモデルの一つ、
『リフレクティブ・サイクル・モデル』(Gibbs,1988) では
1,事実の記述(何が起こったのか)
↓
2,感情(何を感じたか)
↓
3,評価(何が良くて何が悪かったか)
↓
4, 分析(どのように状況を理解するか)
↓
5,結論(他に何ができたか)
↓
6,アクションプラン(同じことが再び起こったらどうするか)
が、
人のリフレクション(経験による学び)を促す、
と語ります。
■注目していただきたいのが
事実の記述(何が起こったのか)の後に、
「2、感情(何を感じたか)」
が入っていること。
1988年の当時の研究から、
「感情」に触れることを伝えており、
他のリフレクション研究(Korthagen et al (2001))でも
同様に「感情」に触れるプロセスを強調しています。
、、、ということで、
理論的にも「感情に触れる」ことは
大事なんだろうなあ、と感じますね。
■ちなみに、
「感情(何を感じたか?)」の質問とは、
何かの出来事が起こった際に、
以下のような質問を通じて振り返るのです。
例えば、
「その時、どう感じて(思って)いましたか?」
「自分の感情や信念、価値観が
どのような影響を与えたと思いますか?」
「他の人はどんな気持ちだったと思いますか?」
「その後、この出来事について
どう思われましたか?」
などなど。
見てみると、事実よりも
より深いところに突っ込んでいる感じがしますね。
■さて、もう一つこんなお話もあります。
43名の多業種のマネジャーに対して、
「マネジャーの部下指導能力」における、
とある調査が行われました。
それによると、
部下指導における成功例と失敗例で
以下のことがわかりました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<成功事例>
・定期的にコミュニケーションを取り、
話しかけやすく安心感のある雰囲気を醸成していた。
・部下の思いや考えを確認していた。
一方的な指導を避けていた。
<失敗事例>
・コミュニケーション不足により、
話しかけやすく安心感のある雰囲気を醸成できていなかった。
・部下に考える余地を与えず、
一方的な指導をしていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とのこと。
■ここでわかったことは、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<部下指導の成功例の特徴>
1)話しかけやすさと安心感を醸成する、
思いや考えを聞くなど、感情部分に配慮していた。
2)このことによって、
『心理的安全性』が確保されていた
3)自由に話が出来る雰囲気になり、結果
「部下が主体的に考える」ことを促し、
部下の成長を助けた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ということでした。
■その他、
・期待を明確にし、合意する
・具体的な業務指導をする
等の大切な要素も見つかりましたが、
そもそも対話において、
「安心して心を開けない」
「本音を言えない」
という状況では、
深い対話もできず、
問題の真因に触れることはできません。
そうすれば、必然的に、
表面的な話に終止することは、
想像に難くありません。
■ポイントは、
”経験を振り返ることから学ぶ”
(=リフレクション)
とは、表面的な事実ではなく
深く潜っていくプロセスであるということ。
その中には、
・その行動をしようと思った思い
・恐れ・不安・悲しみ・恥などの感情
もセットで起こっているはずであり、
そこはまた、繊細な領域でもあります。
人は機械のプログラムで
出来ているわけではありません。
そんな中で「感情」を配慮せずに、
ロジックだけで理解し、動くかと言うと
決してそんなことはない、
、、、と私は感じます。
■ということで、
Gibbsのリフレクティブ・サイクル・モデル、
マネジャーの成功事例と失敗事例
などから振り返りつつ、
『感情に触れる』というプロセスは
大事だよなあ、、、
と思った次第です。
ということで、
もし部下指導に悩むマネジャーの方がいらっしゃれば、
「その時、どう思っていましたか?」
「自分の感情や信念、価値観が
どのような影響を与えたと思いますか?」
「他の人はどんな気持ちだったと思いますか?」
「その後、この出来事についてどう思われましたか?」
など、感情を深堀りする質問を
新たな武器として揃えてみると、
より深い気付きを引き出す、
きっかけになるかもしれませんね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
有能なリーダーを目指すなら、
コミュニケーション能力と温かい心の
両方を持たなければならない。
アニータ・ロディック(ザ・ボディショップ創業者/1942-2007)
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