課題を見極めるには「知的三角測量」が役に立つ
(本日のお話 2,054字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は2件の研修実施。
その他2件のアポイントでした。
また夜は大学院にて
「経営戦略論」の授業など。
*
さて、本日のお話です。
人材開発・組織開発において
クライアントの方に「データ収集」を
行なうことがあります。
その際のポイントについて、
大学院の授業にて学びました。
今日はその内容と、
そこからの学び、気付きについて
ご共有させていただければと思います。
それでは参りましょう!
タイトルは、
【課題を見極めるには「知的三角測量」が役に立つ 】
それでは、どうぞ。
■組織における課題には、
実に様々なものがあります。
そして、
それらの課題を分析する材料として
・定量データ(数字)
・定性データ(話)
の2種類があります。
課題を分析するためには
まずはデータを幅広く集める事。
それは、
人材開発・組織開発の分野においても
あるいはそれ以外の課題においても、
その大まかな道筋は同じように思います。
■ちなみに、
そのようなデータ収集が、
片手落ちで進むケースは、
現場では結構ありがちだな…
と思っております。
例えば、研修の企画でも
・現場管理職の声「若手の主体性が足りない」
↓
・人事「じゃあ主体性強化研修だ」
と決まっていく…
こんな状況にある会社は、
少なくないのでは、
と思うわけです。
(過去の反省を込めて語ります(汗))
■確かに「現場の声」は
一つの「定性データ(話)」であり、
検討のための重要な材料です。
しかし、
「”何を持って”
若手の主体性が課題と思うのか」
については
もし”現場の声”以外に、
他の情報も加味して見ていくと、
広がりが得られることもままあるわけです。
■例えば、
「若手の主体性がない」
という”現場の声を、
もうちょっと掘り下げてみたとします。
現場の”管理職の声”だけではなく、
”中堅社員の声”も聞いてみる。
”若手自身の声”も聞いてみる。
つまり、
「定性データ」の範囲を
広げてみるわけです。
また、
定性データ(話)だけではなく
定量データ(数字)として
・エンゲージメントスコア(部署ごと)
・上司のアセスメント結果(部署ごと)
などを集めてみたらとしたら、
どうだろうか…
と検討してみる。
■そうやって、
いくつかのデータを元に、
重層的に検討をしてみたとすると
当初の”現場管理職の声”と違って、
「部署ごとに”若手の主体性”に
差があることがわかった」
「定量データも掛け合わせると、
上司の関わり方が若手のエンゲージメントに
影響しているようだ」
みたいな話が見えてくる、
という可能性も、
大いにあるわけです。
■つまり、
一つの観点(現場の声)から
だけではなく
別の観点(サーベイ、別の声)からも
声を集めてみる。
そうやって、
重ねて見ることで
・当初課題だと思っていた
『若手の主体性の課題』から
・『上司の関わり方の課題』こそが
より重要な課題に見えてくる
という可能性もあり
このようないくつもの材料から、
課題を見極めていくスタンスが
現実では重要なのであろう、
と思うわけです。
■それを言葉にすると
『知的な三角測量』
と言えます。
「三角測量」は、
道路で何か測っている際に、
たまに見かけるアレです。
ちなみに、
”三角測量とは
ある基線の両端にある既知の点から
測定したい点への角度をそれぞれ測定することによって、
その点の位置を決定する
三角法および幾何学を用いた測量方法である。”
(Wikipediaより)
と説明されています。
三角形の和は180度ですから
2つの点の距離と、
対象への角度がわかれば、
対象への距離を正確に測定できる、
というやつですね。
■この考え方を
日常の仕事の課題分析にも
当てはめることができます。
つまり、
・1つ観点から課題を測定するだけでなく、
・別の観点から課題を測定する
こうすることで、
『知的な三角測量』
のように、
課題との距離やサイズが
より正しく把握できるのです。
■一つの観点だけでなく、
複数の観点から見る。
そうすることで
取り組むべき課題の解像度も
ずっと上がるはず。
そのための材料として、
一次情報もあれば
二次情報もあります。
例えば、以下の種類から
見てみると『知的三角測量』が
やりやすくなるかと思います。
(ここから)
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【人材開発/組織開発における「知的三角測量」の材料】
<1,定性データ×一次情報>
・ヒアリング
・面談
・観察
<2,定量データ×一次情報>
・独自サーベイ
<3,定性データ×一次情報>
・引き継ぎの話
・組織の噂
・広報史、社史など
<4,定量データ×二次情報>
・人事データベース
・従業員調査データ(エンゲージメント、ES調査、eNPS)
・ストレスチェックデータ 等
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
、、、と近づいたり、
遠くからみたりして、
全体像をミクロ&マクロで見極める。
■定性データも、
定量データも、
どこか一つに偏ることなく
データを存分に活用して
『知的三角測量』
を行なっていく。
そんなふうに、
課題を解像度高く設定し
効果ある課題解決をしていきたいものだ、
そんなことを思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
発見を妨げる最大の障害は、無知ではなく、
知っていると錯覚することである。
ダニエル・J・ブーアスティン(米国の作家/1914-2004)
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