家族の幸福度を「データ・アナリティクス」の視点で考えた
(本日のお話 2605字/読了時間4分)
■おはようございます。紀藤です。
最近、大学院で
「データ・アナリティクス演習」
なる授業があります。
統計分析という
数学的な授業です。
高校のとき
数3・Cについていけなくなり、
文系の大学を受けた私(紀藤)にとっては
極めてハードルが高く、
劣等生っぷりを発揮しつつ
なんとか授業に参加をしている今日この頃。
*
しかし先日、
妻と「家族の幸福度」について
話をしている中で
データ・アナリティクス演習にて
習った概念が、日常でも役に立つのだ…
と、ハッとさせられる
機会がありました。
今日は、極めて個人的な
家庭内の話ではありますが、
そのお話についての気付きを、
皆様にご共有させていただければと思います。
それでは、参りましょう。
タイトルは
【家族の幸福度を「データ・アナリティクス」の視点で考えた】
それでは、どうぞ。
■別々の人間が、
「共に生活をする」となると、
殆どの場合、
すれ違いが起こるものです。
結婚なんて、最たる例です。
それまで当たり前として
気にもしていなかった、
・味噌汁の具材が多いか少ないか
・洗濯物の干し方
・片付け方
みたいなことも
ちょっとしたすれ違いが気になって
ストレスになることも。
■そして、我が家(紀藤家)も
同じような”すれ違い”が
例のもれずございます。
結婚して、10年以上
共に過ごしているので、
”ズレ”はさほど
大きなものではありませんが、
お互いの生活で大事にしたいところは、
未だ微妙に違ってきているもの。
■そしてその一つが
「片付けの仕方」
でした。
特に私は、飲食店出身で、
「定位置・定管理」
を徹底的に教育されてきました。
ゆえに、
・片付ける頻度・質
については、どうしても
気になってしまうクチです。
対して、妻はやや大雑把。
よって、
大体、定期的に訪れるズレと、
伴うちょっとした小競り合いは
「片付け方」
に起因することが、
結構あったのでした。
■そんな中、先日ふと
(いつものごとく)こんな風に
妻に言ったのでした。
「もっと物を整理して
ほしいんだけどなあ。。。」
…と。
(心が小さくてスミマセン)
しかし、
身内だからでしょうか、
あるいは過去の諸々の
やり取りを思い出してでしょうか。
私の言葉の節々にある
”トゲ”みたいなものを、
敏感に感じ取られたようで、
明らかに納得をしていません。
■しかし、今回は
ちょっと違いました。
「片付けること」が
”家庭の幸福度に、
どのような影響を与えるのか”
を少し別の視点で話し合うことに
結果的になりました。
■きっかけは、
私(紀藤)が違う切り口で話しをした
ひとことでした。
私「片付けがキレイにできていると、
自分ががゴキゲンでいられるんだよね」
という、個人の感情の吐露です。
…すると、妻は
それを受け取ってくれたようで、
こう返してくれました。
妻「やすさん(紀藤)がゴキゲンなのは、
私のゴキゲンにもつながっているんだよね。
結構、影響されやすいから…」
そして、続けます。
妻「ちなみに、私がゴキゲンだと
子供もゴキゲンになるんだよね」
…と。
■我ながら、
真面目な会話をしているなあ、
とも思いつつ、
対話の中で私と妻の間で
”共通の理解”が生まれたようでした。
それが、
『”片付け”は、家族全体の幸福度に
影響を与えている因子である』
という理解でした。
■言ってしまえば
”妻はあまり気にしないので、
片付けてもそうでなくとも
妻本人の幸福度はさほど高まらない”
のです。
しかし、
・「片付け」なされる
↓
・「紀藤のゴキゲン度」が高まる
↓
・「妻のゴキゲン度」が高まる
↓
・「子供のゴキゲン度」が高まる
というように、
『「片付けること」が
「紀藤のゴキゲン度」を媒介して、
「妻のゴキゲン度」を高める』
という、実感知を伴った
一つの仮説が生まれわけです。
■ここで、
データ・アナリティクスの授業で、
学んだことを思い出しました。
仮説構築の際に使う
【媒介】
という言葉です。
媒介とは公式として表すと
『媒介: A→B→C』
とう関係のことです。
上記で言えば
A:片付けること
↓
B:紀藤のゴキゲン(を高める)
↓
C:妻のゴキゲン(を高める)
と、
「片付け」が
「紀藤のゴキゲン」を”媒介”して
「妻のゴキゲン」に影響していることが
仮説として設定されました。
■これを
人材開発や組織開発の事例で当てはめると、
こんな使い方になります。
”「上司・同僚のサポート」が
「自己効力感」を”媒介”して、
若手社員の「ワークエンゲージメント」に正の影響を与える”
ここでは、
A:上司・同僚のサポート
↓
B:若手の自己効力感(が高まる)
↓
C:若手のワークエンゲージメント(が高まる)
と説明できます。
つまり、直接ではないが
間接的に
・上司や同僚のサポートが
若手のエンゲージメントを高める
という影響がある、ということ。
■そしてそして、
もうちょっと続けさせていただきたいのですが、
もう一つ仮説構築において
【調整】
という言葉もあります。
この言葉を公式にすると
『調整: A↑ B⇔C↑ or A↓ B⇔C↓』
となります。
*
また例題として、
先の紀藤家で考えてみます。
そうすると、
”「紀藤のゴキゲン度」が
「妻と子供の関係性」に正の影響を与える”
というイメージになります。
これは、
A:紀藤のゴキゲン度(が高まると↑)
B⇔C 妻と子供の関係性(も高まる↑)
ということになります。
(多分、そういうこと…のはず)
■さて、紀藤家の事情を、
(若干強引に)
”データ・アナリティクス演習の
「仮説構築の考え方」”
に当てはめてしまいましたが、
上記のように、
直接的ではないにせよ
影響を与え合っていること、
日常生活でもあると思うのです。
■一つの行動が、
「媒介」したり
「調整」したりして
結果に影響を与える、
という因果関係を頭に置いたら、
「A→B」という直接的な考えだけでなく、
(片付けする →そっちのほうが気持ちいいじゃん、ではなく)
「A→B→C」という全体としての影響を考えて
(片付け→紀藤ゴキゲン→妻ゴキゲン、皆ハッピー)
行動ができるようになる(かも)
しれません。
直接的ではなく、
ある因子が影響を与え合っていると
理解することで、
・家族関係において
・職場の人間関係において
・職務上の行動において
これまでと違った行動を
選択できるようになるかもしれない、
…それを
”「片付け」が「紀藤のゴキゲン」を媒介して
「妻のゴキゲン」を高める”
という視点、
すなわち、
「紀藤のゴキゲン」→「妻のゴキゲン」
という因果関係を語り合うことで
新たな選択肢が見つかったように思った、
というお話。
■実際に、
”「紀藤のゴキゲン」→「妻のゴキゲン」”
(そして妻→子供のゴキゲン)
という因果があるかどうかは、
今後の実証研究によりますが
見えていない水面下のつながりを語ること、
「家族の幸福度」を高める上でも、
大事なことだよなあ…
と思った月曜の夜でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
男と女ーこうも違った、しかし複雑な二人の人間が、
互いによく理解し愛し合うためには、
一生を費やしてもまだ長すぎはしない。
オーギュスト・コント(フランスの社会学者/1798-1857)
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