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『頭の中を「言葉」にしてうまく伝える。』

今週の一冊 『頭の中を「言葉」にしてうまく伝える。』

2810号 2021年10月31日

(本日のお話 2630字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

ワクチン接種(2回目)の副反応で
39.0度まで熱が上がった金曜日。

副反応ってたいへんだなあ…
と体感した週末でございました。

(しかしたっぷり寝たおかげで
 いつも以上に好調な土曜日でした)
 


さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、


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『頭の中を「言葉」にしてうまく伝える。』

山口 謠司 (著)


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です。



■「言葉にする」とは
実に難しいものですよね。。


自分なりに一生懸命伝えても
一向に相手に伝わらない。

なんとまとめたらよいか、
言葉が見つからない。

適切な比喩が思い浮かばない。


…自分自身振り返っても、

「伝えるって難しいなあ・・・」

と思い返すシーンが、
実にたくさんあります。


まさにタイトルの

『頭の中を言葉にして上手く伝える』

ためには、
様々な技術が必要とされるのでしょう。



■そんな中で出会った今回の一冊。

短く、名言を引用しながら伝える
読みやすい一冊で、

1、自分の頭の中にある考えを明確にする技

2,考えを伝える技

を軸にして

著者の考える伝えるヒントを
提供してくれる本です。



■本の特徴としては、

著者が文学の博士であり、
音韻学、文献学、書誌学などを
専門にしていることから

特に中国、日本の
古典の名著からの引用が多く

伝えられる言葉に温度感を
与えてくれているように感じます。



■さて、そんな本書。

章立てとしては、
以下の様になっています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第1章 自分の頭の中の考えを言葉にして、うまく伝えられる人が評価される

第2章 まずは、思考を整理して、可視化する

第3章 思考を深めて言語化する

第4章 表現の幅を拡げる「語彙力」のつけ方

第5章 日本人には特有の「伝わりやすい言葉のパターン」がある

第6章 わかりやすく説明するための一工夫

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

全部はご紹介できませんので
上記の中で、特に私が、

「上手く伝える」という視点で、
 面白い&参考になったな
 
と個人的に感じたことを中心に、
ご紹介させていただきたいと思います。



■つまり、本を読んで思った
私(紀藤)の反省日誌でございます。

それではまいりましょう。




(以下引用)

<”100%伝えようとしない”ことも大切>

何が何でも自分の考えを100%理解してもらおうと思っても、
それは土台無理な話です

自分の考えをすべて、相手に必要ないことまで
伝えてしまう人は、思考が整理されていない人です。

ほとんどの関係において、
あなたが自分を理解してほしいと思うほどに、
相手はあなたのことを理解したいとは思っていません。

(中略)

ですから、自分の言いたいことは、
相手に7割でも伝わればありがたいと思ってください。

人生は7割で十分です。十分すぎるほどです。

(ここまで)



↓↓

うーん、たしかに。。。

私事ですが自分自身を
振り返ってみると

「相手のことも自分のことを100%理解する、
 ことを求めがちかも」
  
と思いました。

やはり、”ほどほど”が大事なのでしょう。

どんなに身近な人でも、わかり合えることは
ごくごく一部なのでしょうから、、、。

大事な教訓です。



■続いてこんなメッセージもあります。



(以下引用です)

<器の小さい人ほど、すべてを伝えたがる>

今の社会は、自己表現をしなければ、
評価をされなければ、というプレッシャーが
強いのだとは思いますが、

スカスカな内容を大量にアウトプットしても、
誰の心にも響きません。

かえって言葉がどんどん浅く、軽くなり、
誰にも耳を傾けてもらえなくなるでしょう。

溜めて溜めて、凝縮したものをわずかばかり表現する。
それくらいがちょうどいいのです。

(ここまで)



↓↓

確かにその通り。

「伝える」ということは
「伝えられる人」がいるということ。

つまり、

”伝えるときに
 その人の時間を頂いている”

ということ。

特に今は

「情報砂粒時代」
(=情報が砂粒くらいしか価値をもたない時代)

なんて言われますから、
その前提で、メッセージを凝縮させようと努力することが
一つの礼儀となりつつあるのかも、

などと思いました。



■そして、最後にもう一つ。



(以下引用です)

<「経験のない人にわかるように」は言語化のいい訓練>


「下問する」ことも大切です。

「下問」とは、自分よりも年齢や立場が下の人に
物事を尋ねるという『論語』の中に使われる言葉です。

(中略)

難しいことを難しい言葉で説明するよりも、
平易や言葉でわかりやすく伝えることのほうが難しいと
先述しました。

それであればなおのこと、「下問」は
とても大切なことなのです。

自分よりも、経験も実績も乏しい若い人にも
理解できる言葉かどうか。

そういった人の心にも響く内容なのかどうか、を
確認することが出来ます。

(ここまで)



↓↓


「経験のない人にわかるように伝えること」。

これもよく言われることですね。

知識や価値観が自分と違う
すなわち前提が違う人に対して

最小限の言葉で、
わかりやすくシンプルに伝えるためには

・相手の視点に立つこと

・相手の視点を見極める目を持つこと

も大事ですし、

・相手にとって
 適切な言葉を選べるための知識・スキルを持つこと
 
・その相手にとって、適切な言葉を選べること 

という総合力は
必要になってくるもの。

自分もまだまだだなあ、、、と思い
この力はとても重要な要素だな、

と思いました。



■その他、

伝える上での”韻”も意識して
句読点で区切って
 
”5・7のリズムで伝えたほうが
 より相手に刺さりやすい”

等、著者独自の視点から
感じている視点を伝えてもくれます。



■本の内容としては

著者のやや尖った持論が多い印象ですが、

ちょっと寄っているからがゆえに、

「なるほどな」
「それは違うんではなかろうか」
「こういう見方もあるんだな」

と自分の中に沸き起こる
賛否両論の考えを含めて

”自分自身の「言葉にして伝える」”

という能力を見直すことができる
一冊かと思います。


ご興味がある方は、ぜひどうぞ。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『頭の中を「言葉」にしてうまく伝える。』

山口 謠司 (著)


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