今週の一冊『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』
(本日のお話 1875字/読了時間3分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は終日大学院の授業。
内容は、人材開発・組織開発論と
データアナリティクス演習なり。
昨日も濃厚でした。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日はお勧めの一冊をご紹介する、
今週の一冊のコーナー。
今週の一冊は、
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『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』
菅俊一 (著), 高橋秀明 (著), 佐藤雅彦 (著)
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です。
■人は、なぜその意思決定をしてしまうのか?
人が物を買うという意思決定をするとき
何かしらの「心理」が働くものです。
*
例えば、
・周りが良いって言っていると、
ついそれが良いものに見えたり、
・2000円で送料無料!とかなると、
つい不必要なものを追加で買ってしまったり、
・あるレストランで
松竹梅のランチがあると、
なんとなく真ん中の価格帯を選んでしまう
みたいに。
■そのような
「心理学」×「経済学」の融合されたものが、
『行動経済学(Behavioral Economics)』
と呼ばれています。
ちょろっとトリビア的な真面目な話をすると、
「行動経済学」とは
ダニエル・カーネマン
そしてエイモス・トヴェルスキーという心理学者が
創始者とされています。
全社のカーネマンは行動経済学を唱えた功績で
ノーベル経済学賞を受賞しました。
その背景として、
これまでは経済はマクロ経済というように、
GDPや金利、国債などの大きく抽象的な概念が
取り扱われてきましたが、
最近の潮流として
「個人がなぜ、
そのような経済活動をするのか?」
に注目が集まってきた、とのこと。
そうすると、必然的に
「心理学」が注目されるわけですね。
そしてそれは身近な話だから
「面白い」のです。
■ゆえに、
・人の集団心理
・バイアス
・錯覚
・思い込み、、、
等々、真っ当に考えたら
それ”ヘンテコ”じゃね?
と思ってしまう人間心理の面白さを
見事に描き出してくれた作品であり、
こういった話が好きな人には
よだれものの本かと思います。
■ちなみに本書の魅力的なところの
1つは、
「マンガであること」
です。
行動経済学の代表的な効果が
23の短編マンガとして
まとめられています。
しかも、よくあるあるな
まじめなマンガではなく、
ギャグセンスも抜群で、
つい笑みがこぼれてしまうような
脚本と絵も素晴らしい。
かといって内容も浅くなく読み応えがある。
(大学院の授業でも紹介されていました)
このバランスは芸術を感じます。
■そして、2つ目は
「自分ごとで捉えやすい」
こと。
脳内に負荷がさほどかからず、
サクサク、ストレスなく
読み進めていく中で、
「確かに…
自分も無意識でこういうこと
しがちだよなあ」
と我が身にも
無意識のうちに発動されている
「心理学の影響」
を感じて、ハッとさせられるのです。
そして、そのような影響を知れば、
「心理学を利用した
”より買わせよう”という
販売者の策略に引っかからない」
でしょうし、裏を返せば
「上手くそれらを利用して
販売者として営業に活用する」
こともできるでしょうし、
あるいは、
「行動経済学の考えを活用して、
自分自身を自然と”その気”にさせる」
というのもありでしょう。
いずれにせよ、身近だからこそ
使えることはたくさんありそうです。
■ということで、
以下、本書のご紹介です。
Amazonより引用です。
(ここから)
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人は、なぜそれを買うのか。
安いから? 質がいいから?
否。そんなまっとうな理由だけで、人は行動しない。
そこには、より人間的で、深い原理が横たわっている。
この本には、その原理が描かれている。
漫画という娯楽の形を借りながら。
雑誌「BRUTUS」の人気マンガ連載「ヘンテコノミクス」が
ついに単行本化!
いま最も注目されている学問「行動経済学」の理論が
サザエさん並みに楽しく学べる唯一無二の一冊です!
人間の経済行動の真実とその理論が
なんと漫画になってあなたに迫る!
◎「塀の落書き」の巻――報酬が動機を阻害する
悪ガキたちの塀の落書きに悩む家の主が
行った秘策とは?
――【アンダーマイニング効果】
◎「れんが亭の新メニュー」の巻――真ん中を選ぶ心理
仲良し三人組がよく使うレストランに新メニューSが登場。
その時から、彼女たちはいつも避けていた
高いランチAを選んでしまうのであった。それはなぜ?
――【極端回避性】
◎「保母さんの名案」の巻――罰金による罪の意識の軽減
お迎えの時刻を守らない母親たちに対して
保育園が取った対抗策は
なんと逆の結果を招くのであった。
――【社会を成立させているのは、モラルかお金か】
全23話の「行動経済学まんが」に加え、
書き下ろしコラム「発見!こんなところにヘンテコノミクス」、
ユニークなビジネス用語解説マンガ「ヘンテコミック」など
愉快痛快でためになるページが次から次へと連続登場!
発見と驚きがクセになる「行動経済学」の決定版。
読むと、新しいあなたがそこにいます。
ここには、本当の経済学がある!
※Amazon本の紹介より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
面白い。
勉強になる。
そして使える。
一石三鳥の本(まんが)です。
マンガだけではなくコラムも濃厚で必見。
オススメです。
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<今週の一冊>
『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』
菅俊一 (著), 高橋秀明 (著), 佐藤雅彦 (著)
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