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2843号 2021年12月3日

心に残る人

(本日のお話 1564字/読了時間2分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は組織開発の研修(受ける方)でした。
その他、キックボクシングジムへ。
夜は大学院の打ち合わせでした。



さて、本日のお話です。

ふと思うと、以前は親しくしていたのに
全然会ってない人いるな、と年の暮れも近づいた今、
頭をよぎりました。

その中で、

人との出会い
人に影響を与え、与えられる

ことについて、

思い出すことがありましたので、
今日はそのお話について、
皆さまに思うところをお伝えできればと思います。

それでは参りましょう。

タイトルは、

【心に残る人】

それでは、どうぞ。

■『夜と霧』

という本があります。

ナチスの強制収容所に
収容され、そして生き延びた精神科医の
ビクトール・フランクルが、

極限の状況下で
「人間とは何か」を見つめた
凄まじい本です。



強制収容所というと、
一方的に悪い、絶対あってはならない、
と善悪論になるところを

その中で起こっている看守も人間、
収容されている多くの人も人間、
では、なぜそういった事が起こるのか、

人にとって「希望」とはなにか
「愛」とはなにか、

…を考えさせられるのです。

※超絶オススメなので、
ぜひ読んでいただきたい一冊でございます。

『夜と霧』 新版
https://www.amazon.co.jp/dp/4622039702/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_4S37QJ0EHT2T7VEMSJ67

■さて、その中で
こんな一節があります。

著者のビクトール・フランクルが、

別の収容所に入れられた妻に
自分が看守から暴行を受けている最中に
思い馳せます。

妻は生きているかどうかも
わからない。

でも彼は、殴られながらも

”脳裏にありありと思い描く”

ことをしました。

そしてこうまとめています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

人は、この世にもはやなにも残されていなくても、
心の奥底で愛する人の面影に思いをこらせば、
ほんのいっときにせよ至福の境地になれるということを、
私は理解したのだ。

(中略)

人は内に秘めた愛する人のまなざしや愛する人の面影を
精神力で呼び出すことにより、満たされることができるのだ。

(引用:『夜と霧』(著:ヴィクトール・E・フランクル)より)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

のことと。

■こんな経験は

ほとんどの人はないのでは
なかろうか、と思う一方、

近しい感覚は、
実は私達も感じることが
あるのではなかろうか、

とも思ったのです。



例えば、私の例で恐縮ですが、
もう長らく会っていない友人がいます。

自分が多大な影響を受けた友人で
なぜかふと思い出します。

事あるごとに、感謝をしている。

気づけば、それぞれ家庭が出来たり、

コロナ禍で直接会う機会が
減ってしまったり、

あるいは彼の仕事上、
なかなか気軽に会える感じでもない。

要因は様々なことがあるのですが、

「しばしば思い出す」

のです。

■そして、そのときに

「今元気かなあ」

「今も絶賛、自分の領域で
頑張っているのだろうな」

と思い巡らせるとき、
自分の心の中で想像をしたとき

”彼は自分の中にいて、
確かに存在している”

と実感するのです。

そしてそれは、
別の影響を受けた人に対しても

その人が亡くなっているとしても、
やっぱり同じ感覚を覚えます。

しばしば、

「自分の中で生きている」

という表現をすることがありますが、
実際そうなんだろうな、、、

と感じます。

■ビクトール・フランクルの

”この世に何も残されていなくても”

とか、

”面影を思い起こすことで
至福の境地に到れる”

とまでは言えませんが、

”内に秘めた人の面影を
呼び出すことにより、満たされる”

という感覚は、もしかすると
万人が持っている力なのかもしれない

などと思います。

■そう思うと、

たとえ人生の一時期、
時間を共にしただけであったとしても、

あるいは今は会うことはない
存在だったとしても、

”誰かと関わり、影響を受け合う”

ことは、やはり
すばらしきことだなあ、

などと感じるのでした。

そして同時に、
それが身近な人だけだったとしても、

自分自身も思い返されて
エネルギーを与えられるような

【心に残る人】

になりたいものだ、

などと思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆様にとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

人生には唯一だけ疑いのない幸福がある。
人のために生きることである。

レフ・トルストイ(ロシアの小説家/1828-1910)

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