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2847号 2021年12月7日

湯呑みの裏側をまじまじと見つめる

(本日のお話 1541字/読了時間2分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件の個別コーチング。
また3件のアポイントでした。



さて、本日のお話です。

最近、とある企業の
「1on1浸透プロジェクト」に
関わらせていただいております。

管理職が部下へのコーチング目標を決める。
1ヶ月の間を経て、進捗を確認していく、
という内容です。

そんなプロジェクトの中で、
管理職の方とお話をする中で、

「この姿勢、大事だよな」

と思うことがありました。

今日はそんなお話も含め、学びと気づきを
皆さまにご共有させていただければと思います。

それでは参りましょう!

タイトルは、

【湯呑みの裏側をまじまじと見つめる】

それでは、どうぞ。

■「コーチングを1ヶ月やってみて、
どうでしたか?」

その問いに関して、
管理職の方は答えました。

「部下とお互いの考え方や価値観を話しましたが、
これまでに、こういう話してこなかった、
と気づきました」

とのこと。

その方は定期的に1on1をやると
部下の方に伝えて、
コーチングを進めてきたそう。

そんな1ヶ月を通じて、
そのような気づきがあった、

…とお話されていました。

■ちなみに彼は、

地方での営業拠点で、
ずっと続く人間関係であったそう。

ゆえに、

「いつものパターンの会話」が
繰り返えされている。

長く付き合っているけれども
お互いのことは実は深く知らない。

込み入った会話は、ちょっと
照れくさくてできない。

まして、コロナ禍で
お酒を酌み交わす場がなければ
業務的な話が多くなるから、尚更そう。

といっておりました。

■そしてお話を伺いながら、

こういった状況は

上司ー部下という関係だけでなく、
同僚同士、でもあるかもしれないし
夫ー妻間でもあるかもしれず、

色々な職場で(家庭で)起こっている

”あるあるの話”

かもしれないな…

と思ったのでした。

「いつもいる身近な存在」

とは、そばにいるけれど

いつも同じ角度から、
同じようにしか見ていない。

ゆえに、

実は長い付き合いだけど
知らないことがたくさんあった、

ということも、
往々にしてあるものです。

■話は突如変わりますが、

(そして昨日に引き続き
赤ちゃんネタで恐縮ですが)

我が家にいる生後10ヶ月の赤ちゃんから

「いつもいる身近な存在」

を見つめる視点について、
考えさせられる出来事がありました。



世の様々な赤ちゃんがそうであるように、
あらゆるものに興味を持ちます。

オトナだったらスルーしてしまう

塩とか皿とかティッシュとか、
カレンダーとかペンとか
なんでも興味の対象となります。

確かに、当人にとっては、
その色も質感も機能も、
全部”未知だらけ”なので、
面白くて仕方ないのでしょう。

■様々な興味を持ち
ウネウネと腕の中で動く赤子が

ふと、ダイニングテーブルにおいてある
「湯呑み」を手にしました。

そして
くるくると回して見つめます。

触感を味わうように、
ガシガシ噛んだりします。

まじまじと吟味します。

「何がそんなに
面白いのだろう、、、?」

とオトナの視点で思いましたが、
同様の視点でそれを眺めていて、
発見もありました。

いつも使っている湯呑みだけど、

・湯呑みの裏側に、
作者っぽい名前が刻まれている

・湯呑の色が微妙に
グラデーションになっている

・つぶつぶっぽい質感がある
(どのように作っているのだろうか)

…などなど。

■そして、思うのです。

毎日のように使って触っているのに、
実は、よくよく見つめることなどなかった。

細かい部分がどうなっているかなど
気にもとめなかった。

じっくり見つめると、
気づいていないことが湯呑みでも
あるものだな、

…と。

■もちろん、

湯呑みはモノであり
湯呑みとしての機能を果たせば、
それだけで十分です。

加えて、大の大人が、
毎回湯呑とか皿を見つめていたら、
時間いくらあっても足りません(汗)

しかし、思うのが

『ごく身近なものだからこそ
見ているようで見ていない』

ということ。

日々目に飛び込んでくる情報から
認知コストを下げるために、
私達の脳は、興味を持つ対象を限定します。

そして日々の生活が送られていきます。

■それが「湯呑み」だったら
よいのですが、

『共に過ごす大切な人』

だったとしたらどうか、と思うと

人とモノは違うし、
それこそ見えていなかった、、、

ではあまりに大きい
機会損失になっている可能性も、
大いにありそうです.

それは認知コストを下げようとする
脳の可塑性の罠にハマっているかも、、、

とも思うわけです。

■ある管理職が部下の方に

「部下とお互いの考え方や価値観を話したが
これまでに、こういう話してこなかった、
と気づきました」

と語ったように、

「使い慣れた湯呑み」の如く
相手のことを、深く見つめることを
していないのかもしれない、

そして見えていないことが
あるのかもしれません。

■サン・デグジュベリの名作、
『星の王子さま』ではこんなセリフがあります。

「大切なものは目に見えない」

一番大切なものは、一番近くにいた
バラであったことに王子さまは気づくのです。



また、こんな言葉もあります。

「人間たちはもう時間がなくなりすぎて、
ほんとうには、なにも知ることができないでいる」

…日々の喧騒の中で、

もしかすると、私達はごく身近にいる
大切なこと・人を見つめる時間を、
持つことができていない、

ということもあるかもしれません。

そんなことを

管理職の方のコーチング話、そして、
赤ちゃんの湯呑みの出来事から、

共通するものを感じた次第です。

最後、赤ちゃんが湯呑みを落として、
バラバラになってしまい、

「湯呑みは土で出来ているだな」

と追加でささやかな気づきを、
妻とシェアし合いました。
(これはどうでもいいね)

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

人生のいちばん楽しい瞬間は、
誰にもわからない二人だけの言葉で、
誰にもわからない二人だけの秘密や楽しみを、
ともに語り合っているときである。

ゲーテ(ドイツの劇作家/1749-1832)

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