自己嫌悪はメリットがある、は本当か
(本日のお話 1869字/読了時間2分半)
■こんにちは。紀藤です。
事あるごとに思うのですが、
「自尊心」はとても大事です。
自尊心の定義とは
”自分自身に対する現実的で
好意的な見方”
とされています。
そして、その逆は
「自己嫌悪」(自分なんて価値がない)
と思う心となります。
今日はこの「自尊心と自己嫌悪」について
興味深いお話がありましたので、
皆さまにご紹介させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【 自己嫌悪はメリットがある、は本当か 】
それではどうぞ。
■「自尊心」が大切であることは
誰もが感覚的には理解しつつ、
どうせ自分なんて・・・と
「自己嫌悪」を選んでしまうことがあります。
しかし、自己嫌悪を選んでいる人は
総合的にメリットがあるから
無意識に選んでいるというメカニズムがあります。
今日はそのメカニズムを見ることで、
自己嫌悪を無意識に選んでしまう方は、
それを意識的にコントロールできるようになりましょう、
というお話をいたします。
■まず、
”自己嫌悪の逆である
「自尊心」を持つことがなぜ大切なのか”
を見ていきたいと思います。
”自尊心は、世界中で生活の全般的な満足感や
幸福感と深い相関関係を持っている”
と言われています。
1992年に行われたギャラップ社の調査によると
・89%の回答者が、自尊心は人が懸命に努力し成功するために、
非常に重要な動機づけになると答えた
・自尊心は動機づけとして他のどんな変数よりも
上位にランクをされた
とあります。
また、Coopersmith(1967)は
・自尊心を持つ人の方が有効的で、感情を素直に表現し
行動的であり、自分と他者に信頼感を持ち、
内面的な問題や批判にわずらわされない傾向があった
としました。
■しかしながら、
この「自尊心」を持ったほうがよい、と
頭ではわかっていつつも、
その逆である「自己嫌悪」を
意識的、無意識的に選んでしまうことがあります。
自尊心を形成する要因は、
・健康状態(運動・睡眠・食生活)
・教育環境(自尊心を持つ親の子供は自尊心が高い)
・自分のとる行動、スキル
・性格特性、才能
・他者からの受容
等があるといわれ、
一つの要因に絞って語ることは難しいです。
■では、どのように
「自己嫌悪ではなく、
自尊心を確立すればよいのか」
について考えたいと思いますが、
そのための第一歩として、
”自尊心をあえて確立しない理由”について
興味深いお話があるのです。
それが
『自己嫌悪のメリット』
といわれ、その例として
以下挙げられています。
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<自己嫌悪のメリットの例>
・リスクがない。つまり、私自身も他の人も、
私に期待をかけないので、怠けることができる。
・目標も低くおけば良い。そうすると、私のことも
他の人のこともほとんど失望させずにすむ。
・世界が予測可能である。
自分自身を受け入れていないので、
周囲の人が私を受け入れなくても理解できる。
私は何にも挑戦しなくていい。
・少なくとも初めのうちは、同情や注目を得ることがある。
※参考:『自尊心を育むワークブック(第2版)』より
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自己嫌悪を持っていれば、
「諦め」の代わりに怠けることができる。
期待もしないし、させないから、
世界が予測可能で、ある意味安心となるわけです。
■しかし、一方、
上記の「自己嫌悪のメリット」を享受している一方、
大切なものを失っている(デメリットを見ていない)
可能性があります。
自己嫌悪のデメリットとは、
・強い苦痛を感じる
・人生が面白くない
・心身症や病気につながる
・悪循環を引き起こす。つまり、自分に対する評価が低いため、
挑戦しようとしない。そうすると周囲の人が私を粗末に扱うようになる。
周りが私を軽んじることが、低い自己評価の裏付けとなり強化される。
等になります。
■自尊心が大切といいながらも、
自己嫌悪を選んでしまうメカニズムは、
”自己嫌悪のメリット・デメリットを
正しく分析できていない”
場合があります。
自己嫌悪のメリットだけ見て、
デメリットを正しく評価できていない、
結果、短期的な予測可能性、安心感のために
自分自身の可能性を自分で奪っている、
自分で自分を傷つけている可能性があります。
■何かの行動には、
合理的な理由があるものです。
しかしその合理性は
近視眼的なものであったり
一側面からしか見ていないことも
あるのかもしれません。
「自己嫌悪」とまではいかずとも、
近しい思考状態というのは、
誰しもが持っている可能性はあるかもしれない、
(私を含め)
とのことでご共有をさせていただきました。
ご参考になれば幸いです。
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<本日の名言>
自分がみにくいアヒルだと思っていたころは、
こんなにたくさんの幸せがあるなんて、思ってもみなかった。
アンデルセン(デンマークの童話作家/1805-1875)
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