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2855号 2021年12月15日

「自分を凹ませる思考」を置き換える、A→B→Cモデル

(本日のお話 2954字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は、
ストレングス・ファインダーの
ワークショップの実施でした。

その他、大学院の打ち合わせなど。



さて、本日のお話です。

昨日の研修でこんなコメントがありました。

「強みにフォーカスをしたいけれども
 つい、痛い失敗経験ばかり思い出されて
 自分で凹んでしまう」
 
というような内容です。

今日はこのお話に関連した
認知療法のお話から、

「自分を傷つける思考を
 置き換える」
 
という技術について、

皆さまにご共有させて
いただければと思います。

それでは早速参りましょう!

タイトルは



【「自分を凹ませる思考」を置き換える、A→B→Cモデル】



それでは、どうぞ。



■頭ではわかっているつもりだけれど、

つい「自分は出来ない」と
ネガティブな思考に陥ってしまう。

そして自信をなくしたり、
自分の価値を見失いがちになってしまう。

こういった状況にお悩みの方も、
いらっしゃるのではないか、

と思われます。



■謙遜であればいいのですが、それが
自分を下げた思考になってしまうと
あまりよろしくありません。

なぜならば、
自分を下げた思考習慣は

”己の無価値感”

につながり、

そしてその感覚は
自己効力感を低下させ、
挑戦への意欲も阻んでしまうからでしょう。



■ゆえに、

”自分の思考パターンに自覚的になり
 コントロールすること”
 
は自らの価値を認める上で、

そして

日々健やかに生きるための
とても大切な思考だと思います。



■さて、そんな中で、

心理学の一分野である
認知療法では、

自尊心をふみつぶし、
抑うつにつながるような
特定の思考パターンがあることを発見しています。

(これは後述いたしますね)


そして、

それらの特定の思考パターンについて自覚し、
取り除くことが可能である、

と心理学者のアルバート・エリスは述べ

『A→B→Cモデル』

という認知療法のモデルを
開発いたしました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー
<A→B→Cモデル>

【A】Actual Event:
 きっかけとなる(心を動揺させる)出来事
 ↓

【B】Belief:信念(自動思考)
 Aの出来事について自分自身に語りかける事柄
 ↓
 
【C】Consequence:感情的な結果
(無価値感や抑うつと言った感情)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

というモデルです。



■このモデルは

【B】Belief:信念(自動思考)

の重要性について、述べています。
 

ほとんどの人は

「A(出来事)」が
「C(感情的な結果)」を引き起こす

と考えます

しかし実際は、

「B(自分への語りかけ)」が
「C(感情的な結果)」に影響している

ものです。

自動思考として起こる、

「B(自分への語りかけ)」に
何かしらの歪みがある場合、
それは自尊心を破壊してしまうことに繋がる、

というのです。



■そして、認知療法は

”歪んだ自動思考のパターン”

として13種類に分類しました。

この13種類の自動思考が
自分に当てはまっているかどうかを
自覚することが

自尊心を養うための第一歩となります。

以下、列挙いたします。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<自動思考の歪み 13のパターン>

1)決めつけ

根拠を検証せずに最悪の推測をする。
(例:上司は私を嫌っているに違いない)


2)「べき(ねばならない)」思考

自分自身に対する要求。
(例:私はもっと賢い行動をとる”べき”であった」


3)おとぎ話的な幻想

人生に理想を求めること。べき思考の特殊な形。
(例:世界はこうあるべきではない、不公平だ)


4)全か無かの思考

完璧という不可能な基準(もしくはそれに近い基準)を
自らに課して、この基準に届かなければ
自分を完全なダメ人間と結論づける。


5)過度の一般化

嫌な経験をしたときに、それがその人の
人生全体を物語っていると思うこと。
(例:自分は”いつだって、あらゆることを”台無しにしてしまう)


6)ラベリング

一つの言葉が一人の人間の全てを表すように
自分自身にラベルを貼ってしまう。
(例:自分は負け組だ、自分はバカだ)


7)マイナス面をくよくよ考える

状況のマイナス面に焦点を当て、
プラス面を無視するという思考の歪み。
(例:ステーキが焦げた、食事が台無しだ)


8)プラス面を認めない

マイナス面をくよくよ考える思考の歪みで、
プラス面を見落とします。プラス面を否定すると
自尊心は低くします。
(例:(褒められた後)こんなこと大したことはありません
 誰でもできることです)
 

9)厳しい比較

自分の短所や過ち、そして他者の長所は大きく見え、
かつ他者と比較することで、自分が能力不足に思える。
(例:私はただの専業主婦だもの。
 あなたの旦那さんは頭の切れる弁護士ね)


10)ささいな出来事を大惨事のように考える

小さな出来事を、自分には耐えられそうにない、
と自分に語りかけること。自分が対処できない、
自分が自分に頼れないと思うことで、自尊心が低下する。


11)個人化

悪い出来事に自分が実際よりも
強く関与していると考えること。
(例:(子供が大学を中退する時に、母親が)
 「全て私が悪い」と考えてしまう)
 

12)責任転嫁

個人化は厄介な状況を全て自分自身のせいにするのに対して、
責任転嫁はすべて自分以外のせいにすること。


13)感情を事実に仕立て上げる。

自分の感情を何らかの事実の証拠と考えること
(例:私は自分のことを恥ずかしく思う。
   だから、私はダメな人間に違いない)
   
   
※グレン・R・シラルディ 『自尊心を高めるワークブック(第二版)』より
 引用、著者編集
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)



■こう見てみると、

全部は当てはまらずとも、
自分がくよくよしてしまうパターンのときに、

上記のいずれかが当てはまる、
と感じた方もいるかもしれません。


ポイントは、

「自分の自動思考のパターンの歪みに
 自覚的になること」
 
によって、

自らの感情的な結果に
変化をもたらすことができる、

という点です。



■A→B→Cモデルの、

「B」が歪んだメガネのように
事実を曲解して見せてはいまいか。

そのように、

自らの自動思考を自覚することで
事実をより客観的に捉え、

置き換えるべく
努力することも可能になります。



【「自分を凹ませる思考」を置き換える】

という意味で、

・A→B→Cモデル
・自動思考の歪み 13のパターン

ご参考になれば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。


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<本日の名言>

あなたを支配するのは、出来事ではない。
その出来事に対するあなたの見方が支配するのだ。

マルクス・アウレリウス(古代ローマの皇帝/121-180)

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