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2884号 2022年1月13日

「高校生はPCとスマフォの入力速度、どちらが早いのか?」の論文を読んで考えたこと

(本日のお話 2327字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は1件のアポイント。
その他ひたすら研修プログラムの企画・開発でした。



さて、本日のお話です。

高卒を含む新入社員の方に
オンライン研修をさせていただく機会がありました。

その研修企画の際に、

”高校生のPCのタイピング速度”

についてふと疑問に思う中で
とある論文を発見しました。

そしてその論文を読みつつ
考えることがございました。

今日はそのお話からの気付きを
皆様にご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは

【「高校生はPCとスマフォの入力速度、どちらが早いのか?」の論文を読んで考えたこと】

それでは、どうぞ。

■「マイブームは”寿司打”です」

先日、南山大学が主催の組織開発の合宿にて、
同じグループの大学3年生の方が
そんな自己紹介をしていました。

「寿司打(すしだ)ってなんすか?」

と私が聞くと、

どうやら、
タイピングの練習のための
無料ソフトとのこと。

その大学生の子の界隈では
寿司打がはやっている、と。

どうやら、PCのタイピングは
就活やらなにやらで
諸々必要になってくるようです。

■社会人として働いていると、

「メールを”打つ”」
「議事録を”Wordで作成する”」
「企画書を”書く(打つ)”」

という行為が、
あまりにも当たり前になりすぎています。
そういう人は、きっと私だけではないはず。

私(紀藤)もこんな風に
日々メルマガを書いていますし、

もう自分と一体化しているスキルであるので、
タイピングという技術を使っている、
ということすら意識していませんでした。

本当に、息を吸うようにタイプする感じ。

■「当たり前のことほど、自分では
使っている事すら気づかない」

といいますが、まさにそうです。

日本語を普段から自由に
喋って使っていても、

「私、いま日本語使いこなしてる!」

と意識しないことと同様です。

■、、、ただ、自分の当たり前は、
環境が変われば当たり前ではなくなります。

冒頭にお伝えしました、
「高卒向けのオンライン新入社員」
を企画していて、その事にふと気づきました。

「あれ?Googleドキュメントとかで
色々、記入してもらうことを考えていたけど、
それって結構ハードル高いのでは?」

そんな疑問が立ち現れました。

オンライン研修は特に
対象者のデジタルツールの習熟度によって
(ZOOM、Googleスライド、パワーポイント等)
参加者間の間でできることにバラツキができます。

ゆえに、

研修を効果的に運営する上でも、
果たしてどれくらいのスピードで
高校生がタイピングできるのか、は

研修のワーク内容や
所要時間を計算する上で
気になるポイントであるな、、、

と思ったのでした。

■そんな時、

現在通い中の大学院の教授が言っていた、
こんな言葉を思い出しました。

「世界には70億人いるんだよ。

気になることなんて、
大体誰か、調べてたりする。

”先人の肩にのる”。

これが、大事だよ」

、、、と。

確かに日本だけ見ても、
相当な人がいるわけです。

気になっていることは
Google先生に聞くと、大体できます。

トップページになくても、
ちょっと探し方を変えて、

「論文」などで探すと、
近しいものがでてきたりするわけです。
(今回のタイトルのように)

■ゆえに今回の、
高校生のタイピング速度についても
「論文」を検索をしてみました。

するとこんなのが出てきました。

『高校生のPC・スマートフォンの文字入力の速さに関する調査』(2020)
登本 洋子, 高橋 純, 堀田 龍也
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjet/44/Suppl./44_S44015/_pdf/-char/ja

どうやら、

桐蔭学園高等学校
東京学芸大学教育学部
東北大学大学院情報科学研究科

の方が協働で研究した内容とのことです。

■実際に内容を読んでみると、
なかなか興味深い。

(マニアックな内容なので、
これを興味深いと捉えるかどうかは
おそらく人によりますが・・・(汗))

以下、論文から内容を抜粋してお伝えいたします。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<高校生の文字入力の早さに関する調査>

・この論文は、高校生の文字入力の早さの向上を目的にし、
PCのキーボードと、スマートフォンにおける
文字入力の実態を調査した。

・調査の結果、1分あたりの文字入力数の平均は、
ー PCのキーボード 33.4文字
ー スマートフォン  59.2文字

・結果、スマートフォンのほうが
1分間あたりより多く入力できることがわかった。

・ちなみに、PCのキーボードでも
スマートフォンでも濁音・半濁音、
清拗音(せいようおん=”きゃ”など)が
入力しにくいことがわかった

・今後は濁音、清拗音の入力を習得されるトレーニング方法を開発し
高校生のPCのキーボード、スマートフォンの文字入力の速さの
向上につなげていきたい

※登本 洋子, 高橋 純, 堀田 龍也(2020)
『高校生のPC・スマートフォンの文字入力の速さに関する調査』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。

■これらのことから

(ある特定の高校生群ではあるものの)
”高校生のPCのタイピング速度は
1分間あたり33文字くらい”

という新たな情報が手に入りました。

そしてその情報を元に、
想像力を働かせて
研修の企画も立てることができた、

となりました。

■…と、つらつらと書いておりますが、
この一連のことから思ったこと。

それは、

『「先人の知恵を借りまくる」という姿勢』

の重要さです。



「車輪の再発明」

なる慣用句があります。

これは

”「広く受け入れられ、確立されている技術や解決法を
(知らずに、または意図的に無視して)再び一から作ること」”

という意味です。

確かに、

すでにあるものを
一生懸命調べたり、作ったり、
そうやって膨大な時間をかけて見るより、

”すでに先人が開発・調査している
何かしらの答えを材料にする”

という前提で取り組んでほうが、
ずっと早く、サクサク進むのだろう、

と思うわけです。

■言ってしまえば、
当たり前っちゃ当たり前の話。

でも、実際それを忘れずに、
本当にアクションしているかというと
ちょっと疑問が残ります。
(少なくとも私は自分を振り返って)

とすると、

1)情報を検索する力
2)先人の知恵をパクる力
3)情報をストックし、いつでも引き出せる力

は、情報がますます増えて、
そして答えがどこかに転がっている

かつ誰もが検索しうる時代において
非常にパワフルなポータブルスキルになるのだな、

…そんなことを思ったのでした。

■先人の肩に乗る。

その大切さを感じた
研修企画のさなかの学びでございました。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

もし、私がより遠くを見ているとしたら、
それは、先人の肩の上に立っているからです。

アイザック・ニュートン(イギリスの自然哲学者/1642-1727)

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