「高校生はPCとスマフォの入力速度、どちらが早いのか?」の論文を読んで考えたこと
(本日のお話 2327字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は1件のアポイント。
その他ひたすら研修プログラムの企画・開発でした。
*
さて、本日のお話です。
高卒を含む新入社員の方に
オンライン研修をさせていただく機会がありました。
その研修企画の際に、
”高校生のPCのタイピング速度”
についてふと疑問に思う中で
とある論文を発見しました。
そしてその論文を読みつつ
考えることがございました。
今日はそのお話からの気付きを
皆様にご共有させていただければと思います。
それではまいりましょう!
タイトルは
【「高校生はPCとスマフォの入力速度、どちらが早いのか?」の論文を読んで考えたこと】
それでは、どうぞ。
■「マイブームは”寿司打”です」
先日、南山大学が主催の組織開発の合宿にて、
同じグループの大学3年生の方が
そんな自己紹介をしていました。
「寿司打(すしだ)ってなんすか?」
と私が聞くと、
どうやら、
タイピングの練習のための
無料ソフトとのこと。
その大学生の子の界隈では
寿司打がはやっている、と。
どうやら、PCのタイピングは
就活やらなにやらで
諸々必要になってくるようです。
■社会人として働いていると、
「メールを”打つ”」
「議事録を”Wordで作成する”」
「企画書を”書く(打つ)”」
という行為が、
あまりにも当たり前になりすぎています。
そういう人は、きっと私だけではないはず。
私(紀藤)もこんな風に
日々メルマガを書いていますし、
もう自分と一体化しているスキルであるので、
タイピングという技術を使っている、
ということすら意識していませんでした。
本当に、息を吸うようにタイプする感じ。
■「当たり前のことほど、自分では
使っている事すら気づかない」
といいますが、まさにそうです。
日本語を普段から自由に
喋って使っていても、
「私、いま日本語使いこなしてる!」
と意識しないことと同様です。
■、、、ただ、自分の当たり前は、
環境が変われば当たり前ではなくなります。
冒頭にお伝えしました、
「高卒向けのオンライン新入社員」
を企画していて、その事にふと気づきました。
「あれ?Googleドキュメントとかで
色々、記入してもらうことを考えていたけど、
それって結構ハードル高いのでは?」
そんな疑問が立ち現れました。
オンライン研修は特に
対象者のデジタルツールの習熟度によって
(ZOOM、Googleスライド、パワーポイント等)
参加者間の間でできることにバラツキができます。
ゆえに、
研修を効果的に運営する上でも、
果たしてどれくらいのスピードで
高校生がタイピングできるのか、は
研修のワーク内容や
所要時間を計算する上で
気になるポイントであるな、、、
と思ったのでした。
■そんな時、
現在通い中の大学院の教授が言っていた、
こんな言葉を思い出しました。
「世界には70億人いるんだよ。
気になることなんて、
大体誰か、調べてたりする。
”先人の肩にのる”。
これが、大事だよ」
、、、と。
確かに日本だけ見ても、
相当な人がいるわけです。
気になっていることは
Google先生に聞くと、大体できます。
トップページになくても、
ちょっと探し方を変えて、
「論文」などで探すと、
近しいものがでてきたりするわけです。
(今回のタイトルのように)
■ゆえに今回の、
高校生のタイピング速度についても
「論文」を検索をしてみました。
するとこんなのが出てきました。
『高校生のPC・スマートフォンの文字入力の速さに関する調査』(2020)
登本 洋子, 高橋 純, 堀田 龍也
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjet/44/Suppl./44_S44015/_pdf/-char/ja
どうやら、
桐蔭学園高等学校
東京学芸大学教育学部
東北大学大学院情報科学研究科
の方が協働で研究した内容とのことです。
■実際に内容を読んでみると、
なかなか興味深い。
(マニアックな内容なので、
これを興味深いと捉えるかどうかは
おそらく人によりますが・・・(汗))
以下、論文から内容を抜粋してお伝えいたします。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<高校生の文字入力の早さに関する調査>
・この論文は、高校生の文字入力の早さの向上を目的にし、
PCのキーボードと、スマートフォンにおける
文字入力の実態を調査した。
・調査の結果、1分あたりの文字入力数の平均は、
ー PCのキーボード 33.4文字
ー スマートフォン 59.2文字
・結果、スマートフォンのほうが
1分間あたりより多く入力できることがわかった。
・ちなみに、PCのキーボードでも
スマートフォンでも濁音・半濁音、
清拗音(せいようおん=”きゃ”など)が
入力しにくいことがわかった
・今後は濁音、清拗音の入力を習得されるトレーニング方法を開発し
高校生のPCのキーボード、スマートフォンの文字入力の速さの
向上につなげていきたい
※登本 洋子, 高橋 純, 堀田 龍也(2020)
『高校生のPC・スマートフォンの文字入力の速さに関する調査』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■これらのことから
(ある特定の高校生群ではあるものの)
”高校生のPCのタイピング速度は
1分間あたり33文字くらい”
という新たな情報が手に入りました。
そしてその情報を元に、
想像力を働かせて
研修の企画も立てることができた、
となりました。
■…と、つらつらと書いておりますが、
この一連のことから思ったこと。
それは、
『「先人の知恵を借りまくる」という姿勢』
の重要さです。
*
「車輪の再発明」
なる慣用句があります。
これは
”「広く受け入れられ、確立されている技術や解決法を
(知らずに、または意図的に無視して)再び一から作ること」”
という意味です。
確かに、
すでにあるものを
一生懸命調べたり、作ったり、
そうやって膨大な時間をかけて見るより、
”すでに先人が開発・調査している
何かしらの答えを材料にする”
という前提で取り組んでほうが、
ずっと早く、サクサク進むのだろう、
と思うわけです。
■言ってしまえば、
当たり前っちゃ当たり前の話。
でも、実際それを忘れずに、
本当にアクションしているかというと
ちょっと疑問が残ります。
(少なくとも私は自分を振り返って)
とすると、
1)情報を検索する力
2)先人の知恵をパクる力
3)情報をストックし、いつでも引き出せる力
は、情報がますます増えて、
そして答えがどこかに転がっている
かつ誰もが検索しうる時代において
非常にパワフルなポータブルスキルになるのだな、
…そんなことを思ったのでした。
■先人の肩に乗る。
その大切さを感じた
研修企画のさなかの学びでございました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
もし、私がより遠くを見ているとしたら、
それは、先人の肩の上に立っているからです。
アイザック・ニュートン(イギリスの自然哲学者/1642-1727)
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