今週の一冊『仕事のアンラーニング 働き方を学びほぐす』
(本日のお話 1789字/読了時間2分半)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日は、終日大学院の授業で
久しぶりの対面での開催。
仲間たちと会って話ができたことで
大変刺激をもらった時間でした。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
=========================
『仕事のアンラーニング 働き方を学びほぐす』
松尾睦(著)
=========================
です。
これまでのメルマガでも、
この本からの学びを共有させて
いただいておりました。
あらためて本日は「今週の一冊」として
この本の魅力をご紹介したいと思います。
※これまでの関連バックナンバー
↓↓
『アンラーニング(学びほぐし)を進める、目標の持ち方・振り返り方』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4079594/
『アンラーニング(学習棄却)の全体像 ~きっかけ・阻害要因・結果としての影響~』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4078307/
『大人はアンラーニング(学習棄却)で変容する』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4069139/
■本の帯に
”キャリアに伸び悩むなら、成長し続けたいなら
「捨てる学習」(アンラーニング)が必要となる”
と書かれております。
まさに、この本のテーマは
ド直球に、
”アンラーニング”
(Un:否定、Learning学び)
(捨てる学習=学習棄却)
言葉を変えて伝えると
「学びほぐし」
でございます。
■そして、この本は
「アンラーニング」について、
この分野の第一人者である、
北海道大学大学院教授の松尾睦先生が、
豊富な理論と先行研究を元に書かれた
大変説得力のある一冊です。
ちなみに、この本の魅力は
「私はこう思います」という
一人の経験則ではないところです。
理論・研究を元にした、
・アンラーニングの理論
・統計的な調査
・アンラーニングの効果
加えて、実際にヒアリングした
・具体的な事例
そして最後に、
理論と研究を元にした
・導かれるアンラーニングを促進する方法
を網羅的にまとめている
ビジネス書と学術書の間の本であることです。
著者の松尾先生が
「読みやすい研究書」を目指した、
と冒頭に書かれていますが、まさに、です。
ビジネスパーソンにとっても
勉強中の大学院生にとっても実益のある本である、
と感じております。
■ちなみに「アンラーニング」は
(繰り返しになりますが)
人や組織にとって、最近注目されている
一つのテーマとされています。
ちょっとデフォルメして
あえて平易に表現すると、
”環境に適応できないベテラン社員がどう変わるか”
の解決の糸口になるのが、
「アンラーニング」であるからです。
■私も仕事柄、しばしば、
「昔のやり方」に固執して、
やり方を変えることができない方
に相当する人のお話を、
直接聞くことがあります。
*
例えば、少し前に、
ある営業会社の課長クラスの方10数人に、
社内でのコーチングの浸透の
お手伝いをさせていただく機会がありました。
目的は
「課長クラスが
部下に1on1を行う支援をする」
という内容。
すでにその会社で
実施されているコーチング研修が
浸透できているのかの確認、
ならびに個別のフォロー、
という支援内容でした。
■そのときに
その課長さんたちの話を聞きながら
2つのパターンがあると感じていました
*
まず1パターン目は、
リモートワークになった中で、
”今までのやり方を捨てて
新しいやり方にアップデートしている課長”
です。
まだ課長としての経験も長くなく、
若手の方が多い印象でした。
ZOOMや電話などを駆使して、
「1on1」をリモート環境下で実施し、
部下の成長支援を行っており
・対面で会って成長支援をする
↓
・必要に応じてオンラインや
チャットなどで支援する
等、これまでのやり方に加えて、
別のやり方を身につけていました。
そして、そのような方は
「コーチング」という手法も
比較的取り入れていました。
すなわち「アンラーニングできている」層です。
■もう一方のパターンは、
”今までのやり方にこだわり
新しいやり方を試せない(試そうとしない)”
という方です。
傾向として、課長になって10数年とか、
20年以上、という方が多かった印象です。
その方からのコメントで多かったのが、
(習ったコーチング、やれていますか?
という問いに関して)
「やはり、表情や微妙なしぐさを見て、
どんな事を考えているのか読み解くのが大事。
それには直接会って話をしないと、
部下と深い話についてはできない」
「だから、1ヶ月に1度、
ランチなど挟みながら会えるときに
話しているからそれでよい」
「ゆえに、定期的なコーチングは
(指示されたような頻度では)やっていない」
というコメントが聞かれました。
そんな話を聴く中で、
もどかしさを感じるとともに、
「アンラーニング」
の必要性を感じていました。
■環境が変わっていく中で、
「昔は上手くいったやり方」
「固定化・固執化したやり方」
にこだわりすぎていると
成果を出すこともできなくなります。
それらのやり方を
手放すことを覚えなければ
”昔はヒーローだったが
今は鳴かず飛ばず”
という切ない状況に
ハマってしまうことがあるし、
だからこそ、この
「アンラーニング」という考えを、
働く我々が知っておくことは、
「社会人としての必須科目」
と言えるのではなかろうか、
とすら思ったのでした。
■、、、と、本の紹介から
話がそれてしまいましたが、
そんな大切な
「アンラーニング」について
詳細が書かれているのが(繰り返しになりますが)
こちらの本です。
以下目次項目について、
関連論文、統計データ、調査方法等
説明されているため、
この本だけではなく、
そこから派生して論文を読み進めることで、
「アンラーニング」と関連する知識を深く学べるかと思います。
以下、内容ご紹介です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
人や組織は、過去の成功経験に固執すると環境に適応できなくなる。
身につけた自分の型を問い直し、解体し、組み替える、
「捨てる学習」(アンラーニング)について事例を基に解説!
【目次】
第1部 アンラーニングの概観
第1章 アンラーニングとは何か
第2章 アンラーニングの全体像
第2部 アンラーニングをうながす個人要因
第3章 アンラーニングをうながす学習志向と内省
第4章 アンラーニングをうながす自己変革スキル
第3部 アンラーニングをうながす状況要因
第5章 上司行動とアンラーニング
第6章 昇進とアンラーニング
終章 仕事のアンラーニング・プロセス
※Amazon本のレビューより
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この本を読むだけでなく
関連する研究・論文を読み進めることで
数珠つなぎのように学びが深まりそうだな、
と感じております。
私もじっくり熱いお茶を飲むように
噛み締めつつ、掘り下げつつ
何度も読みたいと思います。
ご興味がある方は、ぜひ。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
==========================
<今週の一冊>
『仕事のアンラーニング 働き方を学びほぐす』
松尾睦(著)
==========================