リモートワークで失われたものを取り戻す ~体験型ワークショップを通じて~
(本日のお話 2152字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日月曜日は、2件のアポイント。
午前は天気があまりによかったので、
仕事の合間に妻と子供と散歩に行っておりました。
気晴らしにこういうことができるのが
リモートワークの良いところだな、などと思った午後。
*
さて、本日のお話です。
先日、立教大学大学院にて
「リーダーシップワークショップ演習」という
3日間の授業がありました。
約1年学びを共にした仲間と、
身体と感情を使いながら
3日間学びを共にいたしましたが、
その中で改めて
「対面で得られること」について
考えさせられました。
本日はそのお話について、
皆さまに学びと気づきを
ご共有させていただければと思います。
それでは早速参りましょう!
タイトルは
【リモートワークで失われたものを取り戻す ~体験型ワークショップを通じて~ 】
それでは、どうぞ。
■突然ですが、
「ハロー効果」
と呼ばれる心理学の用語あります。
曰く「ハロー効果」とは、
ある対象を評価するときに、
目立ちやすい特徴に引きずられて
他の特徴についての評価が歪められる現象のこと。
例えば、ある分野の専門家が専門外のことについても
権威があると感じてしまうことや、
外見のいい人が信頼できると感じてしまうことが挙げられる。
(Wikipediaより)
とのこと。
■確かに、
「有名大学出身」とか
「大企業出身」とか
「重役っぽい役職・肩書」などあると
わかりやすいそれらの特徴に
つい目がいってしまいます。
そして、
「さぞかし優秀なんだろう・・・」
「頭が切れるのだろう・・・」
と安易に判断してしまうことがあったり。
■ハロー効果を含めて、
一度頭に焼き付いたそれらのイメージは
意外と強固なものです。
なので事あるごとに、
自分のイメージと一致する
その人の行動が目について、
「さすが、◯◯さん。
いつもながら極めてロジカルだ」とか
「△△さんは、相変わらず
穏やかで聞き上手だ」とか
その人のイメージが強化され、
ますますその人の「一部分」ばかりが
肥大化していったりします。
■そしてこのハロー効果にも見られる
バイアス(=レッテル貼り)は、
「特にオンラインにて起きやすい」
と感じています。
、、、というのも、
”オンラインは情報量が少ない”
から。
対面の機会がたくさんあれば
自分以外の誰かと話をして、
思わぬ力強さを見せていたり、
怪我をした小鳥を助けていたり
(みたいなシーンがあるかは謎ですが)
”ふとした意外な一面”が
偶然にも垣間見えることがあります。
しかし、オンラインでは、
そのような偶然の機会はほぼ訪れません。
画面上で見える一つの顔、
ミーティングならミーティング用の
”特定の役割の顔”しか見せませんし、
同時に見えません。
ゆえに、
”誰かに対しての印象は、オンラインでは
上書きされる機会が極めて少なくなる”
と思うわけです。
■そして、
そのことを痛感したのが、
冒頭にお伝えした大学院での対面型の
「リーダーシップワークショップ演習」
でした。
ちなみに、このワークショップでは、
”遊び”を通じて、感情を使いながら
お互いに体験を通じて学び合います。
例えば、
・風船を膨らまして身体に挟んで遊んだり、
・大なわとびをしてみたり、
・二人三脚的なことをしてみたり
・サイコロを使ってなぞなぞ的なものをする
などなど、
まるで小学校の
お昼休みの遊びのような体験から
座学では学べないことを学びます。
そうすると、恥ずかしながら
仲間に対して無意識に感じていた”レッテル”が
上書きされていくのを感じたのです。
■ガラリと印象は変わる、というよりも
・ロジカルだと思っていた人の
チャーミングな一面が見えた
とか
・大雑把だと思っていた人の
情にアツい一面が見えた
とか
・強がっていそうな人の
繊細な側面が感じられた
ということが凝縮されて、
短期間でダイレクトに感じられ、
その人の別の顔、奥行きのようなものが
印象に加わって、立体感や温度感を感じた、、、
という感じでしょうか。
■実質、大学院の仲間はほぼオンラインでの対話。
対面では会うことがありませんでしたが、
このような対面での「体験型ワークショップ」を通じて
「相手に対する興味が湧いたり」
「もっと自分をさらけ出してもいいかも」
という感覚になったのが
非常に新鮮なのでした。
そして、
「リモートワークで失われたものを
取り戻したような気がした」
と感じました。
■改めて思うのが、
人と人が向き合うことは、
喜びや刺激もあると同意に、怖さもあると、
少なくとも私は感じます。
自己開示をしているようで
誰かに自分を晒すことは、
やっぱり怖かったりします。
ゆえに人は
自分のことを受け入れてくれるだろうか、、、
否定されないだろうか、、、
という不安を大なり小なり抱えながら
人は人は相対しているのだと思います。
それを対面で会い、
そして普段見せない側面を「体験型研修」等で
意図的に見せ合う機会を作ることで、
バイアスがかかった一方向からの
平面的な顔をもった誰か、ではなく
様々なことを感じている、
立体的な顔を持った人間として
理解をすることができるのだろう、
と感じています。
■オンラインが当たり前になると
すぐに話もできるし、とても便利です。
しかし同時に、その便利さの影で
失われていることを自覚することが、
とても大事なのだろうな、
と思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
人は握手する時、その手は無言のうちに
さまざまなことを伝えてくれる。
ヘレン・ケラー(米国の社会福祉活動家/1880-1968)
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