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2948号 2022年3月18日

ピアノにおける熟達と、IT技術者のキャリア熟達の共通点を考えてみた

(本日のお話 2400字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。

また友人でマーケティング支援等で
会社経営をされている方、

大学でリーダーシップを教えている先生であり、
かつご自身でも会社をやられている経営者でもある方と
会食やお茶をした1日でした。

様々な領域で活躍している方とお話をすると、
実に刺激になります。

(Yさん、Fさん、ありがとうございました!)



さて、本日のお話です。

先日、

『30年ぶりに「ピアノの発表会」に参加して思ったこと』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4131962/

というメルマガを書かせていただいたのですが、

皆さまから刺激になった、とのお言葉をいただき、
自尊心が大変満たされております(嬉)

もちろん、

自分のレベルは自分で理解しており、
まだまだ至らぬレベルであることは百も承知。

それでも、

何かしらの積み重ねたものを承認いただけるというのは、
その道程を肯定された感覚がして満たされるものだな、、、

と感じておりました。

今日は、

その話を振り返りつつ、
とある論文のお話を思い出しました。

全然ピアノと関係ないようですが
「IT技術者のキャリア」に関する論文(!)です。

今日はこの論文の内容を皆さまにご紹介しつつ、
学びと気づきをご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは

【ピアノにおける熟達と、IT技術者のキャリア熟達の共通点を考えてみた】

それでは、どうぞ。

■ピアノから急に話が
ぶっとんでしまい恐縮ですが(汗)

「松尾(2005):IT技術者の熟達化と経験学習」

という論文があります。

(急にモードが変わって、
なんだかスミマセン。。。)

、、、とはいえ、
この論文は非常に面白いです。

特にIT技術者は
必見の論文かと思います。

■この論文ですが

”IT技術者のキャリアが熟達していくプロセス”

を調査したという論文です。

IT技術者である

14名のプロジェクトマネジャー
10名のコンサルタント

にインタビュー調査をし、
その傾向を調べました。

すると、

「プロジェクトマネジャーと
コンサルタントは学習パターンが違う」

ことがわかりました。

■具体的には、

「プロジェクトマネジャー」は、
キャリアの初期、中期、後期と段階を経るごとに、

「徐々にタスクの難易度を高めていく、
リニア型の成長」

を遂げていました。

つまり、”正比例曲線”のような
キャリアの熟達を遂げていた、

ということです。



一方、顧客との折衝を行うコンサルタントは、
キャリアを経るごとに正比例的に成長するのでは、
”ありません”でした。

コンサルタントは、

『あるとき難しいタスクに関わったことで
能力が急上昇する』

という、非リニア型の成長、
を遂げることがわかった、

というのです。

■上記は一つの研究からのデータです。

ゆえにこれだけが絶対、
とも言えません。

ただ、

少しずつ積み上げで
「徐々に成長するパターン」と

難しいプロジェクトに従事して
「急激に成長するパターン」がある

というのは、なかなかに興味深いな、
と思ったのでした。

■ちなみに思うのですが、

どんな領域においても、この

”2種類の成長(リニア型・非リニア型)”

の成長により、我々は熟達していく、
と思います。

例えば、冒頭のお話に戻って、
私の趣味の「ピアノ」もそう。

今回のピアノの発表会を経た熟達を当てはめて考えると
なんとなく共通点を感じさせられます。

■まず、基本ピアノの練習は積み上げなので、

”毎日コツコツ練習して、
「徐々に成長する」パターン”

を持つと思われます。

いくら頑張っても、
ある日12時間練習しても、
1日ではうまくならないでしょう。

ただ、考えてみたいのが
一方、徐々に成長する場合でも、

「プロジェクトを立ち上げると
急激に成長するきっかけにはなる」

とも思うのです。

■これ、どういうことかというと、

先の論文に物申すようですが、

「徐々に、正比例に成長する」

といってもそれは、
全く同じリズムで成長するわけではない、

と思うのです。

多分、その時時で
上昇の角度も差があって、

ただ全体的にならしてみると、
正比例的に見える、ということなのだと思うのです。

正比例的に見える中でも、

”要所で、自分を伸ばせるような
小さなプロジェクトを差し込んでいく”

ことで、

コンサルタントのキャリアのように
爆発的に成長することはなかったとしても、

やっぱり、それは
成長角度の平均値を底上げすることに
なるのではなかろうか、、、

と思ったのです。

■例えば、

小さなプロジェクトでも、
ストレッチが必要な目標が掲げられると、

そこまでに何かを到達しようとした際に
「これまでのやり方を変えること」になります。

私のピアノの発表会においても、
練習する時間が限られている中で、

とはいっても発表会が
近づいてきてしまったので、

・自分の振り返り方

・フィードバックの受け方・そのペース

・新しい情報、知識を入れる頻度

・違った手法をトライしてみる回数

も、決まる前とまるで違ったものに
なっていました。

■そうして、

あるプロジェクトを通じて、
ストレッチをすると、
これまでのやり方を棄てて(=アンラーニングして)

新しいやり方が身につき
成長の果実を得ることに繋がります。

そして、そこから先は一度覚えた
「新しい成長の方程式」を
自分に適用することになります。

ゆえに、IT技術者における

プロジェクトマネジャーのように
淡々と積み重ねることで成長する領域でも、

コンサルタントのように
ある瞬間に急激に伸びる領域でも

いずれに関わらず、

【人はプロジェクトを通じて、
自分を作り変えていくきっかけを得る】

のではないか、と思ったわけです。

■積み重ねは、大事です。

ただ、「自分をより成長させたい」と
思った場合は

「常に何かのプロジェクトを
打ち立て続けること」

で、自らストレッチし続け、
アンラーニングし続け、
成長の喜びを享受し続けられる

と言えるのかもしれません。

発表会前後で、

ピアノの練習の方法が圧倒的に変わって、
成長の角度もぐぐっと変わったような気がして、

そのプロセスをIT技術者の論文から
紐解いてみた、の巻でした。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

偶然は準備のできていない人を助けない。

ルイ・パスツール(フランスの化学者/1822-1895)

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