ポジティブに支援するだけが、コーチングではない?! ~コーチングのFACTSモデルのご紹介~
(本日のお話 2236字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日の祝日は、引き続き実家の愛知へ。
また10キロのランニングなど。
幼稚園→小学校→中学校と
かつて自分が過ごした場所を
20年以上ぶりにランニングをしながら
思い出に浸っておりました。
だいぶ変わったところもあれば、
変わらず残っているものもあり、
懐かしいとも違う、切ないような、儚いような
胸がぎゅっとした気持ちになりました。
過ぎた時は戻らず、
今は今しかないんだな、とランニングをしながら
噛み締めた次第。
1日1日大事に生きたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
先日よりお届けしております、
「組織におけるストレングス・ベースの
リーダーシップ・コーチング」
『Strength-Based Leadership Coaching in Organizations
An Evidence-Based Guide to Positive Leadership Development』
について、本日もお届けしたいと思います。
本日は
「第7章 組織における
ポジティブなリーダーシップ開発のためのコーチング(中編)」
でございます。
今日は”コーチングをされる方”にとって
一つ参考になる情報ではないか、と思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【ポジティブに支援するだけが、コーチングではない?!
~コーチングのFACTSモデルのご紹介~】
それでは、どうぞ。
■コーチングには色々な流派がありますが、
その根底に流れているのは、
”クライアント自身が答えを持っており、
クライアントのゴールに向けて、支援する”
というスタンスです。
”コーチ=馬車”
という語源からも
そんなことが伺えます。
そのクライアントが
どこにいきたいかを決めるのが重要、
となります。
■ただし、
こと組織内のリーダーなどに
行われるコーチングの場合だと、
ちょっと複雑になります。
組織に所属していない個人が
自分でコーチを依頼する場合と、
組織に所属している個人が
組織の依頼でコーチを依頼して行う場合では、
利害関係者が変わってくるためです。
クライアントも
・被指導者(コーチー)
だけではなく、
・人事
・経営
・被指導者の上司なども
間接的なクライアントとなってくるので、
どうしても複雑になります。
■そんな中で
強みに着目したコーチングとして、
・ポジティブな側面にフォーカスし
・サポートをする姿勢で
・厳しいことはあまり言わない
等を行うと(行いすぎると)、
本人が向き合うことに
ストレスを感じるであろう
組織のニーズに向き合いづらくなる、
、、、という影響もあるようです。
■そんなサポート中心の
コーチングスタイルに対して、
『コーチングのFACTSモデル』
と呼ばれるものは、
そのバランスを保つものとして
提案されました。
このモデルを活用することで
・被指導者にチャレンジを促す
・被指導者と難しい会話をする
ことで
個人のニーズと組織のニーズ、
どちらもバランス良く取り入れて進むことを
可能にする、とされています。
■簡単にFACTSモデルの概要をお伝えすると、
このような内容となります。
**
<FACTSモデルとは?>
・FACTSモデルは、個人のニーズだけではなく、
組織のニーズに焦点を当てたコーチングが求められるようになったことから生まれたモデル。
・サポートが多く、チャレンジが少ないと一般化される
伝統的なコーチングアプローチの考え方に挑戦したモデルである。
・このFACTSプロセスは、(ストレングス・ベースのアプローチに対する批判でもある)
ポジティブなことだけに焦点を当てて、難しい会話を避けることを防ぐ効果がある
**
そして、具体的な内容としては、
以下のようになります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●コーチングのFACTSモデル(Blakey and Day,2012)
◯Feedback(フィードバック)
・コーチは、被指導者に対して
チャレンジングで直接的なフィードバックを提供しているか?
◯Accountability(説明責任)
・コーチは、被指導者が約束した行動に対して、
説明責任を果たしているか?
◯Challenge(チャレンジ)
・コーチは建設的な方法で、被指導者にチャレンジを促し、
変化に伴う違和感を経験するように促しているか?
◯Tension(緊張感)
・根本的な関係性を損なうことなく、重要な問題を十分に検討するために、
コーチはどのようにしてプロセスの緊張感を保つのか?
◯System Thinking(システム思考)
・コーチはどのようにして、被指導者に影響を与える状況的要因と、
それらの要因に対する被指導者の反応の両方に焦点を当て続けるのか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■とのこと。
たしかに、このようなポリシーがあると
一つの指針になりそうです。
FACTSモデルを念頭において
コーチングをすると、
・ダイレクトにフィードバックをする
・決めたことを行ったかどうかを確認する
・違和感があることに挑戦をすることを促す
・緊張感を持って進めるように行う
・自分だけではなくシステム全体を見る
と明確になることで
サポートするだけではなく、
時に背中を強く押すようなスタンスで
進める事が可能になりそうだ、
、、、とも感じます。
■難しい話題に踏み込むのは
コーチ側も、なんだかんだで
勇気がいるもの。
(よーくわかります、、、)
もちろん、
土足で踏み込むのよくないし、
踏み込むにしても
信頼関係を前提としていることは
言うまでもなく大切です。
また上記の文脈で進めることに対する
準備と合意があることも大切。
ただ、サポートをすると言っても
相手を認め、支える”だけ”ではなく、
時に迫るハードモードの関わりも、
有効なときもあるのだろう、
と思いました。
ゆえに、
「周りからの声を直視するのを
避けているように見えます」
(=フィードバック)
「コミットしたことはできましたか?」
(=アカウンタビリティ)
「この課題は大変かもしれないけれどぜひ挑戦してください」
(=チャレンジ)
などなど
「コーチングのFACTSモデル」によって
よりコーチングに奥行きや深みが増すのかな
と(自分自身を振り返って)
思った次第でございます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
気持ちよく断ることは、
半ば贈り物をすることである。
ブーデルヴェク(ドイツの哲学者/1766-1828)
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