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2953号 2022年3月23日

コーチングの成果はこう測る ~評価の質問項目集~

(本日のお話 2474字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

現在、大学院のプロジェクト関連で
ちょっとずつ論文を読み進めております。

、、、が、読むだけだと、
読んだことがその瞬間から揮発していく(!)
ことを痛切に感じております。

たくさん読んでも、

「あれ?この論文よんだっけ?」
(ってか何書いてあったっけ・・・)

となることもしばしば(汗)

特徴を考えると、

記憶に残らないものは、
「ただ読んだだけ」のもの、

記憶に(ちょっとだけ)残るものは
「手を動かして記録した」ものであることに気付きます。

やはり学びとは

”インプットとアウトプットを
同時に行うこと”

が自らの血肉にするために
大切だと改めて感じている次第です。
(面倒くさいけど、自戒を込めて!)



さて、本日のお話です。

(そんな学びの一環でもありますが)
先日よりお届けしております、

「組織におけるストレングス・ベースの
リーダーシップ・コーチング」

『Strength-Based Leadership Coaching in Organizations
An Evidence-Based Guide to Positive Leadership Development』


本日も絶賛、お届けしたいと思います。

この本も学びを記憶に焼き付けるごとく、
学びになったお話を皆さまに”おすそ分け”させて
いただければと思います。

本日は

「第7章  組織における
ポジティブなリーダーシップ開発のためのコーチング(後編)」

です。

今日は”コーチングの評価”という
テーマでお届けします。

特にコーチングや1on1をされている
人事やコーチの皆さまに参考になる情報かと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは、

【コーチングの成果はこう測る ~評価の質問項目集~】

それでは、どうぞ。

■コーチングでも研修でも、
目に見えづらいプロセスについて、

「成果を測ること」

はとても難しいものです。
(研修は目に見えませんからね、、、)

■「この研修はよかったですか?」と
個人に自己報告で聞いて「◎でした!」と
返ってきたとしても、深く考えると疑わしかったりします。

というのも、
こんなことが言われているから。

・自己を過大評価している人は、
自分のことが正しく見えていない。

・また時間の経過とともに事実を、
(良い方向に)自己修正する傾向がある。

・逆に自己を過小評価する人は、
自己批判的で完璧主義者であることが多い。

■、、、つまり、

妙に自信がある人は、
「自分めっちゃ変わりましたよ!」と、
その成果を過大評価してしまう傾向アリだし、

逆に謙遜しすぎている人は
「いやー、自分なんてダメダメでした・・・」と
その成果を過小評価してしまう傾向アリ

とのことで

個人特性や環境によっても
何かしらの”バイアス”が働くため、
自己評価では成果を正しく捉えることが難しいのです。

それが特に目に見えづらい研修の
「評価における課題」と言えます。

■「じゃあ、厳密に、
どこまで成果を測るのさ?」

と言われれば、

もちろん成果を測定するのにも
時間とコストがかかります。

誰でも彼でも何時間でもかけて
ガッツリ測定しよう!とは問屋が(現場が)
許してくれません。

ゆえに、その点も考慮して、
現実的な方法を考える必要があります。

■ではどんな観点で、成果を図ると
現実的かつ望ましいのか?

その意味では、

”「成果の測り方」において、
基本の2つの評価方法”

についてこれだけは押さえておきたい、
という考え方があります。

■それが、

『「形成的評価」と「総括的評価」』

と呼ばれる2つの観点です。

平たく言えば

・「形成的評価」は”改善のための評価”

・「総括的評価」は”効果があったか確認する評価”

です。

研修介入に関しては
この2つの評価を行うことが推奨されており、

具体的に、関係する人に
以下のような質問をすることが提案されています。

そして、「リーダーシップ・コーチング」というテーマでは
いくつかの質問項目が有効と提案されています。

以下、ご紹介いたします。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【リーダーシップ・コーチングの評価のための質問】

<形成的評価の質問>

◯{コーチング・プロセスについて}

コーチは・・・
・あなたとの信頼関係を築くために時間を費やしていますか?
・あなたを助けてくれると確信しましたか?
・自分の役割や業界を理解していますか?
・あなたの成長にコミットしているように見えますか?
・挑戦とサポートのバランスを持ち、関わっていますか?
・自分の行動に責任を持つよう、促しましたか?

◯コーチされる側の質について}

コーチー(被指導者)は・・・
・積極的に参加することを選択しましたか?
・各セッションに対して、準備しましたか?
・アジェンダ設定に協力していますか?
・新しい戦略やアプローチを試しましたか?
・コーチング・プロセスにラインマネジャーを関わらせましたか?

◯{組織的要因について}

組織は・・・
・コーチングのカルチャーを示しましたか?
・開発の機会を提供しましたか?
・スキルの現場への転移を、促進しましたか?
・学習と開発のフレームワークにコーチングを組み込みましたか?
・成長志向のモデルを持っていますか?

<総括的評価の質問>

◯{個人へのプログラムの影響}

リーダーシップ・コーチングは・・・
・リーダーシップに関する知識を深めましたか?
・自分の強みについて、新しい気付きが得られましたか?
・より高い積極性や楽観性を、生み出しましたか?
・より高いイノベーションと柔軟性を、提供しましたか?
・他者のエンパワーメントと開発を、促進しましたか?
・より大きなコミットメントとエンゲージメントを促進しましたか?

◯{チームへのプログラムの影響}

リーダーシップ・コーチングは・・・
・チームにポジティブな環境を生み出しましたか?
・チームのビジョンと目的を明確にしましたか?
・役割の明確さをより促進しましたか?
・チームメンバーのモチベーションを高めましたか?

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。

■さて、見てみていかがでしょうか。

いっぱい質問がありましたが
その詳細は見ていただく必要はないとしても、

”コーチングについて
その成果を測定する”

と考えた時に「どうでした?」と
本人に聞くだけではなく、

改善のための評価(形成的評価)として

・コーチとプロセスの評価(=コーチ)
・コーチされる人の準備に対する評価(=コーチされる人)
・組織要因の評価(=組織)

と分けて考えたり、

また実際の影響を与えたか(総括的評価)
についても

・個人に対しての影響(=個人)
・チームに対しての影響(=チーム)

と分類して評価することで、

網羅的に介入施策の有効性を
検討することができるのが感じていただけるのでは、

と思います。

■いやいや、

とはいっても、
こんなに色々聞けないよ、
面倒くさいし、大変だし、、、

という声も聞こえてきそうですが、
(よくわかります)

とはいいつつ、
一方、目に見えづらい研修の評価も
データが収集しやすくなったことから、
どんどんデータドリブンになってきています。

ゆえに、
評価指標もより広く捉えられる流れがあると
感じておりますし、

「人材開発もデータなしで
考えることはもはやできない」

と言われています。

■そういった意味でも、

多様な視点で成果を判断する視点を持つ、
そのための具体的な問いのレパートリーを持つことは、

特にこの分野に関わられる
人事やコーチの皆さまにとっては
深めるべきテーマのように感じた次第です。

(繰り返しますが、自戒を込めて)

多様な視点から評価を考える。

研修の効果測定だけではなく、
広く大切なことだな、と思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

一番だまし易い人間は、すなわち、
自分自身である。

パルワー・リットン

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