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2968号 2022年4月7日

若手社員のパーソナリティとは ~22名のインタビュー調査からわかったこと~

(本日のお話 2324文字/読了時間2分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は大学院関連のインタビュー。
その他1件のアポイント。

また夜は、コーチング仲間との勉強会でした。
前向きに人生を動かしている方のお話は、
大変刺激になります。

私も楽しみつつ、頑張ろう、と思います!



さて、本日のお話です。

4月といえば、入社(入学)式。

新入社員が入社された会社も
たくさんいらっしゃることかと思います。

当事者からすれば、
新しい世界への旅立ちでもありますし、

受け入れる先輩から見ても、
リモートワークが常態化している中で、
どのように受け入れて、教育していくかということは、
一つ考えさせられるテーマなのかもしれません。

、、、ということで本日より

『活躍する若手社員をどう育てるか:研究データからみる職場学習の未来』
山内祐平(著、編集)(慶應義塾大学出版会)


という専門書を参考に

「活躍する若手の特徴」について
考えていきたいと思います。

読み終えましたが、
”研究”を軸にしており、
非常に学び多き書でございました。

それでは早速参りましょう!

タイトルは

【若手社員のパーソナリティとは ~22名のインタビュー調査からわかったこと~】

それでは、どうぞ。

■若手を表現するために、
様々な言葉が創出されます。

ちなみに、2022年度入社の
新入社員は

『新感覚の二刀流タイプ』

だそうです。

昨年2021年は、
「仲間が恋しいソロキャンプタイプ」である
とのことで、全体の傾向として興味深いな、
と感じます。

参考:https://www.e-sanro.net/freshers/?page_id=809

■言うまでもなく、
人は時代、環境の違いで考え方も
大きく違ってきますので、

何かの言葉を与えて、
若手を理解しようとする試みは、
役に立つもの。

そんな中で、上記で紹介の書籍より

『若手のパーソナリティの研究』

が紹介されており、
その内容が興味深いものでした。

■研究の目的としては、

”「若手社員のパーソナリティ」に着目することで

若手社員がどのような人物なのかを理解し、
若手社員がどのようなことにやる気を出し、
どのようなことに躓きやすいかを理解する”

ために行われました。

研究の方法としては

日本国内の大手民間企業6社の
若手社員本人・上司・人事担当合計22名に
インタビューを行い、その言葉から

”「若手社員のパーソナリティの特徴」
を抽出する”

ということを行った、とのこと。



つまり、若手に対して

「最近の若手は素直で真面目だ」とか
「ちょっと挑戦する意欲に欠けている」とか
「学ぼうとする意欲が高いよね」とか、

様々な言葉で若手の特徴を
本人も周りも語ることがあります。

その言葉をインタビューから抽出し

・若手社員を表す言葉には
どのような言葉があるのか、

・活躍する若手には
どのような特徴があるのか

を調べてみようではないか、
という研究でございます。

■ちなみに、「パーソナリティ」とは

”人格、個性、性格”

などと日本語では訳されて来ましたが、

”個人の傾向性を示す、
一貫して永続的な意味を持つ特性表現(青木,1971)”

という定義がされております。

時間が経っても簡単には変わらない、
その人の特性である、ということであり、

若手社員のそんなパーソナリティに
着目しよう、というのが面白い観点です。

■研究の方法と結果をお伝えすると、

1)インタビューの総文字数30万文字を記録。

2)そこからパーソナリティ特性表現を抽出し
合計249個が抽出した

3)それらをパーソナリティ既存尺度の中で
有名な「ビック5」を基準に分類した

というステップで研究を進めました。

結果、わかったことがありました。

■まず1つ目は、

”「ビッグ5」の既存尺度で、
若手のパーソナリティは概ね説明できることがわかった”

とのこと。

※ビック5とは・・・
・Extraversion:外向性
・Agreeableness:協調性
・Conscientiousness:誠実性
・Neuroticism:神経症的傾向
・Openness:開放性

そして次にわかったことは、

”ビック5に含まれない
若手社員独自の新規項目のまとまりが
12項目みつかった”

とのこと。

つまり、

「若手社員ならではの特性」

とも考えてもよいかもしれません。

それが、以下の12項目でした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<若手社員ならではの特性>

・他者への経験への開放性(他者から盗む、行き詰まったら聞く)

・自分の成長(成長したい)

・内省性(自分に不足しているものを感じる)

・自己犠牲(自分を犠牲にしすぎない)

・自尊心(変なプライドがない)

・役割を果たしたい(役割を果たす、会社に貢献したい)

・チャンスに敏感(チャンスを掴み取る)

・チーム性(みんなで頑張る、周囲を巻き込む)

・専門指向性(専門性を延ばしたい)

・事業が好きな(売上を上げるのが楽しい)

・仕事を楽しめる(楽しんで仕事できる)

・使命感(仕事への想いが強い、仕事に使命感がある)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とのこと。

そしてこれらの言葉が、

若手社員を理解するための
キーワードになるのではないか、

とも思えます。

■なんとなく

「最近の若者は・・・」

とひとくくりにして語ると
それらを理解したような気に
なるのかもしれません。

しかし、より客観的に
今回の研究で見られたように

・インタビューを通じて分析する

・既存の尺度も活用しながら、
どのような言葉が特徴的なのかを調べる

ことによって得られることが
あるのではないか、と思います。

個々人の主観と言葉による
「レッテルばり」から

客観的なデータを通じた上での
「若手の特徴の言語化」をすることで

育成する上での
共通言語を得ることもできるかもしれませんし、

そのような観点から、
活躍できる若手と、そうではない人の
特徴を捉えることもできるかもしれません。

■、、、ということで、

ぜひご興味がある方は
本書を読んでみてくださいね。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

師をしのがないとは、つまらぬ弟子だ。

レオナルド・ダ・ヴィンチ(イタリアの芸術家/1452-1519)

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