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2980号 2022年4月19日

大学院の論文指導から学ぶ「相手が納得する伝え方 4ステップ」

(本日のお話 2567文字/読了時間4分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
その他、研修後の評価インタビュー。

夜は大学院の先生と
個別のプロジェクト相談会でした。



さて、本日のお話です。

4月から大学院2年生になり、
いわゆる”修士論文”に相当するものを
まとめていくことになります。

しかしながら
(このメルマガを見ていてもおわかりの通り)

カチッとした論理的な構成でまとめるのが
あまり得意ではありません。。。

、、、が先日の

論文指導(的なもの)の中で、
改めて先生から教えて頂いた話が

これからのプロジェクトの
骨格になると思うと同時に、

「論理的に相手に納得してもらうるための
”型”のようなものだ」

とも思いました。

ということで、今日は
その出来事からの気付きと学びを、
皆さまにご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは

【大学院の論文指導から学ぶ「相手が納得する伝え方 4ステップ」】

それでは、どうぞ。

■最近、時折

「批判的思考」

を持ち、駆使している人を
うらやましく感じることがあります。

批判的思考があるからこそ、

自分のプレゼンへのツッコミも
自分で思考し、推敲できます。

ゆえに説得力があるな、
と感じさせられます。

■あるいは、

「批判的思考」は

誰かの発表に
フィードバックするときも、
役に立ちます。

「いやー、素晴らしいですね」
「いいと思いますよ」

でおしまい、よりも、

「◯◯という観点ではどうか?」
「△△という方法は考えたのか?」

と、急所をつくような
フィードバックをしている人を見ると、

構造的に物事を捉える力
分析する力
それを瞬時に言葉にできる力などから

知的で、聡明さを感じますし、
「気づきというプレゼント」を
相手に渡すこともできます。

■、、、と

「批判的思考」をあまり駆使できていない
自分のジェラシー的なコメントでしたが、

そんな中で、昨日、
大学院の2年目のプロジェクトを
進めるにあたって、

担当教授の先生から、
進め方のアドバイス、フィードバックを頂いたのですが、
それが大変ありがたいものでした。

ちなみに文脈としては、

「特定のクライアント企業様の経営課題を、
人材開発・組織開発から解決するプロジェクト」

を行うに当たっての相談です。

、、、ただ、想像に難くありませんが、

組織の課題というのは
日夜、その組織に所属している経営者を始め、

多くの方が頭を悩ませ、工夫をして、
それでも簡単に解決できないものばかり。

ゆえに、

「課題の分析」→「介入方法の選定」

なども色んな登り方があり、
非常に混乱してしまうのです。。

そんな中、頂いたアドバイス、
そしてそこからの気付きは
以下のようなお話でした。

(ちょっとマニアックな話ですが、
大切な示唆がある、と感じております)

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<プロジェクト研究の進め方についての
~先生からのアドバイスから学び~>

◯<1)「1番の課題は何か?」を設定する>

・実務レベルだというと問題だらけであるもの。

・しかし全てよくなりました、というのは現実的に難しい。

・大きな組織課題の中で焦点を絞る必要がある。

(※例:従業員の「キャリア自律」が1番の課題である)



◯<2)課題を「先行研究」と紐づける>

・1番の課題を設定する際に、
ロジック(すなわち先行研究)に基づいている必要がある。

・先行研究とは過去取り込んだ先人の知恵のようなもの。
「こうすればこうなる」という一定の科学知を含む。

・ゆえに、課題の設定について問題点をブレイクダウンしつつ、
先行研究から、「なぜそれに焦点を当てるのか」を
(たとえ後付けであったとしても)ロジカルに説明すること。

(※例:「キャリア自律」の先行研究から、
本人の能力向上、組織へのコミットメントなど影響があることが
わかっている)



◯<3)課題に「影響を与える要因をすべて羅列」する>

・メジャーどころの理論だと、課題に影響を与える要因も
30-40のなどの出てくるもの。

・まずそれらを全部、洗い出すことが重要である。

(※例:「キャリア自律」には、
マネジメント要因、職場支援の要因、転機となった経験、
キャリア志向、{他いくつもの要因}、、、が先行要因である)



◯<4)どの「要因に介入するのか」を選ぶ>

・1番の課題の解決のために、どの要因に影響を与えるのかを決める。

・その際に、「なぜそれを選んだのか?」を明確に語れることが重要。

・もちろん一番介入のインパクトが大きいといえるものを選ぶのがよい。
しかし、現実にはどちらとも言えず、選べない場合もある。

・あえて弱いインパクトの介入を選ぶのはダメであるが
「学術的にこれがわかることは研究として大きい」という論説等で
自分が探究したいアプローチを掘り下げに行くという方法もある。

・ゆえに、
「インパクト(対経営・現場視点)」✕「インパクト(対研究・学術視点)」✕「実現可能性(他の施策との整合性)」
という視点で、その要因を選んだ理由を語る事が重要。

(例:「キャリア自律」の課題を解決するために
「マネジメント(上司の育成能力)」への介入を選んだ。
その理由は、・・・・・であり、
他の要因を選ばなかった理由は・・・・である)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

とのこと。

なんだかだいぶ
焦点を絞った(絞りすぎた)学びの共有に
なっておりますが、

例えば、

「何かのプロジェクトについて
方向性を決めて、人を巻き込むとき」

にも、この考え方は十二分に
使えるように思うわけです。

■例えば、

組織でも営業の提案でも、
「課題解決」は多くのシーンで求められます。

その際に、

1)「何が一番の課題か」を明確にする

2)そう判断した理由を、
エビデンスに基づいて論理的に説明する

3)その課題に対する施策をすべて洗い出す

4)課題に対する施策を選定し、選んだ理由を
エビデンスに基づいて論理的に説明する

というプロセスを経たとしたら、どうか。

きっと「なるほどね、わかりました」で
周りの人も、納得してくれるのでは、、、

と思われそうです。

■冒頭で、

「自分の批判的精神のなさ」をなげくような
コメントを書いてみましたが、

それも、上記の1)~4)のような
”思考の型”を身につけることで、
また見えてくる世界も変わるように思います。

自分も今回のプロジェクトを通じて、
改めて物事を論理的に捉える思考を
磨いていきたいものだ、

そんなことを感じた次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

既知の世界から未知の世界に行かなければ、
人は何も知ることはできない。

クロード・ベルナール(フランスの生理学者/1813-11878)

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