「動画を倍速にしたら、学習効果はどうなるか?」の研究からわかったこと
(本日のお話 1543文字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日3000号とのことで
多くの方からご返信を頂きました。
本当にありがとうございます。
噛み締めつつ拝読させていただいております。
こちら追ってご返信させていただきますので、
どうぞ、よろしくお願いいたします。
このメルマガもどこかで誰かが見てくれているのだな、
と嬉しく実感した次第です。
ここからまた一歩ずつ、
頑張ってまいりたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
先日とある論文の存在を知りました。
それは、
「映像コンテンツを倍速にしたら、
学習効果はどうなるのか?」
という研究の論文です。
※長濱 澄, 森田 裕介(2017)「映像コンテンツの高速提示による学習効果の分析」
この論文がなかなか面白く、
かつ動画時代(?)に役立ちそうなお話でした。
今日はこの論文の概要、
ならびにそこからの学びを共有させて
いただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【「動画を倍速にしたら、学習効果はどうなるか?」の研究からわかったこと】
それでは、どうぞ。
■皆さまは、動画を
”倍速にする派”
でしょうか、しない派でしょうか?
おそらく内容次第ですが、
YouTubeでも、e-learningでも、
動画コンテンツが増えている中
情報を仕入れる時には
倍速を活用される方も、
少なくないのでは、、、と思います。
ちなみに私の場合、
・完全にアウトな分野は、通常速度(統計分析とか・・・)
・ちょっと難しそうなものの場合、1.25倍
・割とわかるものは、1.5倍
にすることが比較的多いです。
■日頃お忙しい日々をお過ごしの皆さまも、きっと
”より効率的に知りたい、学びたい”
と思うのは必然ではないかと思います。
それに関連して、上記でご紹介した論文では
では、以下のような研究を行いました。
(ここから)
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「映像コンテンツの高速提示による学習効果の分析」
<研究の目的>
・オンライン学習環境を想定した映像コンテンツの高速提示と
学習効果の関連性を明らかにすること
<研究の内容>
・1倍速,1.5倍速,2倍速の提示速度が
異なる映像コンテンツを3種類作成して、
大学生75名に提示した
(※作成した映像コンテンツは
高等学校における情報科の宣言的知識を扱ったものである)
<研究の結果>
・学習の前後に実施した理解度テストの得点から,
学習効果を検証したところ、理解度テストの分析結果から,
『提示速度の相違は,学習効果に影響を与えない』
ということが明らかになった
※参考:長濱 澄, 森田 裕介(2017)「映像コンテンツの高速提示による学習効果の分析」より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)
、、、とのこと。
■面白いですね。
結果、動画コンテンツも、
「1倍~2倍の間で学習効果は変わらない」
ようです。
加えて興味深いのは、
学習者に「どのスピードが肯定的か」調査したところ、
・「1.5倍速が最も支持されている」のに対し,
・「2倍速はあまり肯定的に思われていない」
ことがわかったそうです。
(おそらくわかるけど、早すぎる、とかでしょうか)
■ここから言えることは
”1.5倍~2倍までの間で
肯定的な気持ちで、効率よく学べる
スウィートスポットがある”
とも思えそうで
倍速学習を活用した学びの可能性が
広がりそうです。
■さて、これらのことを
私(紀藤)自身も振り返って、
「たしかになあ」と実に納得しました。
一つ思うのが、
「早く見ようが、早く読もうが、
結局忘れていく」
のは間違いない、ということ。
(とほほ・・・)
おそらく、
学んだことを書き記して、
頭に汗を書きながらまとめたり、
実践しようとして、
ようやく
「記憶に一部とどまる程度」と
私は思っております。
■、、、とするならば、
1)(忘れることを前提で)シャワーのように学びを浴び続ける
2)インプットは高速にして、アウトプットに時間をかける
というスタンスを持ち、
倍速でインプット、倍速でアウトプット、
そんなルーチンを持ったほうが、
結果的に得られるものも多くなる
(ような気がする)
そんなことを思ったのでした。
■学びとは一夜にしてなされず、
地味なステップではあります。
私も論文を読もうとしては、なかなか進まず
脳が慣れないものではありますが、
この論文を見て、改めて
もっといっぱい学ばないとなあ、、、
と思った次第でございました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
すべてのものに励むには競うということが必要であって、
競うから励みが生ずるのである。
渋沢栄一(官僚・実業家/1840-1931)
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