今週の一冊『場をつくる ーチーム力を上げるリーダーの新しいカタチー』
(本日のお話 2546文字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
現在、朝の3時です。
長野県の野辺山というところにおりますが、
標高1345mと、日本で最も高いJRの駅とのこと。
気持ち、空気の薄さを感じなくもないです。
これから3時半に出発し、
朝5時からウルトラマラソンのスタートです。
制限時間は14時間。
夜19時までに戻って来ればOKです。
自分なりに目標タイムを立てているので
出来る限りのベストを尽くします。
が、なにせ久しぶりなので、どうなるか未知数。
いずれにせよ、楽しんできたいと思います!
一緒に走る友人も皆完走できるといいな、
と思います。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日はお勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
それでは参りましょう!
今週の一冊は
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『場をつくる ーチーム力を上げるリーダーの新しいカタチー』
広江 朋紀(著)
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です。
■先日大学院の授業で、
「組織開発の実践のヒントとして
とてもわかり易い本ですよ!」
と先生から紹介を頂いた本。
早速読んでみたところ、
その推薦の言葉通り、
”リーダーが現場でチームを作る上で、
理論と実践が凝縮されている良書”
と感じさせられた素敵な一冊でした。
■こういう事を言うと
大学院の先生に怒られそうですが(汗)
骨太の本などは、
非常に奥行きがあり学びも深い一方、
読むのに大変時間がかかり、
労力もかかります。。。
(だからこそ、学びになるのでしょうが)
ちょっと今週忙しかった(言い訳)
でも今週の一冊で本を紹介しないと・・・(言い訳)
などと思っている時に、
この一冊を紹介いただき、
そのポップな表紙と190ページという
読みやすそうなボリューム感に
引き寄せられたのが正直なところ。
■、、、なんて思いつつ、
手にとって拝読したところ、
「必要最小限の言葉、理論、比喩に絞り、
実践で役立つように凝縮されている(!)」
と感じ、なんと実用的な一冊だろうか、
と思い感銘を受けました。
そして、
「忙しく、実践をすることを
重視している現場の方のために
書かれた本なのだ」
と私は感じさせられました。
■と前置きが長くなってしまいましたが、
ではこの書籍、どのようなことが
書かれているのでしょうか?
曰く、
”リーダーとして
・チームの成果を最大限に高めるために必要な武器を
・「場をつくる」という新しい切り口を用いて
・理論と実践の両輪でわかりやすく伝えるために書いた本”
と説明されています。
(著書あとがきより)
■そして、なぜ
「場をつくる」に注目したかというと、
これまでは、
・「率先して、独りで率いるリーダー」
が求められていたかもしれない、
しかし、今は、
・「つながりを育て、共に走るリーダー」
こそが求められているのではないか、、、
そういった問いから始まっています。
しばしば言われるように、
先も見えず、移ろいやす行い変化する時代。
(VUCAの時代、なんて言われます)
答えが見えなければ
多様な人が混在して働き、一律のマネジメントも
当然通用しなくなっている今。
では、そんな中で、
メンバーそれぞれの個性を活かして、
その資源を最大化することでチームの成果を高めていくには
どうすればよいか?
■その答えが、
ファシリテーション型のリーダーシップのスタイル
すなわち、
『ファシリーダー(ファシリテーション×リーダー)』
ではないか、ということで、
この著書を執筆するに至ったようです。
真面目な言葉で言い換えれば、
「チームリーダー/マネジャーによる、
組織開発の実践書」
といって良いかと思います。
■と、言いつつ、
「確かにチームメンバーの個性や
多様性を活かすのはわかる、、、。
じゃあ、どうやるの?」
というののが、次に浮かぶ
疑問符であろうか思います。
Q、心理的安全な場を作るにはどうしたらよいか?
Q、そもそも、心理的安全性が高まると
どんないいことがあるのか?
Q,チームのミーティングで意見を上手に
”拡散”させるにはどうしたらよいのか?
Q、チームが”混沌”としたときに、
どのように対応したらよいのか?
Q,アイデアを拡散した後に、
どのように現実に落とし込むのか
Q,実現可能でやり遂げられるプランにするために
どんな工夫ができるのだろうか?
このような、問いについて
チームの場づくりから結果につなげる上で
必要なステップ、すなわち
1,チームの土台作りから(心理的安全性をつくる)
2,アイデア出しの段階から(拡散させる)
3,チームの対立や混沌を乗り越え(混沌を乗り越える)
4,アイデアを収束させ、現実へとつなげ(収束させる)
5、結果を出せるプランを作り、成果を出す(実装する)
で簡潔に、わかり易い言葉、
比喩で説明されています。
■重ねてとなりますが、まさに
「理論と実践の両輪で
わかりやすく説明する」
ことを貫かれていると感じます。
■<理論>があるので、説得力もあります。
なぜそれをやるのかが、明確にわかります。
、、、かといって、理論の説明も冗長ではなく、
端的に理論のポイントだけ絞っています。
一方、理論だけでは具体的に
現実のチームで何を、どのようなステップで、
どれくらい時間をかけてやればよいのかわかりません。
そこで、<実践>が紹介されています。
著者の方の実践家としての経験から
”極めて具体的な実践方法”が紹介されます。
(個人的にはここが本書の一番の魅力である、と感じます)
■上記のチームづくりの流れに沿って
『14の実践手法』
が紹介されており、
それがやってみたいな、と思わせられるものでした。
詳しくは本書を
ご参照いただければと思いますが、
例えば、各所要時間50分のワークとして
以下のようなものが紹介されています。
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<14の場づくりの実践(一部)>
◯実践)メンバーのタイプ(価値観)診断
◯実践)「全員日報」で組織の透明性を高める
◯実践)視点を変え、発想の枠を広げる「リフレーミング・ビュー」
◯実践)社長からの「で、どうなってんの?」クエッション
◯実践)効果的な対話のための4つの話し方と聞き方
◯実践)「7レイヤーズコンセンサス」で全員の声を扱う
**
などなど。
■著書の最後に、
「研修などで学んだことは
10%しか実践されない」
というこの界隈では
現実的な話を紹介すると同時に、
「1つでよいからやってみてほしい。
変化を感じるはず」
という著者の方の真っ直ぐな思いも
ぶつけられており、私は誠実さが伝わってきました。
■こういった実践知は、
自分で生み出すのは極めて難しいものです。
かつ、なかなか外にも共有されない知見です。
それらのネタを手に入れるという意味でも、
現場でチームづくりを考えるリーダーや
管理職の方にぜひお勧めしたい一冊です。
よろしければ、ぜひ。
とても活用しやすい一冊だな、と思いました。
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<今週の一冊>
『場をつくる ーチーム力を上げるリーダーの新しいカタチー』
広江 朋紀(著)
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