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3017号 2022年5月26日

リアル会食が減って、何を話せばいいかわからなくなった話/「非明示的な学習資源」を考える

(本日のお話 2154文字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。

また夜は、お世話になっている会社の
社長、取締役との会食でした。

改めて繋がりの大切さを感じた1日であり、
ご縁を頂いたことは全力でやろう!
と気持ちを新たにした時間でした。

料理も美味しかったです。



さて、本日のお話です。

先日の会食を通じて思ったことが、

「リアルで会った際に情報量、
そして学びの多さ」

でした。

上記は会食ですが
最近では友人の成長著しい企業においても

「週3日は出社することを推奨。
人と会わなければイノベーションが生まれない」

とCEOが語り、皆が出社モードに
なっているという話も聞きました。

ということで今日は、

”リアルで得られることの価値”

について、会食と職場学習を(若干強引に)紐づけて、
考えてみたいと思います。

それでは参りましょう!

タイトルは、

【リアル会食が減って、何を話せばいいかわからなくなった話
ー「非明示的な学習資源」を考えるー】

それでは、どうぞ。

■(あれ、食事するときって、
何話していたんだっけ、、、)

昨日、会食に行く前のタクシーを待っている時間に
そんなことが頭によぎりました。



別に、すごく構えているわけではありません。
気持ちはリラックスしているし、
お食事もとても楽しみです。

■でも、前はもっと、

「こんな話したいな」
「あんな話を共有したいな」
とネタが自然と頭の中に、
あったような気がしていました。

■その理由を考えた時、
なんとなく思いました。

「あ、そうか、これはもしかすると
リモートでほぼ完結していることの
弊害なのかもしれない」

、、と。
(あくまで予想です)

■私(紀藤)の場合ですが、

コロナ禍前はこんなパターンで
お食事をし、人と話をしていたように思います。

・誰かとお食事にいく、話をする

・何気ない会話の中でネタを仕入れる

・その他者の面白い話を共有し話が盛り上がる

・そこから偶発的に話が広がり、
また違う情報が手に入る

、、、そんな風に、

”リアルでお会いすることで生まれる
何気ない会話”

の中で生まれる、

情報を直接話しをするだけでなく、
誰かと誰かが話しをしているのを聞いたりして、

スポーツ、趣味、トレンド、
最近の気になること、健康、仕事、
価値観やこだわり

などの情報をたくさん得て、
誰かのことを理解したり、
自分の視点が広がっている、

そして、、自分の新たなネタにつながっている、と
思ったのでした。

■久しぶりの会食で、

(あれ、普段何を話してたんだっけ?)

と思ったのは、

おそらく自分が自宅にこもって、

仕事する、走る
趣味でピアノ触る
大学院関連で本を読む

と同じルーティンをしており、
それは「広げる」より「深ぼる」行為なので、
それ以外の情報が入っていない状況が続いていたのだろう。

それが悪いわけではないけど、

情報を広く知る、という観点では
学習する機会が減っていた、という視点も
あったのではないか、

と思ったおいうお話。

■さて、このお話から一つ、
思い出した言葉があります。

それがm

『非明示的な学習資源』

というものです。

話がちょっと飛ぶようですが、

中原淳先生の『経営学習論』において
「職場における学習」について、
このようなことが書かれています。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「僕は電話で学んだ。

となりで、先輩が仕事の電話する。
誰と、どんな会話しているかなって。

先輩、あの一件、どうやって、話、つけんのかな、みたいな。
耳、ダンボみたいにしてね。

今は、問題解決が見えない」

これらの語りにおいて、マネジャーは自己の若い頃を振り返り、
先輩の電話対応を聞くことから学習機会を得ていたことを吐露している。

喧騒に塗れる職場においては、非明示的な学習資源
ーここでは、耳をそばだてて先輩の仕事のやり方を覚えることー
が存在していた。

先輩が他者と実際の仕事でどのようにインタラクションしているかは、
「耳をダンボ」にしさえすれば、誰もがアクセスできる学習資源であった。

※中原淳(2021)『経営学習論 増補新装版ー人材育成を科学する』.東京大学出版会 P30-31

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

とのこと。

■ここでお伝えしたいのは、

「リアルな職場には、学習資源が落ちている」

ということです。

皆さまもご経験があるかと思いますが、

・誰かと誰かが話しているのを聞いて学ぶ

・用件以外の何気ない行動や発言から
情報を収集する

こういったことは、
”非明示的な学習資源”と表現された、

「確かにあるんだけど、
なんとも説明できない何かしらの学び」

が自分にじんわりと影響を与えているわけです。

これはIT化によって現れ始め、
そして近年の「リモート化」で更に顕著になった
といえるかと思います。

■そして話をつなげてみると

「リアル会食で得られること」も
「職場で得られる非明示的な学習資源」

も近しい構造があるのでは、と思いました。

・リモートで仕事する、
・打ち合わせをする、
・情報交換をする、

、、、以上。

となると、

”リアルな場に落ちている学習資源”
(=何気ない対話からえられる情報)

にアクセスできなくなり
それが自分の視野を狭くしてしまうこともあります。

それは「会食」という
色々情報が飛び交う中で得られる情報、
学びとも近しい構造があったのでは

と思ったのでした。

■、、、と職場学習と会食を
(ちょっと無理やりですが)連想し、
紐づけてみた、の巻でした。

ただ、明確に伝えられない、
でも確かに存在している、

『非明示的な学習資源』

を理解しているか、していないかによって、
短期的な効率だけを追い求めるのではない
より望ましい働き方も考えることができるようにもなる、

と感じます。

リアルな場との使い分け、
より上手になっていきたいものです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

本を読め、人と会え、街を歩け。

藤田田(日本マクドナルド創業者/1926-2004)

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