「自己効力感」を紐解こう ~「自分はできる!」と思えるための10の要因~
(本日のお話 2155文字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は4件のアポイント。
また5キロのランニング。
夜は、大学院の先生との個別面談。
プロジェクトも順調そうな様子とのことで
少しだけ安心いたしました。
*
さて、本日のお話です。
現在、大学院のプロジェクトを
進めるに当たって、
『自己効力感』
というキーワードに注目しています。
この言葉は
その文字から想像できるように、
新しい挑戦を含めて、
私たちの仕事や人生に対して
ポジティブな成果を生むための、
とても大切な概念である、と思っております。
、、、ということで、
本日はこのお話について
皆様に学びをご共有させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【「自己効力感」を紐解こう ~「自分はできる!」と思えるための10の要因~】
それでは、どうぞ。
■自己効力感。
その言葉の定義は、
”ある行動を自分は遂行することができると
自分の可能性を認識していること”
(Bandura,1997)
とのこと。
つまり、
”自己効力感=
「自分はできる!」と思えること”
と(ちょっと乱暴ですが)
シンプルに言い換えても、
さほどズレてはいないのでは、
と思います。
■そして、自己効力感が高いと、
色々な(ポジティブな)結果につながることが
わかっています。
例えば、
・課題の達成率高くなる
・目標達成に向けた努力をする
・似たような状況がきたら、再度達成できる
・似たような状況での、不安や恐れが弱くなる
など。
仕事などでは顕著ですが、
何か物事がやってきた時に、
自己効力感が低い
→不安や恐れ
→やっても(達成できないから)無駄だろう
→だから頑張らない
となるよりも、
自己効力感が高い
→不安や恐れはあまりあい
→やったらきっとできるだろう
→努力しよう
となったほうが、
おそらく自分にとっても
周りにとっても、望ましい結果に
近づくのではなかろうか、
という気もします。
■多分ですが、上記に関して
「自己効力感が高いこと」に関する
デメリットはさほどないのだろうと思います。
しかしながら、
「じゃあ、どうやったら
自己効力感を高めることができるのか?」
このことが最も気になるのでは、
と思うわけです。
そこで、論文、
江本リナ(2000).自己効力感の概念分析
にて、
『自己効力感に影響を与えるもの(先行要因)』
を整理して掲示されており、
とてもわかりやすく、
また行動にも繋げやすい、
役立つものに感じました。
ということで、
論文を参考にさせていただきつつ
以下ご紹介いたします。
(ここから)
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<自己効力感の先行要因>
~「自分はできる!」と思えるための10の要因~
1)「制御体験」からの情報
:自分の行動で得た情報
(例:やってみたらできた!)
2)「代理経験」からの情報
:他者の成功や失敗を見て得られる情報
(例:Aさんがこうやったらうまくいった。自分もできるかも)
3)「言語説得」からの情報
:言葉による説得によって得られる情報
(例:「キミなら絶対できる!うん、間違いない!」と言われてできる気がした)
4)「生理的換気」の情報
:身体的な刺激、感情、気分で得られる情報
(例:酔って感情が高まって、「やれる気がする」「明日やる!」)
(上記1~4 Bandura,1997)
5)行動に対する意味付け
:何のために行うかという意味に価値を置いているほど
自己効力感は高く、行動をとる率が高い
(藤生,1991、蓑内,1993)
6)達成するための方略
:課題を達成するための方略を知っていて、
それを活用できることが自己効力感を高める
(伊藤,1996)
7)物事の原因は何かを示す原因の帰属
:自分の成功や失敗を自分の能力の結果と考えるほうが、
努力の結果と考えるより自己効力は高く保たれる
(Schunk,1983)
8)ソーシャルサポート
:活用できるサポートを多く認識しているほど、
自己効力感が高められる
(Major,Cozaarelli,Sciacchitano et al.,1990)
9)認知能力
:自己効力感には、過去や未来という時間を自分と関係づけること、
自分自身を振り返る反省という能力を必要とする
10)健康状態
:身体的な衰えが自己効力感を低下させる要因になるなど、
健康状態の良し悪しが自己効力感に影響を及ぼす
(Conn,1998)
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(ここまで)
■さて、いかがでしょうか。
見てみると、実に興味深いですね。
自己効力感を高めるために、
まだまだ色々なことができそうな気がしてきます。
たとえば、
・どうやったらできるのか、
先輩や師匠に教えを乞う(=達成するための方略)
・何のためにこのプロジェクトをしているのか、
その理由を書き出しみる(=行動に対する意味付け)
・何か課題に取り組む時に、
サポートしてくれる仲間などを集める
ビザスクなどのスキルマッチングサービスもよいかも(=ソーシャルサポート)
・身体を鍛えて、健康な状態を保つ
などを行うことで、
「自分はできる!」という気持ちを
自ら養うこともできそうですし、
部下や後輩に対して、
自己効力感を意図的に高めることも
できるのではなかろうか、
と感じます。
■「自分はできないし」と
箱に閉じこもりたくなる気持ちも
一方わかるものです。
ですが、
「どうすれば自己効力感を
高められるか?」
についてある程度理解しておけば、
これらを活用することもできる
そんなことを思う次第です。
まさに、このメルマガ内容自体が
自己効力感を高める先行要因の
「6)達成のための方略」ともいえるかも(と願いたい)
です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
できると思えばできる、出来ないと思えばできない。
これは、ゆるぎない絶対的な法則である。
パブロ・ピカソ(スペインの芸術家/1881-1973)
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