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3036号 2022年6月14日

「未来の自分」に助言を求める ージェフ・ベゾスの回顧録よりー

(本日のお話 2352文字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は1件の個別コーチング。
その他1件のアポイント。

その他研修プログラムの開発と、
夜は10キロのランニング。

忙しいと言いつつ走る時間は取れるので、
結局は決めの問題なのだろうな、、、

と思うこの頃でございます。



さて、本日のお話です。

今月号のハーバード・ビジネス・レビューが
今流行の「パーパス経営」がテーマとのことで
パラパラとめくっておりました。

その中で、
パーパスとは違うテーマですが(違うんかい)

『偉大なイノベーターは負の感情といかに向き合ってきたのか』
シリル・ブーケ、シャン=ルイ・バルスー

という論文の内容が興味深いものでかつ、
そうだよな、、、と納得するものでもありました。

今日はそのお話の内容と学びと気づきを
皆様にご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは

【「未来の自分」に助言を求める ージェフ・ベゾスの回顧録よりー】

それでは、どうぞ。

■「新たな挑戦」には、
不安や迷いが付き物です。

「失敗したらどうしよう、、、」
「後悔するような結果になったらイヤだ、、、」

こういった思いが多くの人の胸中に
自然に発生することは想像に難くありません。



そして、世のイノベーターたち、

ジェフ・ベゾス、
ビル・ゲイツ
イーロン・マスク、

これらの失敗やリスクも
ものともしないような印象を持つ人々でも

起こりうる”心理的なつまづき(負の感情)”はあるものとし、
それらにどのように対処をすればよいのか、
そんなことを論じていたのが、

『偉大なイノベーターは負の感情といかに向き合ってきたのか』
シリル・ブーケ、シャン=ルイ・バルスー

の論文です。

■内容としては、

・数百人のイノベーターを対象に
インタビュー調査を行った

・対象者には成功したイノベーター、失敗したイノベーター
両者が含まれている。

・結果、多くのイノベーターは
「心理的なつまづき」を正しく認識できず、
苦慮していることがわかった

というお話。

■色々書かれていたのですが
「イノベーターの心理的つまづき」には、
どのようなものがあるかというと

・過剰な創造性により、好奇心と探求が暴走して、
本来の目的を見失ってしまう

・アイデアを生み出すことができても、
実行段階では自分の能力が役に立たなくなる

・自身のイノベーティブなアイデアが、
既存の経営幹部の信念と激突する
(=そして冷ややかな目で否定されて終了する)

など、イノベーターならでは
才能あふれるがゆえの「つまづき」が分析されていました。

■へー、なるほど、

「過剰な創造性で目的を見失う」

とか、面白いなあ、、、、
そんな体験してみたいものだなあ、

とちょっと羨ましくも見ていたのですが、

その中でひときわ興味深いと感じ、
かつ私のような一般人(?)でも
適用できそうと思えたテーマがありました。

■それが、こんな内容となります。

以下、本文から引用させていただきます。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<「未来の自分」に助言を求める>

人は本能的に、起こりうるネガティブな結果を
誇張して考えることによって、
リスクのある選択を避ける傾向がある。

特に強力な拡大鏡となるのが
いわゆる「将来の後悔」だ。

みずからベンチャーを立ち上げても、うまくいかなければ、
自己批判にさいなまれるだろと想像する。
そうした感情に陥りたくないという思いから、保守的になる。

しかし、こうした傾向に抗うことは可能だ。
自身の取り組みが失敗に終わった場合に
生じうる痛みに目を向けるのではなく、

安全策を取ってアイデアを棚上げにした場合、
何年後かに自分がどう感じるかを想像してみるのだ。



(ジェフ・ベゾスがヘッジファンドのD・E・ショウに勤めていた際に
オンラインで書籍を販売するアイデアについて思いついた時)

ベゾスは数日悩んだ後、
自分の決断を別の枠組みから捉える方法を見出した。

年老いてから自分の人生を振り返る姿を思い描き、
「この会社を辞めたことを自分は後悔するだろうか」
と自身に問いかけたのである。

「私が考えたのは、自分が80歳になった時、
そんなことは考えないだろうし、
覚えてもいないだろうということでした。

しかし自分にはアイデアがあり、それを試してみなければ、
間違いなく後悔するということはわかっていました。

そのように考えてみるとすぐに、
やってみなければいけないという気持ちになりました」

※引用:ハーバード・ビジネス・レビュー 2022年6月号
『偉大なイノベーターは負の感情といかに向き合ってきたのか』
シリル・ブーケ、シャン=ルイ・バルスー P112-113

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

とのこと。

「これやったらいいんじゃないか?!」
と思ったときの、

「アイデアを実行に移す際の不安に
どのように対処するのかの心構え」

について、未来の自分に聞いてみよ、というわけです。

■これを見て思ったのは、

まず、もちろん物事の規模や、
社会的な影響力の大小に差はありこそすれ、

「何かをやってみようと思うときの不安な感情
というのは、誰もが共通している」

ということ。

そして2つ目が、
やるかやらないか判断する一つの基準が

【「未来の自分」に助言を求めるべし】

というのは、納得感があり同時に、
使い勝手が良いものだな、と感じたのでした。

■自己実現をするとか、
アイデアで世を変えるというのは、

ある意味一つの価値基準にすぎませんので、
すべての人がそうする必要があるとは思いません。

しかし、誰もの人生はなんだかんだ続いていくもので、
そこには納得感があったほうが、幸福には繋がりやすいのでは、
と思います。

その時に、もし自分の胸中に

「この選択を選ばなかったとしたら
自分は後悔するだろうか?」

という思いがあるのだとしたら、

その思いは大切にすることが、
長期的に自分にとって最適な答えなるのかも、
と私は感じました。

■私の好きな本『7つの習慣』で、

”自分のお葬式を思い浮かべて、
大切な人になんと言われたいか想像する”

というものが
「第2の習慣 終わりを思い描くことから始める」
で書かれています。

シンプルですが、それに通ずるものがあるな、と感じますし、
大事な問いだな、と改めて思います。

やってみた後悔とやらない後悔を比較しつつ、
長い目で後悔がないような選択をしていきたい、

そんなことを思った次第。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

人生のあらゆる活動について効率的であるための秘密は、
最大限に活動しながら、最大限にリラックスするということです。

オルダス・ハクスリー(イギリスの小説家/1894-1963)
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