今週の一冊『テレワーク時代のマネジメントの教科書――見えない部下をどう管理するのか?』
(本日のお話 1545文字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は終日、
IT企業のミドル社員の皆様への
半年間に亘るリーダーシップ研修の初日でした。。
対面でしたので、情報量も多く
なかなか疲労度もありましたが、
これからが大変楽しみです。
気持ちがぐっと引き締まった1日でした。
またその後は8キロのランニングと、
大学院の打ち合わせでした。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日はオススメの一冊をご紹介させていただく
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『テレワーク時代のマネジメントの教科書――見えない部下をどう管理するのか?』
髙橋豊(著)
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でございます。
■リモートワークが受け入れられて
もうしばらく経ちますが、
今なお、リモート下における
マネジメントの難しさは、
しばしば話題に上がってくる、
と感じております
■例えば
「テレワークが始まって、部下が辞めてしまった。
突然過ぎて、何が問題かわからない」
とか
「テレワークが始まって、
誰からもコンタクトがなくなった。
業務がちゃんと進んでいるか、心配でならない」
とか
「直感型なので、部下の顔色を見て
仕事をふったり、ペアを組ませていたが、
空気感がわからなくなって、どう采配すればよいか
わからなくなった」
とか
「指示が部下に伝わらず、
成果物の方向性がズレて手直しが多くなった」
などなど、、、。
■対面orテレワーク、
それぞれの違いがあることは
何となく理解はできているものの
その特徴と、それらの使い方を
明確に言語化して理解することは
まだまだ難しい、、、
というのが存在しているのでは
ないでしょうか。
■そんな中でこちらの本は、
パーソル総合研究所による
”新型コロナウイルス下の
テレワークの状況に関する大規模調査(全6回)”
のデータを元に、
・テレワークではどのような課題が起こるのか?
・特にどの点に上司・部下共に
不安を感じているのか?
・あるいはどの点に可能性を
感じているのだろうか?
等を、
「データを元に明らかにする」
ことを行っており、
たいへん説得力がある内容です。
(※ちなみにこちらの書籍は
「2021年3月」の内容です。
それから1年以上経ち
”リモートへの慣れ”や出社率の増加などで、
環境変化で違いも出てきていますが、
参考になる部分は多分にあるかと思います)
■内容としては、
是非本書を見ていただければと思いますが、
例えば以下のようなお話が
述べられています。
**
<テレワークの現状>
・業種によるテレワークの実施率の違い
(言われてみれば当たり前ですが、美容師は0%など)
・テレワークを続けたい人の割合は約80%
(家事、育児、介護との両立がし易い、など)
<テレワーク中の部下の悩み>
・1位:非対面のやりとりは相手の気持ちがわかりにくく不安
(コミュニケーション不安)
・2位:上司から公平・公正に評価してもらえるか不安(評価不安)
・3位:上司や同僚から仕事をさぼっていると思われていないか不安(評価不安)
(※ただし、テレワークが続くに従って不安は軽減傾向)
<テレワーク中の上司の悩み>
・1位:業務の進捗がわかりにくく不安に思う(管理不安)
・2位:非対面のやりとりは相手の気持ちが察しにくく不安
(コミュニケーション不安・懸念)
・3位:相談しにくいと思われることがある
(コミュニケーション不安・懸念)
<その他>
・テレワーカーの不安感・孤独感は
「転職意向」に直結する
・特に、出社組とテレワーク組が混在する場合(まだらテレワーク)、
テレワーク組の不安が更に増大する
・「上司や組織がテレワークをどう捉えているか」で
”生産性”が大きく影響を受ける
・「経営理念の浸透」があると、
テレワーカーの組織コミットメントは高まる
**
などが明らかにされていました。
■またそれらの情報を受けて、
実際にどのように
マネジメントすればよいのかについて
丁寧に書かれています。
例えば、
・テレワークにおいて
マネジメントを成功させるための3つのポイントとは?
・テレワーク下の上司に
必要になる力とはなにか?
・テレワークでチーム・ビルディングをするには?
・ICTツールをどのように使いこなすか?
・仕事のアサインや業務管理、
タイムマネジメント、労務管理はどうする?
・新人育成はどうする?
・目標管理や人事評価は?
などの項目で、非常に網羅的に
説明をいただいています。。
■これらの内容を通してみて、
率直に思ったことは、
「全部テレワークに限定しない話である」
(対面でも同じ!)
ということでした。
確かに顔が見えなくなって
細かい工夫は考慮する必要があります。
ただ、前提は、
・部下の状況を理解しようとする観察力、
・仕事の目標を明確にし、期待を伝える言語化力
・自らが固定観念にとらわれない、学び続ける力
などが基礎となっており、
それらのものがあってこその、
テレワーク下のでのマネジメントの成功にも繋がるのだろう、
そんな至極当然と思われる結論に
予想通りではありますが、
改めて感じたのでした。
■、、、とはいえ、
個別具体的な事例や工夫が
豊富に載っており、
参考にできそうなことがたくさん
掲載されています。
ゆえに、テレワークと対面、
それらのバランスを模索していらっしゃる方には
きっと参考になることが
たくさんあるのではないだろうか、
と思います。
以下、書籍の紹介です。
(ここから)
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リモートワークの導入で、
マネジャーが行うマネジメント業務は、さらに難しいものになっています。
元々すべきことが増え、使える時間は減り、慣れたやり方からの脱却が求められる中、
リモートへの移行により、マネジャーへの期待と負荷はさらに高まっているのです。
そこで本書は、マネジャーが行う社内のマネジメント、
主としてメンバーマネジメントに焦点を当てています。
本書のメッセージは、
「リモートワークがもたらしたメンバーの変化を知ることで、
リモートマネジメントのポイントを知ることができる」
「リモートのマネジメントを実践することで、
対面でのマネジメントも進化できる」
ということです。
そんな、現実的で具体的なマネジメントの未来を本書では解説していきます。
※Amazon本の紹介より引用
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(ここまで)
とても勉強になった一冊でございました。
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<今週の一冊>
『テレワーク時代のマネジメントの教科書――見えない部下をどう管理するのか?』
髙橋豊(著)
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