「私はコレで上手くいきました」で学びは深まる ~サクセスケース・メソッドの活用法~
(本日のお話 2034字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日はコーチング研修のe-learning化とのことで、
終日プログラム開発。
その他1件のミーティング。
また夜は10キロのランニング。
夜でも汗が尋常じゃないです(汗)
今年は暑い!
*
さて、本日のお話です。
先日、とある研修を
企業様で実施させていただいたのですが、
その際のアンケートコメントで
「ベストプラクティスが役に立った」
というコメントが含まれておりました。
ん?それは自分が関わった研修ではなく
その後のコーナーだぞ・・・
と、ちょっと切なく思った一方、
「とはいえ、確かに「身近な他者の成功事例」ほど、
役に立つものはないよな」
とも思っておりました。
*
今日はそのお話から転じて、
”研修評価の『サクセスケース・メソッド』”
について、私の体験談も含めて
ご紹介させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【「私はコレで上手くいきました」で学びは深まる ~サクセスケース・メソッドの活用法~】
それでは、どうぞ。
■1年前に関わらせていただいた
あるマネジャーの皆様に行った
「コーチング研修」のアドバンスコース。
”コーチングのフォローセッション”
(e-ラーニングバージョン)
とのことで、動画撮影に向けて、
準備をしております。
■コンテンツ内容としては、
・リモートと対面の違い、
・リモート下でのコーチングのポイント
などを盛り込んで作成をしているのですが、
その中でも
・実際に現場で活用している
マネジャーのインタビュー
が編集をしていて、1番面白いな、、、
と感じているのでした。
■内容としては、
コーチング研修の内容を活用し、成果が出た
という方から、10名ほど聞かせていただき、
さらにその中から数名撮影の協力をいただき、
そしてそれを編集して皆さまにお届けする、
というもの。
シンプルな話ですが
やっぱり組織によって、文脈が違っています。
”コーチング”というツールを
一様にお渡ししたとしても、
・どんな風に言い換えて使うか、とか
・どの部分を切り取って使うのか、とか
・どんな場面で最も活きてくるのか、
などは組織によって違ってきます。
■ふと思い出すと、その昔、
「私は◯◯で会社をやめました」みたいな
禁煙パイポのCMが流行った(?)気がしますが、
『私は◯◯でこうなりました』
系の話、それが身近な誰かであるほど
説得力があり、興味がそそられて、
そして学びになるものだよな、
と思うわけです。
■そんな
『私はコレでうまくいきました』
(=研修内容を活用して、結果が出た)
という人に話を聞き、
それらを今後の研修に活用する手法のことを、
【サクセスケース・メソッド】
(成功事例手法)
と呼びます。
■これは、
研修評価研究で有名な、
ロバート・ブリンカーホフ氏によって
2002年に提唱されました。
ポイントは、
”全員への一般化をあきらめ、
「サクセスケース(成功事例)」に着目して、
伸びる人を伸ばす、伸びる環境を利用する”
というスタンスを取っているところ。
現在、評価研究の中で
急速受け入れられている考え、
とされています。
※参考:中原 淳、関根 雅泰、島村 公俊、林 博之(2022)
『研修開発入門 「研修評価」の教科書――「数字」と「物語」で経営・現場を変える』.ダイヤモンド社 P114
■サクセスケースメソッドのステップとしては、
STEP1,「研修後の実践度合い」を定量的に数字で把握し
STEP2,「実践内容」を定性的にインタビューする
ことを行います。
私の上記の例も、
・研修内容を活用して、成果につながった人
のという条件を満たした人に声をおかけした、
とお伝えしました。
そして、その対象者の方に、
今度は定性的にインタビューをするのです。
質問内容は以下の4つです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<サクセスケース・メソッドの質問>
Q1、(研修で学んだことの中で)何を使われましたか?
Q2,(それを行ったことで)どんな結果になりましたか?
Q3,(研修内容を活用する際に)何が手助けになったのか?
Q4,(参加者や教育スタッフに)助言はありますか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■これを行うことで、
研修の評価を行うとともに、
『私はコレで上手くいきました事例(サクセスケース)』
をリアルに集めることができて、
その研修の評価を行うとともに、
横展開し、活用することもできます。
■ちょっと話を大きくしてしまいますが、
人づくり・組織づくりというのは、
研修当日だけ、最大風速で何かをするものではない、
とよくよく思います。
年単位で繰り返し繰り返し、
コツコツと積み重ねていき、
影響を与えていくものである、と思いますし、
そのためには「やりっぱなし」ではなく、
どんな影響があったのか、を見定める必要があります。
何か1つの施策をやっても、
影響を与えられるところは
ごく一部かも知れません。
しかし、それでもその行ったことが
どのようなインパクトをもたらし、
そして他の参加者にも使えるものに
なり得たか、なり得なかったかを見て、発信することは
人・組織づくりに必須のことだろう、
と改めて思った次第。
■ベストプラクティスの発表の
インパクトを言及されていた方のお話、
コーチングの活用成功事例の
インタビューから
『サクセスケース』の大切さに
改めて思い馳せた次第でございます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
成功が上がりでもなければ、失敗が終わりでもない。
肝心なのは、続ける勇気である。
ウィンストン・チャーチル(イギリスの政治家・作家/1874-1965)
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