今週の一冊『絶対悲観主義』
(本日のお話 2554字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
夏真っ盛りですね。
昨日土曜日は家族でお出かけ。
東京ドームシティの「アソボーノ」なる子供と遊べる場所にいきましたが、
なかなか楽しい時間でございました。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日はお勧めの一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『絶対悲観主義』
楠木建(著)
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でございます。
■絶対悲観主義。
このたった6文字なのに、
なんとも言えない力を感じます。
この本の帯には、こうあります。
「心配するな。
きっとうまくいかないから」
、、、。
残念な言葉なのになぜか、
ちょっとホッとする。
それは、ポジティブに頑張ろうとするけれども、
心の何処かでちょっと疲れている時もある、
そんな普通で一生懸命な方にとって、
「それでいいんだよ」という承認と、
癒やしにも見えるからかもしれません。
■さて、著者の楠木建さんといえば、
『ストーリーとしての競争戦略』
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/9202/
がベストセラーとなったことで
知られている方です。
(すごい名著です)
また競争戦略の第一人者として、
一橋大学イノベーション研究センター助教授として、
また様々な企業の戦略における
顧問としても活躍されている方。
そんな方が、言葉を巧みに操り
非常にユーモラスかつ、説得力を持って
『絶対悲観主義』
の素晴らしさを語られています。
フツーの人が幸せに頑張るために、
大切な心構えを教えてくれているようで、
私はこの考えの虜になってしまいました。
■ではこの『絶対悲観主義』。
どんな内容かというと、
以下のようなお話となります。
著書より、まとめてみました。
(ここから)
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<絶対悲観主義とは>
◯「絶対悲観主義」の背景
・全力を出して100%やるのは大変である。
フツーの人は、勝ち負けにこだわれず、
モチベーションもわかず、頑張りが効かないこともあるよね。
・しかし著者は思う。
『007』のジェームズボンドのように余裕綽々な姿はカッコいい。
なぜ余裕綽々かというと、「8割の力でタスクを遂行できるから」。
・じゃあ、我々も「8割の力」でやれば、余裕綽々感は出る。
健康にもイイ。しかし残念なのは、私たちはジェームズボンドではないので、
タスクを完了させられない(=客観的に見れば手を抜いているだけとなる汗)
・じゃあ、どうすればよいのか。
フツーの人が日々幸福感を持ちながら、
”実用的な仕事の哲学”としてどんな考えを持てばよいのか。
ここで、『絶対悲観主義』にたどり着いた。
◯「絶対悲観主義」の考え方
・「自分のような大甘の凡人にとっては
うまくいくことなんてほとんどないのが当たり前」という前提に立つ。
・特に仕事は「お客」がいるので、
”絶対に”、自分の思い通りにならないと割り切ること。
・ポイントはただの悲観主義ではなく「絶対」とつくところ。
仕事の種類は性質、状況に関わらず、
あらゆることについてうまくいかない前提を持つ。
・具体的にはこんな感じ。
思考「まあ、うまくいかないだろうな」↓
行動「ま、ちょっとやってみるか・・・」
◯絶対悲観主義の理想のパターン
1,事前にうまくいくと思っていて、やってみたらうまくいった
2,事前にうまくいかないと思っていて、やってみたらうまくいった
3,事前にうまくいくと思っていて、やってみたらうまくいかなかった
4,事前にうまくいかないとおもっていて、やってみたらやっぱりうまくいかなかった
・理想の順番は「2」。
事前にうまくいかないと思ったが、やったら意外とうまくいった。
最悪なのは「3」。
事前にうまくいくと思っていたのに、うまくいかなかった。
・こういう前提で捉えておくと、うまくいったときに大変気分がイイ。
幸福度もとても高い。失敗しても別に落ち込まない。
※楠木建(2022)『絶対悲観主義』.講談社出版、P12-14より一部抜粋
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(ここまで)
■さて、いかがでしょうか。
非常に面白いです。
実に合理的だし、
かつ幸福度は高そうです。
この「絶対悲観主義」を持っていたら、
新しいチャレンジにも手を付けやすいようにも思われます。
自分は非凡である
→うまくいかない
→自信をなくす
という凹み方よりも、
自分は大甘の凡人である
→でも、やってみるか・・・
→あれ、うまくいった。嬉しい
というスタンスを貫いたほうが
常に謙虚に、チャレンジし続けられそうです。
■この話を見て、思い出すことがありました。
それは昔、「飛び込み営業100件」を
やっていた頃の話。
その時のスタンスは
「どうせまた断られるだろうな」
「でもやるだけやってみるか」
でした。
飛び込み自体は大変でしたが
確かに、アポイントが取れた時、
あるいは優しい対応をしてもらえた時、
極めて嬉しかったことを覚えています。
■しかし、年を経ると、
人はどこか驕ってしまうようです。
別に何がすごくなったわけではないですが、
自分にちょっとした自信がついてくると、
たまたま人に恵まれただけだったり
運が良かっただけなのに、
下手に調子に乗ってしまうことも確かにあるな、、、
と振り返り思います。
そうやって、凡人が非凡のふりをして
「うまくいかない」と悲しい気持ちになるのは、
エネルギーの無駄遣いのようにすら思えます。
■と、いうように、
一つの思考方法(絶対悲観主義)を持つと
日々の幸福感を高めて、
自分の背中を押してくれる可能性があります。
そんな「絶対悲観主義」に立った様々な発想法を
著者の楠木建さんの視点から、
独自のユーモラスな語り口で、
「こんな考え方はどうでしょうか?」
と提案してくれる一冊です。
項目としては以下のように幅広く触れています。
きっと参考になる考え方が見つかるのではないでしょうか。
<目次>
第1章 絶対悲観主義
第2章 幸福の条件とは
第3章 健康と平和
第4章 お金と時間
第5章 自己認識
第6章 チーム力
第7章 友達
第8章 オーラの正体
第9章 「なり」と「ふり」
第10章 リモートワーク
第11章 失敗
第12章 痺れる名言
第13章 発表
最後に、以下著書より本の紹介文です。
(ここから)
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みなさん、がんばりすぎていませんか?
そんなに心配することはありません。
なぜなら、そもそも仕事で自分の思い通りになることは、ほとんどないから。
この元も子もない「真実」を直視して、
成功の呪縛からもっと自由になろう。
そうすれば目の前の仕事に対し、
もっと気楽に、淡々と取り組むことができる。
絶対主義者の著者が実践してきた
「普通の人のための」思考のストレッチ。
※Amazon本の紹介より
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(ここまで)
納得するとともに、
癒やされた一冊でした。
これからもたまに、見返したいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<今週の一冊>
『絶対悲観主義』
楠木建(著)
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