今週の一冊『リーダーシップの理論』
(本日のお話 2256字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日は大学院の授業。
「リーダーシップの理論」を学んでおりました。
改めて掘り下げることで
色々な種類のリーダーシップの考え方と、
それぞれの強みと限界を整理することができて、
盲目的にならず、適切な距離を起きつつ、
建設的に使えるようなイメージが湧いています。
楽しく、充実した知的な週末です。
実にありがたい限り。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日はお勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『リーダーシップの理論』
石川 淳(著)
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です。
まさに今回、大学院の授業で学んでいる
バイブル的な本です。
それでは、早速参りましょう。
■「リーダーシップ」。
この言葉は誰にとっても、
なにかしら印象を持つ言葉ではないか、
と思います。
例えば、
・今まさに管理職として チームをマネジメントしている。
・学生時代、部活やサークルで部長をやっていた。
・アルバイトで、シフトリーダーをやっていた。
・飼育係でウサギの世話を全面的に任されていた
などなど、
これまでの人生の中で、
大小問わず、何かしら
”目標に対して他者に何かしらの影響を与えた”
(=リーダーシップを発揮した)
経験がある人は、
少なくないのではないでしょうか。
あるいは、フォロワーとして
リーダーシップの影響を受けた経験がある人も含めると、
ほぼ全員が何かしらの形でリーダーシップを感じているのでは、
と思います。
■ゆえに、誰しもが
リーダーシップのイメージを多少なりとも持っている。
そして特に発揮する側であった場合
それぞれが「リーダーシップの持論」を持っていたりもします。
、、、しかし、です。
こうした”持論だけ”では
限界もあるものです。
それは言い換えると、
『「KKD(勘・経験・度胸)の限界』
とも言えるかもしれません。
確かに、
「あのときの自分は上手くいった」という”経験”や、
「言葉に出来ないけどうまくいく感覚がある」という”勘”は、
試行錯誤の末にたどり着いた
自分の中の暗黙知であり役に立つものです。
自分の強みとか、その時の文脈で、
言葉に出来ないけど編み出された知恵であり、
貴重な武器です。
■、、、しかし、
それはある特定の文脈で使えるもの、
とも言えます。
時代は変わり、環境も変わり、
対象となる相手(部下等)の考えも
変わったとき。
かつて自分を取り巻いていた要因と、
今取り巻く要因が変わっている時に、
”N=1”の自分の経験だけに頼っても、
うまくいかないことも起こるものです。
その中でKKDだけに頼ると、
「あれ、、、?前の部下では
ガツンと言って上手くいったのに、
今年の若手は辞めてしまった、、、」
とか、
リーダーシップについて部下に”教える”場面で
「自分はこうやってリーダーシップを発揮した。
だからキミもできる。YOUやってみなよ!」
と全然相手に刺さらない、
自分にしか当てはまらない持論を
押し付けてしまう、、、
となる可能性もあります。
■、、、余談ですが、
自分が新卒で
飲食店の正社員として勤務しているとき、
店舗マネジメントの際に、
そのエリアのスーパーバイザーから
「リーダーはデカい声なんだ!
だからお前も常にデカい声で話せ!」
と指導されたことがありました。
そういうキャラじゃありません、できません。。。
と思いつつ、
ジっとその人が見てくるので、
一時的に大声で喋り続けていたことを
思い出しました(汗)
成果が出たかどうかは、わかりません。。。
■つまり、何が言いたいかというと
繰り返しになりますが、
”持論は限界もある”
ということ。
■そんな中で、
そう、『理論』が役立つのです。
もちろん、理論が使える文脈も限界はあるもの。
万能ではありません。
それでも持論に比べて、
多くの人・状況において
当てはめることができます。
理論とはこれまでの実践家である先人達の経験知を、
研究者たちが然るべき手法で蒸留した
エッセンスのようなものです。
決して持論を否定するわけではないですが、
他者の知恵を、先人達の努力を使わない手はありません。
それが、もしシンプルにまとまっているとしたら、、、
せっかくなら、学んでみたいと
思うのではないでしょうか?
■、、、という中で、今回ご紹介する
『リーダーシップの理論』。
この本では、
リーダーシップ研究の120年の歴史の中で、
多くの研究者を始めとした知識人の視点、
また時代の風雪を耐え抜いてきたエッセンスを、
あるいは今まさに注目を集めている理論を
まさに250ページの中に凝縮しています。
それは、
私だけの、N=1ではなく、
古今東西の人々の、N=数千~数十万の知見の集合体
といっても、過言ではないかと思います。
ゆえに、
「信頼できるし、役に立つ」
のです。
■そして上記の内容を
立教大学大学院の経営学教授であり
リーダーシップの専門家の石川先生が
わかりやすくまとめてくれています。
ちなみに今大学院の授業で、
まさにこの本の内容に沿って
リーダーシップの歴史と理論の知的な旅をしていますが、
本当に面白いです。
いちユーザーとしてもおすすめです。
*
、、、ということで、
以下、本の内容のご紹介でございます。
(ここから)
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<書籍『リーダーシップの理論』のご紹介>
「理論は難しくて理解しづらい」?
「理論など現場では役に立たない」?
難しいと思われがちな理論は、
実はわかりやすく、
面白く、実務の役に立つ!
経験や勘に加えて「理論」という武器をもち、
応用力のあるリーダーシップを発揮できるようになる1冊。
最新の理論はもちろん,
時代の変化に合わせて発展してきた
理論の流れにそってわかりやすく解説。
中原淳氏(立教大学経営学部教授)推薦!
<目次>
第1章 理論を知っているかどうかで差がつく時代の到来
第2章 120年の研究を一気に読む ―リーダーシップ研究の流れ
第3章 資質アプローチ研究
第4章 行動アプローチ研究
第5章 コンティンジェンシー・アプローチ研究
第6章 変革型アプローチ研究
第7章 その他のリーダーシップ研究
第8章 リーダーシップ持論2.0へ
※Amazon本の紹介より
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(ここまで)
リーダーシップ関連の本は、いくつもありますが、
最もまとまっていて、理論を俯瞰できる本だと感じます。
よろしければ、ぜひ。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
『リーダーシップの理論』
石川 淳(著)
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