リーダーシップの理論は「ほか弁」によく似ている
(本日のお話 2568字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は4件の個別コーチング。
また1件のアポイント。
夜からは同じく人材育成の仲間であり
人生の先輩でもある友人との会食でした。
実に楽しい時間でございました。
*
さて、本日のお話です。
現在、大学院のテーマで
「リーダーシップの理論」を学んでいるのですが、
その内容を振り返る中で、
「リーダーシップの理論って、
なんだか”ほか弁”みたいだな」
とふと思ったのでした。
(ほか弁=ほっともっとです。
私もよくお世話になっています)
ただ、この比喩は便利で、
比較的遠いアカデミックな考えが、
ぐっと身近に思えるというメリットもあるとも感じます。
、、、ということで、
個人的見解のだらけの内容となりますが、
上記内容についてご共有させていただければと思います。
それでは、早速参りましょう!
タイトルは、
【リーダーシップの理論は「ほか弁」によく似ている】
それでは、どうぞ。
■「リーダーシップ理論」を学ぶと
実にいろんな種類があるのだな、と
その広い世界に圧倒されます。
*
ちなみに、リーダーシップの研究は
ざっくり120年の歴史があります。
その変遷も、
・リーダーの”資質”に注目(1930-40年代)
↓
・リーダーの”行動”に注目(1950-60年代)
↓
・リーダーの”影響力”に注目(1970年代以降)
というように時代とともに
研究の中心テーマも変わり、
リーダーシップ理論も進化してきました。
特に、1990年代以降の、
「リーダーシップとは影響力である」
としてからは、
リーダーシップの百花繚乱時代とも言えるかのごとく
多くの研究者がそれぞれ立場から、
様々なリーダーシップを提唱していく時代になりました。
■その中でも、特に代表的な
「リーダーシップの理論」があります。
そして、それらの理論を知っておくと、
”自らの持論”をアップデートするのに役立ち、
現場のマネジメントにおいても
他者に影響を与えていく上でも、
有益なツールになり得る、と思います。
*
例えば、、、
ということで、
以下、有名な4つのリーダーシップより
その特徴を比較してみたいと思います。
(ここから)
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<リーダーシップ理論の比較(1990年代以降)>
【変革型リーダーシップ】
◯概要
:フォロワーの感情やカリスマ性を重視。
フォロワーに働きかけフォロワーを変革していくリーダーシップ
◯特徴(4つの行動)
1、理想化された影響力(カリスマ:自信、影響力を行使する欲求、強い倫理的価値観等)
2、知的刺激
3、モチベーション鼓舞
4,個別配慮
**
【サーバントリーダーシップ】
◯概要
:相手につかえるリーダーシップ。
自分自身の利益を超越して、フォロワーの成長や利益を重視する。
◯特徴(7つの行動)
1、感情的な癒やし
2、コミュニティへの貢献
3、概念化
4、エンパワーメント
5、フォロワーの成長・成功の促進
6、フォロワー優先
7、倫理的行動
**
【オーセンティックリーダーシップ】
◯概要
:誠実で信頼に足るリーダーシップ。
”本物である”、”信頼できる”と言った意味を持つAuthenticで表現される
◯特徴(4つの構成要素)
1,自己認識
2,倫理的視点の内在化
3,バランスがとれた処理
4,関係の透明性
**
【温情型リーダーシップ】
◯概要
:強い規律と威厳と、愛情深い慈悲を混ぜ合わせたようなリーダーシップ。
怒ると怖いが情け部下くて面倒見がよく、部下から慕われている課長のイメージ
◯特徴(3つの構成要素)
1,権威主義
2,慈悲深さ
3,倫理性
※参考:石川淳(2022)『リーダーシップの理論』中央経済社 P123~180
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(ここまで)
■さて、並べてみていかがでしょうか。
上記も一部ですが、
実にいろんな種類があるなあ、と思います。
そして、それぞれの定義を見ると、
なんだか似ているところもあって、これまた複雑です。
一つ取り上げてみると、
いずれのリーダーシップにも
「倫理」
という要素が入っている事に気づきます。
■、、とこの点に着目すると、
最近のリーダーシップには
「倫理」が共通して重要な要素、という視点も
あるのかもしれません。
もちろん、一言で「倫理」といっても幅広く、
意味することは変わってきます。
・物を盗んじゃダメ、という
”法的な倫理”もあれば
・仕事は期待された期限通りに、
きちんとしたプロセスでやるべきという
”責任感を求める倫理”もあれば
・清く正しくあるべき
仕事外のことも積極的に手を差し伸べるべきという
”徳を意味する倫理”もあります。
ゆえに、この倫理が、
何を意味するのかについては、
その中身をより詳しく見る必要はあるのだと思います。
■と、深掘りすると
沼に入りそうディスカッションポイントではありますが、
もうちょっと荒く、大雑把に見てみれば
違った見方も出来る気もします。
例えば、こうやって並べたときに、
私の脳内に浮かんだのは、
『ほか弁』
でした。
(研究者の皆様に対して
失礼なのかもしれませんが)
■ちょっと回り道ですが、
”その心”をお伝えさせていただきますと、
我が家ではしばしば夕方、妻から
「今日はご飯が作れないから
ランニングの帰りに、
ほか弁(ほっともっと)買ってきて」
と依頼を受けることがあります。
ランニング後、汗だくになりながら
ほっともっとの店内で、
いつもお弁当を選ぶわけです。
・から揚げ弁当
・チキン南蛮弁当
・のりタル弁当
・しゃけ弁当
・カレー弁当
などなど、
実に多様なバリエーションがあります。
■しかし、何度も激しくリピートしていると、
だんだん気づくことがあります。
その弁当の構成要素とは、
1)メインのおかず(肉か魚か/天ぷらか唐揚げか)
2)ごはん(全部共通)
3)サラダや卵、つけもの(共通だがバリエーションあり)
という3領域での組み合わせとなっています。
メインはちがう。
でもその他は似ているところもある。
■そう、さながら
「リーダーシップの理論」のよう(!)
だな、、、、と。
つまり、ちょっと強引ですが、
「美味しいお弁当(リーダーシップの影響力を発揮)」のために
・メインのおかずがある(変革 or サーバント or オーセンティック)
↓
・ライスは必ず共通して入っている(倫理性、自己認識とか)
↓
・その他、付け合せはそれぞれ(感情的癒やし、知的刺激、慈悲深さとか)
という構成と、めちゃくちゃ大雑把に捉えて、
比喩的に考えることもできるのでは、
、、、という私の感想です。
まるでほか弁のラインナップのように、
リーダーシップとは組み合わせられているな、
などと思ったのでした。
(研究者の皆様には、怒られそうですが)
■とはいえ、こうした比喩は
割と役立つようにも思えます。
「自分は、”相手に支える”ことが
自然とできるような気がする」
「自分は”他者に影響を与えること”を
どこか求めている気がする」
などは自分がよって立ちたい影響力の根源は
メインのおかず(?)みたいなもので、
でも同時に、やっぱり
ライス(倫理性や自己認識)はきちんと
抑えておかないと、美味しい弁当にはならない、
というような感じで、
ざっくりと捉えることもできる。
そうすると、
やや堅苦しく感じる理論が身近になるし、
活用もしやすくなるのかもしれない、
とも強引ながら、思ったのでございました。
■他にも、いろいろなパターンの
リーダーシップ研究(お弁当研究)があり
「えっ、こんな組み合わせあり?」
と思えるものもありますが、
それが影響力を発揮していればよし。
(美味しければよし)
自由に美味しいお弁当を用意して、
それを楽しみ役立てられたら、
それもまた一興、などと思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
一つのドアから入れなければ、別のドアから入る。
あるいはドアを作る。
ジョーン・リヴァース(米国のコメディアン)
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