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今週の一冊『燃える闘魂』

今週の一冊『燃える闘魂』

3125号 2022年9月11日

(本日のお話 2451字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は終日研修の実施。
また11キロのランニングでした。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は

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『燃える闘魂』

稲盛和夫(著)


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です。

■先日、お亡くなられになられた、
日本を代表する経営者である稲盛和夫氏。

そのニュースが流れたときの
多くの方のコメントから、
実に多くのものを残されたのだな、

と、私は感じておりました。

残されたものは
事業だけではなく哲学。

それが日本の人々
そして世界にも影響を与えたと
思っております。

■そんな稲盛氏が

2013年に書き下ろされた著書が、
この『燃える闘魂』です。

著書の中では、

「負けてたまるか」
「何がなんでもやり抜く」

という”熱意”について
中心に据えて語られています。

稲盛氏が語られた経営哲学で
以下の12か条が語られていますが、
その中の8番目の項目が「燃える闘魂」です。

(※以下、参考)

<稲盛経営12か条>

1. 事業の目的、意義を明確にする
2. 具体的な目標を立てる
3. 強烈な願望を心に抱く
4. 誰にも負けない努力をする
5. 売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
6. 値決めは経営
7. 経営は強い意志で決まる
8. 燃える闘魂
9. 勇気をもって事に当たる
10. 常に創造的な仕事をする
11. 思いやりの心で誠実に
12. 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で

■稲盛氏は一貫して

「心の在りようの違い」が

結果を変える、と語ります。

別の著書『生き方』で、

”人生・仕事の結果=「考え方 ✕ 熱意 ✕ 能力」”

と稲盛氏は語りました。

※参考バックナンバー↓↓
今週の一冊『生き方』
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/10729/

この本でのポイントは、

考え方は、プラスとマイナスがあり、
プラスに使えば自分にも周りにも良い結果をもたらすが、

それがマイナスの方向(詐欺とか)に使うと、
熱意と能力があっても、望ましい結果にはならない、

というところが
強調されているように感じましたが、

今回ご紹介している『燃える闘魂』では
その字の雰囲気からもわかる通り、

”「熱意」がいかに重要か”

を触れています。

曰く

”燃える闘魂経営には
いかなる格闘技にもまさる
激しい闘争心が必要”

と強い言葉で語られています。

■その背景として

・稲盛氏の生きてこられた背景、
・日本の未来に対しての愛情と期待

があるように私は感じました。

元々優しい「和」の心と、
高い品質を生み出す「ものづくり」の技術を持つ日本人が

欧米の近代文明が迫る中、
日本の自主自立の必要性が問われる中
明治維新を迎えて欧米の文化を取り入れ、

アジアの小国であった日本が
1905年、日露戦争でロシアに対して勝利を納めた
上昇の40年間。

そして、そこから富国強兵の道の中、
覇道を追い求め、1945年に敗戦を迎えた
下降の40年間。



そして、敗戦後、
日本全体で立ち上がり、
製造業を中心に奇跡の復活をとげ、
GDP世界2位に躍り出た
上昇の40年間。

その後、プラザ合意から
円高方向へ変動し、バブル崩壊にいたり、
そして「失われた20年間」として
経済成長がないまま過ぎた
下降の40年間。

■そのように近代日本は

「80年の周期」で

上昇と下降を繰り返しているのでは、
と稲盛氏は述べ、

そしてプラザ合意から40年後が
「2025年」にあたる、

そのときのために、
残したい心意気を問うているように思いました。

■もちろん、

今の時代は、戦後とは違い、
多くの人が豊かになりました。

「燃える闘魂」といっても、

残業が少ない方がいい、
仕事とプライベートを完全にわけたい

という考え方とは、
そぐわない面もあるのかもしれません。

、、、しかし、

人が自分自身の可能性を追求し、
その先に大事にしたいことを見つけ、

その大小がありこそすれ
自分が残したいことに焦点を当たられたとき、

そこには「圧倒的な熱意」が存在しており、
全身全霊で戦う姿があるのだと思います。

■もちろん、

「熱意が大事」

という言葉のみで、

そこに対する報酬、
未来の可能性がなくして、

ただただ働きまくる、というのでは
相手を操作しようとする言葉と
受け取られる危険性もあるかと思います。

実際に、戦後の
当時の日本社会ががんばれたのも、
その空気感ももちろんあったと思いますが、

”会社の成長が自分たちの
報酬に返ってくるという確信”

という合理的な心理、

労働に対する公正感があったからこそ
身を粉にして働くことができた、

という側面もあったと思われます。

■こうした仕組みの話も
もちろん同時に考える必要があります。

これからの日本の未来を考える上でも、
まだまだ出来ることはあるのだろう、
と思います。

贅沢をしたいとか楽して利益を高めたいという
「足るを知る」を忘れた資本主義の暴走ではなく、

人として正しい心を持ちつつ
あるいは過去の遺産だけではなく
未来に対して明るく思えたとしたら、
それは誇れることなのだろう、とも思います。

■本物の経営者であるがゆえに、読んでいて

「はい、まだまだです。スミマセン」

という気持ちになってしまうところも
正直ありましたが、

自分の中で本当は納得していないのに
全身全霊で目標に取り組むことへの躊躇、失敗への恐れから、
「まあ、こんなものでしょ」と言い聞かせようとするのは、
どこか寂しい気もします。

あらためて、

「熱意を持ってやり遂げようとする」

という姿勢の大切さを
考えさせられる一冊でございました。

以下、本書よりご紹介です。

(ここから)
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日本人よ
格闘技にもまさる
激しい闘争心で
ライバルに挑め。

「負けてたまるか」──。
日本には激しい闘争心が必要だ。
日航再建の真実、そして日本再生シナリオとは。

ミリオンセラー『生き方』の著者、待望の書き下ろし新刊!

<目次>
第1章 日本の盛衰
第2章 「燃える闘魂」の経営
第3章 世のため人のため
第4章 徳をもってあたる
第5章 心を変える―日本航空の再建
第6章 日本再生

※Amazon本のレビューより

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<今週の一冊>

『燃える闘魂』

稲盛和夫(著)

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