「感謝日記」で幸福度を高める方法(と、落とし穴)
(本日のお話 2234字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は5件のコーチング。
その他、研修の準備など。
*
さて、本日のお話です。
個人的に好きな学問に
「ポジティブ心理学」がございます。
前向きな内容で、元気になれるのが良いなと感じるこの頃。
その中の科学的に証明された
”幸福度を高める12の行動”なるものがあり、
その中の1つに
「感謝の気持ちを表す」
という項目ががあるのですが、
それにまつわるお話が、興味深く、
かつ実用的なものだと感じたのでした。
本日はそのお話についての学びと気づきを、
皆様にご共有させていただければと思います。
それではまいりましょう!
タイトルは、
【 「感謝日記」で幸福度を高める方法(と、落とし穴) 】
それでは、どうぞ。
■「幸福度を高めるための12の行動習慣」、
というものがあります。
ポジティブ心理学の研究から、
幸福度を高める因子を探索した結果、
以下の12項目がわかった、というお話です。
こんな内容です。
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<幸せがずっと続く12の行動習慣>
1,感謝の気持ちを表す
2,楽観的になる
3,考えすぎない、他人と比較しない
4,親切にする
5,人間関係を育てる
6,ストレスや悩みへの対抗策を練る
7,人を許す
8,熱中できる活動を増やす
9,人生の喜びを深く味わう
10,目標達成に全力を尽くす
11,内面的なものを大事にする
12,身体を大切にする瞑想と運動
(Lyuborirsky,2007)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とのこと。
※詳しくはこちら↓↓
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/10867/
■研究結果に基づいた内容なので、
この12項目を明らかにするプロセスと、
各項目がとても説得力があり、
私は大いに参考にしつつ、
日常に取り入れております。
(もちろん、効果も感じております)
そして、その中の1つ目の項目
「1、感謝の気持を表す」
のお話が特に面白いものだなあ、と
感じております。
■曰く、こんなお話でございます。
まず、「感謝の気持ちを表現する」について、
・「感謝」とは、物事を大切に味わい、
それを当たり前だとは思わずに、現在に価値をおくものである
と定義しており、そして
・「感謝」をよく示す人ほど、
落ち込んだり、不安になったり、孤独を感じたり、嫉妬したり、
ノイローゼになりにくいことがわかっている
とのこと。
感謝の効果、なかなかに
よろしいもののようです。
■そして実際、
「感謝」と「望ましい結果」に対する
いくつかの実証実験が行われているとのこと。
*
例えば、こんな研究です。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【感謝の気持ちを表現することの研究】
<目的>
・「感謝の気持ち」を表現することが
どのような結果をもたらすのかを調べる
<実験方法>
・参加者には研究の目的を知らせずに、
2つのグループに分かれてもらう。
・実験グループに対しては
「恵まれていると感じるもの(=感謝しているもの)」を5つ書き出してもらう。
その後10週間にわたって、週に1度同じことをしてもらう
・対照グループに対しては
「その日に怒った面倒な問題や出来事」を5つ書き出してもらう。
<研究結果>
・「感謝を表すことを求められた参加者(実験グループ)」は、
対照グループと比べて、人生についてより楽観的に感じ、
より満足感を持っていた。
・また、頭痛や吹き出物、咳、吐き気など、
身体に起こる様々な症状が減少すると同時に、
運動をする時間が増えて、健康になっていた。
※ソニア・リュボミアスキー『幸せがずっと続く12の行動習慣』P98
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■ふむふむ、、、なるほど。
感謝を表現することは、
幸福度だけでなく、健康面にも良い影響があるようです。
これは非常にGOODです。
「じゃあ、できるだけたくさん
感謝を表現したほうがよさそうだ」
と思いそうですが、続く実験では
興味深い結果が出ているのです。
それが「意外な落とし穴」だな、
と思う内容で興味深いものでした。
■さて、どういう話かというと、
今度の実験は、「感謝する頻度」を変えたのでした。
1)「週に”1回”感謝の気持ちを表現する」グループ
2)「週に”3回”感謝の気持ちを表現する」グループ
この2つにわけて、
6週間にわたって感謝の気持ちを表現する
(=5つのありがたいと思うことを書き出す)
ことをそれぞれのグループに行い、
幸福度に対する影響を調べたのです。
■その結果は、果たしてどうなったのでしょうか?
実は、意外な結果になりました。
それは
「週1回のグループは、幸福度が高まったが、
週3回のグループは、何の影響も得られなかった(!)」
という結果になったのでした。
■、、、え?
感謝したほうがいいなら、
できるだけたくさんやったほうがいいんじゃない?
と思いそうですが、逆だったのです。
週1はいいけど、週3はダメ。
はて、どういうことなのか。。。
この結果から、研究者が考察したことは、
「週3回も感謝を表現すると、
回数が多く、面倒な作業に感じて、
次第に退屈に感じられたのだと思われる」
ということでした。
感謝を表現するのも、
常に新鮮な気持ちを持っていないと、
ポジティブな結果にはつながらない、
そんな示唆が得られた、というお話です。
■この結果、考えさせられます。
たしかに、効果があるなら、
・「感謝」をすることでも
・「運動」をすることでも
・「対話」をすることでも
やればやるほどよさそう、
いくらでもやりまくればいいじゃん、
と案内に思いそうですが、
そこに落とし穴があるのかもしれません。
いいことでも必ずしも
「たくさんやればいい」、
というものでもないようです。
■適切な「服用量」がなければ、
薬と同じように効果はなくなる。
またはマイナスになることだってある。
そういえば以前、私も、
毎日「感謝日記」を書いていたものの、
いつの間にかつまらなくなって
辞めてしまったことを思い出しました。
価値あるものとして効果を発揮する
適切な量、タイミングというものもあり、
それを考慮しないと
副作用のごとき結果になってしまうこともある、
そんなことをこのお話から
学んだ次第でございます。
これからは週の終わりに1度だけ
感謝日記を書こう、と思いました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
長い議論も短い議論も
めざす目的は同じだということを、
よく理解すべきである。
エピクロス
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