「自分の先延ばし癖をどのように克服するか」の論文より ー3つの要因と対処法ー
(本日のお話 2,926字/読了時間4分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は4件のコーチングフィードバック。
また1件のアポイントでした。
*
さて、本日のお話です。
今月11月号のハーバード・ビジネス・レビューに
以下の論文がありました。
『自分の先延ばし癖をどのように克服するか』
(アリス・ボーイズ)
うわ、めっちゃ気になる。。。
教えてほしい!
と私は思ってしまいまして、
きっと、同じように気になる方も多いのでは、
と思いましたので(笑)
本日はこの論文のポイントをまとめつつ
学びを皆様にご共有させていただければと思います。
それでは早速参りましょう!
タイトルは
【 「自分の先延ばし癖をどのように克服するか」の論文より ー3つの要因と対処法ー 】
それでは、どうぞ。
■締め切り間際の仕事があるのに、
ついつい先延ばしにしてしまう。
やらなきゃやらなきゃ、と思いつつ、
結局ギリギリまで手を付けられない。。。
こういったこと、
あるあるではないか、と思います。
否、ハーバード・ビジネス・レビューで
論文になっているくらいですので、
みんな、きっとそうなのでしょう。
(私だけではない、、、はず。汗)
■さて、では
先延ばしがなくならない理由とは、
一体何なのでしょうか?
そして、どのように工夫をすれば、
先延ばしをなくすことができるのでしょうか。
このことについて、
著者のアリス・ボーイズ氏はまず
「先延ばしがなくならない3つの要因」として、
以下のように述べています。
要因1)よい習慣やシステムの欠如(規律がない)
要因2)不安や退屈といった特定の感情に対する耐性の低さ
要因3)自分自身の思考様式の欠陥
とのこと。
気になりますね。
早速見てまいりましょう、
■まず
「(要因1)よい習慣やシステムの欠如(規律がない)」
です。
一般的に、先延ばしにする人は
「懸命に働くよりも、のんびりすることを楽しむ」傾向がある、
といいます。
そして、のんびりすることに浸かっていると、
当然、それは先延ばしの状態になっていきます。
すなわち、
「起こりうる重要なタスクに対して
のんびりするのではなく、行動するための習慣を
日々の中に組み込めているか」
ことが重要になります。
*
では、上記を対処するために、
どのような工夫ができるのでしょうか。
著者は以下2点を紹介しています。
~~~~~
◯戦略1)ディープワーク(重たいタスク)をスケジュールに組み込む
・重たい仕事は、時間がかかる長期プロジェクトである。
それを毎日決まったパターンで継続して行うことを組み込む。
・そのためには「きっかけ」を用意することである。
例えば、朝歯を磨いたら、など。同じパターンを設ける事が重要である。
◯戦略2)新たなタスクに取り掛かるためのシステムを構築する
・取り掛かるために毎回やるぞ!と意思決定をすると「決断疲れ」が起こる。
よって、新たなタスクに取り組む方法を自分の中で決める。
・例えば、論文の著者の場合、以下のように新たなタスクに取り組んでいる。
STEP1:そのタスクに対する取り組み方について3つの選択肢を検討
STEP2:うまくいかない可能性が最も高いものについて分析する
STEP3:そのタスクにどれだけの時間を費やすかを計算する
~~~~~
とのこと。
重たいことを、日々コツコツやるために、
習慣づけをするのが大事なのですね。
■次に、先延ばしの要因2つ目、
「(要因2)不安や退屈といった特定の感情に対する耐性の低さ」
についてです。
なぜ先延ばしにしてしまうかについて
「感情の問題」が関わっていることがあります。
どういうことかというと、
・ある仕事について考え始めると、落ち込んでしまう。
・不安な気持ちや、懸念が生まれて、鬱々としてしまう。
・仕事の退屈さやストレスに耐えられない
みたいな気持ちが湧き上がるということ。
確かに、こういう感情があると、
目を背けたくなりますし、
先延ばしにしたくなるのもわかる気がします。
*
では、上記の要因について、
どのように対処すればよいのでしょうか?
以下2点、提案をしています。
~~~~~
◯戦略1)感情のもつれをほどく
・まず、”自分が抱いている感情を正確に把握すること”により、
自分の感情を管理しやすくなる。今の気持ちについて、
不安 8/10点中、憤り 6/10点中、 退屈 4/10点中
というように感情を数値化することで、対処法のヒントが見つかる。
・例えば、”退屈レベル”が高いならば、
「タスクが終わったら自分にご褒美を与える」や
”不安レベル”が高いならば、
「不安を感じていない領域から手を付け、そこから前に進む」
(エクスポージャー療法という)を行うなど。
◯戦略2)ネガティブで強烈な記憶の対処にセルフコンパッションを用いる
・過去の経験によって、ネガティブな記憶が引き起こされている可能性がある。
そうすると、能力はあっても、不安が大きくなり、パフォーマンスが発揮できない、
ということが起こる。
・その際は、「自分を思いやるセルフトーク(セルフコンパッション)」が役立つと言われる。
例えば、”当時はまだまだだったし、そう思う気持ちもよくわかる。
でもあれから経験積んで成長したから、自信を持ってよいのだ。”と自分に言い聞かせる、など。
~~~~~~
とのこと。
先延ばしにしてしまう「感情」に向き合うことが
大切になってくるのですね。
■そして、最後の
「(要因3)自分自身の思考様式の欠陥」
です。
たとえば、多くの人は
”締め切りまでの期間が長いと、
タスクの複雑性を過小評価する傾向がある”
といわれるように、
特定の思考様式(考え方のパターン)が
先延ばしを誘発している可能性があります。
*
では、どんな戦略があるのか。
以下3点を紹介いたします。
~~~~~
◯戦略1)リバースブレーンストーミング
・まず「タスクが困難と感じされるのはどのような状況か」
「本当に避けたいのは何か」を考える。
その答えが出たら、その逆を考えることで閉塞感を打破できる。
◯戦略2)すんなりいかない仕事を受け入れることを学ぶ
・何度もやったことがある仕事は、スムーズに完遂できる。
よって、心地よく、満足度も得られることがある。
しかしながら、それは生産性の高さではない、と認識する必要がある。
初めての経験、緊張する経験から学べていることは多い。
◯戦略3)仕事の時間を短く区切る
・「少しだけ行う」という戦略。
例えば、「今日は10分だけ取り組む」と決めて、10分たったら終了する。
・あるいはもう少しなれてきたら
まとまって取り組むことを取り入れる。
「90分間取り組む」と決めて、90分たったら打ち切る。
なれていくとだんだん時間を伸ばすことができるようになる。
~~~~~
とのこと。
簡単に思える仕事のほうが、
生産性が高いと感じる認知のゆがみ、
仕事の時間を短く区切って
自信をつけるなどの方法があるようです。
■と、いうことで、
【 「自分の先延ばし癖をどのように克服するか」の論文より ー3つの要因と対処法ー 】
について論文からご紹介いたしました。
こう整理してみると、
先延ばしにするときは
そこに、自分のスキル不足に対する不安、
あるいは面倒くさいという退屈の思いがあったり、
つい慣れている仕事を選びたくなる、
という傾向が見えてくるように思いました。
まあ、結局は自分でやるしかないので、
「頑張れ!」ということかもしれませんが、
先延ばしをしてしまう方は3つの要因の
どれが自分の足をつかんでいるのか、
考えるきっかけになりそうですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
「そんなに難しいことはできない」と言う前に、
まずやってみることです。結論はそれからでも遅くありません。
ラルフ・ワルド・エマーソン
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