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今週の一冊『人生はそれでも続く』

今週の一冊『人生はそれでも続く』

3153号 2022年10月9日

(本日のお話 1172字/読了時間2分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は、終日ファシリテーションに関する
ワークショップへの参加でした。

質が高いワークショップを作ることの難しさを
知っているがゆえに、楽しませていただきつつ
すごいなあ、と大いに刺激を受けております。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナーです。

今週の一冊は、

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『人生はそれでも続く』

読売新聞社会部「あれから」取材班(著)


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です。

■誰かの人生を、

正しいとか、間違っているとか、
何かと比較をしようという発想を持つこと自体、

軽薄は感覚を覚えてしまうものです。

■しかしながら世の中では

例えば、一時期成功して、
今は日の目を見ていない人がいると、

「あの人は終わったな」とか
「あの頃は輝いていたよね」などと、

ある社会的な基準(有名だとか、活躍しているとか)で

主に全然関係ない第三者が

その人や存在を称賛したり、
批判したりするシーンを、
しばしば目にします。

■もちろん、それがよくない、
みたいな匂いを漂わせて語る自分自身、

そういった側面が全くないかというと、
そんなこともありません。

お恥ずかしながら、
自分が持っている価値基準で、
他者の人生を評価するような視点、
どこかあるようにも思います。

■しかし、今回ご紹介させていただく

『人生はそれでも続く』

を読んでみると、

そういった考え方が、
安易で浅はかだな、と
感じさせられるように思えます。

今回ご紹介の書籍は、

”日本中が注目したニュースの「あの人」は今?”

に読売新聞の社会部が長期取材をしてわかった、
真実やドラマを描いたノンフィクションです。

例えば、

・赤ちゃんポストに預けられた男児
・本名「王子様」から改名した十八歳
・バックドロップをかけた対戦相手の死に直面したプロレスラー
・日本人初の宇宙飛行士になれなかった二十六歳
・万引きで逮捕された元マラソン女王

など。

■様々な取り上げられ方で、
時の人となった人たちの

”あれから”

を表面的ではなく、
長期にわたって取材をしたものの
一端に触れることで、

それぞれの人生の物語の希少性と、

それぞれが、その瞬間瞬間に
様々な葛藤、悩み、情熱を含めて、
精一杯生きているという事実に気付かされます。

そして、その道筋で感じた
感情を含めた経験を、文字上からも
想像するだけでも

それらの話を
誰かが評価したり、
批判したりすること自体が
とても野暮なことに思えてくる、、、

そんな風に私は感じました。

■自分自身を認めるには、

他の人生も、自分と同じような
”いろいろ”があることを理解すること。

特別なのは、全員が特別で、
そこに優劣はないと理解すること。

そんなことをこの22人のお話は
重みを持って伝えてくれるように思いました。

丁寧な取材をしていただいた、
読売新聞社の取材部の皆さんにも、
頭が下がる作品だな、と感じます。

とても、お勧めの一冊です。

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<今週の一冊>

『人生はそれでも続く』

読売新聞社会部「あれから」取材班(著)


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