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3154号 2022年10月10日

場づくりとはサイエンス&アートである

(本日のお話 1956字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は、終日ファシリテーションに関する
ワークショップのへの参加でした。


改めて優れたワークショップとは、
多くの人々の知恵と情熱が凝縮されており、

届けたい価値提供のために
学びに集中させつづけられるように
細かい部分まで考え抜かれている、、、

と感銘を受けております。


ということで、
本日は参加中のワークショップに思いを馳せつつ
感じたことについて、学びをご共有させていただきたいと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、



【場づくりとはサイエンス&アートである】



それでは、どうぞ。



■私の話ではありますが、
仕事上、様々な研修を実施しております。

新入社員研修
キャリア研修
マネジャー研修
チームビルディング研修
コーチング研修
ストレングス・ファインダー研修

と、色々あります。


■こうしたものを
文脈に応じて「研修」と呼ぶこともあれば
インタラクティブさや対話を強調するために
「ワークショップ」と呼ぶこともあります。

ただしその成果を決める上で、
大切な要素の一つが

”場作り”

であると思います。

そしてこれは、何も研修だけではなく、
その他、人が集まるミーティング、
イベントでも同じように大切なことかと思います。

人が集まる場所では、
人がつくる空気感は予想以上に大きいのです。


■では、”場作り”のために
必要なことはなんなのでしょうか。


色々ありますが、まずは
「研修プログラムの準備」です。

例えば、ある書籍を引用させていただくと、
こんな項目で紹介されたりしています。

※引用『看護のためのファシリテーション』(2020)より

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【研修企画の7W3H】

<第1階層:何のために、誰のために行うのか?>
1,目的/目標
2,対象者/参加者

<第2階層:企画をする上での要素とは?>
3,講師
4,タイトル
5,規模/回数
6,日程/時間(いつ)
7、会場/施設(どこで)
8,予算

<第3階層 プログラムデザインの方向性は?>
9,アクティビティ/内容
10、運営体制

※『看護のためのファシリテーション』(2020)より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)



■、、、と、いうように
上記の1~10の大枠の内容を
きちんと言語化して固めることにより、
骨格が出来上がっていきます。

これはいわば、要素を分け、
そこから再現性がある結果を創出しようとする
「サイエンス」と呼べるものに近いかもしれません。


■同時に、ではありますが、

入念に計画をし
プログラムでやったとて、

たとえ同じプログラムでも、
全然違う空気感になることがあります。

ゆえに研修実施でも
「講師/ファシリテーター」を重要視する方は
非常に多いものです。

それはそのことを、体験的に
理解しているからなのでしょう。



■特に、プログラミングとか、
特定のテクニカルスキル教えるものではなく、

参加者の意見、疑問、質問などを元に
作り上げていくような対話型の学び、
ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルというものは、
なおさらそうでしょう。


大人はそれぞれが固有の経験を持ち、
それぞれの考えを色濃く持つ存在なのです。

ですから、そんな参加者に対して
たとえば、

・リーダーシップについて
・マネジメントについて
・組織の目指す方向について

など、様々な持論が入り交じる得るであろう
テーマを題材にしてワークショップを行う場合、

「その参加者にどのように関わるか」

とは、

かつその対応の仕方によって、
参加者がその後の関わりを口に出さずとも
選択することに影響していくのです。

プログラムの瞬間瞬間に常に生まれ続ける
成否を決める分岐点がある

それがワークショップとも言えます。

それは、瞬発力、直感、判断力、
相手に併せた力の加減、言葉の選び方など、
実に様々なものが関わっており、

明確に切り分けきれない「アート」の世界に近い、
とも言えるのかもしれません。



■そして、そんなことを感じている中

昨日参加したファシリテーションの
プログラムに参加をした際に、


『(場作り)とはアート&サイエンスである』


というような言葉が出て、
かつ、それを体現している
2人のファシリテーターをみて、
たいへん納得、共感をしたのでした。



■確かに、プログラムが
きちんと準備されていることは大事です。


でも、そのプログラムも、
常に改善を続けるようなものであるし、
それは同時に、完璧ではあることは
実は望みづらい点もあるのかもしれません。

そんな中でワークの最中に起こる、

・参加者のコメント
・参加者の質問
・参加者の批判

などに対して、
どのようにリアクションをするのか、

この一挙手一投足によって
参加者はその場に対してのコミット
あるいは気持ちの離反などの作用がおこり、

それが内容・プログラムの力を引き出し、
参加者に提供価値をお届けすることへの
大いなる影響力になることは間違いありません。



■人の心のアンテナは
想像以上に微細なもので、
皆がその空気を感じ取れる力があるもの。

・「それは素晴らしいですね」と
 反射的に言っているように見えるファシリテーター、なのか、

・一つ一つのコメントに対して
 誠実かつ真剣に対応に考えて反応しているファシリテーター、なのか、

・誠実かつ真剣であるけども、
 さらに、ユーモアさや、軽さもあり、
 場を楽しませられるファシリテーター、なのか、、、

様子は変わっていくのです。

そしてそれは、目に見えない
”あり方”も影響しているものです。


■ファシリテーターが
取れる選択肢はいくつもある中、

相手に合わせて、
自分の特性と、直感と、
自分のできることとその場への思いを含め
どういたボールを投げ返すのかを決める。

そして、場はそれに呼応して変化します。


そうして集まっている人々の
”場の力”を最大化させられるのか、
あるいは限定的にしてしまうのか、、、

それこそがファシリテーターへの問いであり、
向き合い続けるチャレンジではないか、と感じます。




■改めて、”場作り”は

内容・プログラムについて
対象者や内容、それについてのリアクションを想像する
意図的な計画と、入念な準備が必要な『サイエンス』が必要です。

でも、それだけではなく、
感性やあり方も動員して、
その場の生の人々に向き合う『アート』も必要です。


そしてサイエンスとアートの融合とはきっと、

たゆまぬ基礎的な学習と
継続的な経験の蓄積と、
痛みをも振り返り、自分の中でのパターンを見つける旅路なのだろう、

と思います。

長い道のりを感じつつ、
私も、もっともっと、経験を積んでいきたいし
経験を積んでいこう、そんなことを思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

威厳は香りのごときもの。
威厳を活用する者は、それをほとんど意識しません。

クリスティーナ(スウェーデンの女王)

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