場づくりとはサイエンス&アートである
(本日のお話 1956字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は、終日ファシリテーションに関する
ワークショップのへの参加でした。
改めて優れたワークショップとは、
多くの人々の知恵と情熱が凝縮されており、
届けたい価値提供のために
学びに集中させつづけられるように
細かい部分まで考え抜かれている、、、
と感銘を受けております。
ということで、
本日は参加中のワークショップに思いを馳せつつ
感じたことについて、学びをご共有させていただきたいと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【場づくりとはサイエンス&アートである】
それでは、どうぞ。
■私の話ではありますが、
仕事上、様々な研修を実施しております。
新入社員研修
キャリア研修
マネジャー研修
チームビルディング研修
コーチング研修
ストレングス・ファインダー研修
と、色々あります。
■こうしたものを
文脈に応じて「研修」と呼ぶこともあれば
インタラクティブさや対話を強調するために
「ワークショップ」と呼ぶこともあります。
ただしその成果を決める上で、
大切な要素の一つが
”場作り”
であると思います。
そしてこれは、何も研修だけではなく、
その他、人が集まるミーティング、
イベントでも同じように大切なことかと思います。
人が集まる場所では、
人がつくる空気感は予想以上に大きいのです。
■では、”場作り”のために
必要なことはなんなのでしょうか。
色々ありますが、まずは
「研修プログラムの準備」です。
例えば、ある書籍を引用させていただくと、
こんな項目で紹介されたりしています。
※引用『看護のためのファシリテーション』(2020)より
(ここから)
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【研修企画の7W3H】
<第1階層:何のために、誰のために行うのか?>
1,目的/目標
2,対象者/参加者
<第2階層:企画をする上での要素とは?>
3,講師
4,タイトル
5,規模/回数
6,日程/時間(いつ)
7、会場/施設(どこで)
8,予算
<第3階層 プログラムデザインの方向性は?>
9,アクティビティ/内容
10、運営体制
※『看護のためのファシリテーション』(2020)より
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(ここまで)
■、、、と、いうように
上記の1~10の大枠の内容を
きちんと言語化して固めることにより、
骨格が出来上がっていきます。
これはいわば、要素を分け、
そこから再現性がある結果を創出しようとする
「サイエンス」と呼べるものに近いかもしれません。
■同時に、ではありますが、
入念に計画をし
プログラムでやったとて、
たとえ同じプログラムでも、
全然違う空気感になることがあります。
ゆえに研修実施でも
「講師/ファシリテーター」を重要視する方は
非常に多いものです。
それはそのことを、体験的に
理解しているからなのでしょう。
■特に、プログラミングとか、
特定のテクニカルスキル教えるものではなく、
参加者の意見、疑問、質問などを元に
作り上げていくような対話型の学び、
ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルというものは、
なおさらそうでしょう。
大人はそれぞれが固有の経験を持ち、
それぞれの考えを色濃く持つ存在なのです。
ですから、そんな参加者に対して
たとえば、
・リーダーシップについて
・マネジメントについて
・組織の目指す方向について
など、様々な持論が入り交じる得るであろう
テーマを題材にしてワークショップを行う場合、
「その参加者にどのように関わるか」
とは、
かつその対応の仕方によって、
参加者がその後の関わりを口に出さずとも
選択することに影響していくのです。
プログラムの瞬間瞬間に常に生まれ続ける
成否を決める分岐点がある
それがワークショップとも言えます。
それは、瞬発力、直感、判断力、
相手に併せた力の加減、言葉の選び方など、
実に様々なものが関わっており、
明確に切り分けきれない「アート」の世界に近い、
とも言えるのかもしれません。
■そして、そんなことを感じている中
昨日参加したファシリテーションの
プログラムに参加をした際に、
『(場作り)とはアート&サイエンスである』
というような言葉が出て、
かつ、それを体現している
2人のファシリテーターをみて、
たいへん納得、共感をしたのでした。
■確かに、プログラムが
きちんと準備されていることは大事です。
でも、そのプログラムも、
常に改善を続けるようなものであるし、
それは同時に、完璧ではあることは
実は望みづらい点もあるのかもしれません。
そんな中でワークの最中に起こる、
・参加者のコメント
・参加者の質問
・参加者の批判
などに対して、
どのようにリアクションをするのか、
この一挙手一投足によって
参加者はその場に対してのコミット
あるいは気持ちの離反などの作用がおこり、
それが内容・プログラムの力を引き出し、
参加者に提供価値をお届けすることへの
大いなる影響力になることは間違いありません。
■人の心のアンテナは
想像以上に微細なもので、
皆がその空気を感じ取れる力があるもの。
・「それは素晴らしいですね」と
反射的に言っているように見えるファシリテーター、なのか、
・一つ一つのコメントに対して
誠実かつ真剣に対応に考えて反応しているファシリテーター、なのか、
・誠実かつ真剣であるけども、
さらに、ユーモアさや、軽さもあり、
場を楽しませられるファシリテーター、なのか、、、
様子は変わっていくのです。
そしてそれは、目に見えない
”あり方”も影響しているものです。
■ファシリテーターが
取れる選択肢はいくつもある中、
相手に合わせて、
自分の特性と、直感と、
自分のできることとその場への思いを含め
どういたボールを投げ返すのかを決める。
そして、場はそれに呼応して変化します。
そうして集まっている人々の
”場の力”を最大化させられるのか、
あるいは限定的にしてしまうのか、、、
それこそがファシリテーターへの問いであり、
向き合い続けるチャレンジではないか、と感じます。
■改めて、”場作り”は
内容・プログラムについて
対象者や内容、それについてのリアクションを想像する
意図的な計画と、入念な準備が必要な『サイエンス』が必要です。
でも、それだけではなく、
感性やあり方も動員して、
その場の生の人々に向き合う『アート』も必要です。
そしてサイエンスとアートの融合とはきっと、
たゆまぬ基礎的な学習と
継続的な経験の蓄積と、
痛みをも振り返り、自分の中でのパターンを見つける旅路なのだろう、
と思います。
長い道のりを感じつつ、
私も、もっともっと、経験を積んでいきたいし
経験を積んでいこう、そんなことを思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
威厳は香りのごときもの。
威厳を活用する者は、それをほとんど意識しません。
クリスティーナ(スウェーデンの女王)
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