今週の一冊『聞く技術 聞いてもらう技術』
(本日のお話 1774字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は午前中、立教大学大学院
経営学専攻リーダーシップ開発コース(LDC)にて
『キャリアとリーダーシップ論』
の授業でした。
同期の仲間と共に、
これまでの大学院の学びや経験を振り返りつつ
お互いにフィードバックし合う時間でしたが、
非常に有意義な時間でございました。
また夜は人・組織に関する
同業の社長や役員の方を含めた会食。
とても刺激を頂いた時間でした。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日はお勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『聞く技術 聞いてもらう技術』
東畑開人 (著)、ちくま新書
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です。
■先日妻より、
「この本買ってほしいのだけど」
と言われて、購入した一冊。
我が家ではkindleの本は
家族共有で読んでおり、
図らずも、自分と妻で同時進行で読んでおりました。
■タイトルの
『聞く技術、聞いてもらう技術』
を見つつ、妻からの
”私の話を聞いてほしい”という
暗黙のメッセージなのだろうと推測をしつつ(汗)、
読み進めていきましたが、
やっぱりそうであった、と気づくとともに
「聞く」ことの難しさを再認識させられた本でした。
■しばしば対話やコーチングで言われるのが
”「聞く」→「聴く」に変えましょう”
とメッセージです。
「聞く」とは、声が耳に入ってくること。
「聴く」とは、声に耳を傾けること。
一般的に、どちらが難しいか?
と言われると「聴く」方と思いそうです。
■、、、しかし、実際は違う、
と著者は言います。
実は、
「聞く」
ほうが難しい。
というのも、
「きいてほしい」と相手がいうときは、
何も、心の奥底にある思いを聴いてほしい、
と思っているよりも、
「自分が今言ったことを
真面目に受け取って欲しい」
という願いであることのほうが多い、
といいわけです。
■なんだ、そんなこと簡単じゃないか、
と言われそうですが、
確かに自分に当てはめてみると
これが実に難しいと気づきます。
(特にリラックスした家庭内などでは)
特に、
「お互いの関係性」に課題があったり
「自分に余裕がない」ときだったりすると、
まさにそう。
”聞けない”のです。
というより、
相手が発したその言葉を
実は”聞きたくない”と思っている。
こういうことがあります。。
■そして自分の未熟さを
晒すようでお恥ずかしいですが、
まさに家での自分は
”聞けていない”のでした。
この本を共通言語にしつつ
妻からも指摘をされます。
「私は聞くように意識しているけど
ヤスさん(紀藤)は聞いてないよね」
と。
そしてまさにその通り。
自分は妻に
聞いてもらっている感覚がありますが、
自分は妻の話を”聞いていない”。
■なぜ”聞けない”のか?
そこについても
この本では語られています。
(私の器の小ささは置いておいて)
その理由をあえて言えば
「他の事に思考が回っていて、
余裕がない」
という”余裕のなさ”もあります。
論文、研修実施、研修準備。
そして1日中コーチングで”聴き”続ける。
そういったときは
「もう何も考えたくない」と思い、
完全にシャットダウンを意図的にします。
ゆえに、意味がないこととか
自分が好き勝手なことばかり言って
発散をするのです。
そして相手(妻)の話は
”聞かない”
わけです。
あるいは何かいざこざがあると
「相手に対して不満があるから
受け取りたくない」
など相手との関係性から
”聞かない”ということも起こったりします。
■でも、そうやって
耳を入れることを
意識的・無意識的に避けていると、
あるときに、
当たり前だった何かが、
パキっと音を立てて
ひび割れてしまうこともあります。
「何も聞いてくれない」
と、致命傷になる可能性もある。
ゆえに、そうなる前に
「聞く」事が大事だし
」
一方、
「聞かれる」ためにも
準備をする必要もあります。
■いざお互いに
「聞く」ことができると、
たくさんのメリットがあります。
「聞くこと」は
それだけで苦悩や不安、
和らげる力があります。
「聞くこと」によって
孤立から繋がりを
生み出すこともできます。
「聞くことのちから」によって
癒やしが生み出されるのです。
■ただし、それは簡単じゃないのです。
「聞く」ほうも
余裕をもつ必要があるし、
「聞いてもらう」ほうも
自分からメッセージを放つ必要がある。
すなわち、
”「聞くこと」と
「聞いてもらう」の循環”
を生み出すために、
それぞれが工夫をすることも大事です。
■では、具体的に
どうすればよいのか。
このことについては、
詳細を本書にて紹介されています。
すぐに使える
「聞くことの技術 ー小手先編」
(例:
1,時間と場所を決めてもらう
2,眉毛にしゃべらせよう
3,正直でいよう
4,沈黙に強くなろう
5,返事は遅く
6,7色の相槌
7,奥義オウムがえし など)
または、
「聞いてもらう技術 ー小手先編」
(例:
1,隣の席に座ろう
2,トイレは一緒に
3,一緒に帰ろう
4,ZOOMで最後まで残ろう
5,焚き火を囲もう
6,単純作業を一緒にしよう
7,悪口を言ってみよう など)
も紹介されており、
「小手先だけど、されど小手先」として
ユーモアを含めて紹介してくれています。
”オウム返しは
小手先感がハンパないので
使う時は要注意”
などと、わかるわかる、
というのも含まれているのが魅力です。
また、
「聞くこと/聞いてもらう技術 ー本質編」
と改めて社会的な背景からも
なぜ聞くこと/聞かれることが重要かを
より深めてくれます。
■読みながら
私も基本余裕がなくなりがちである自分と、
「聞くための場」がないと
なかなか「聞くこと」はできないと
改めて気づきましたので、
聞くことの技術 小手先編
「1)時間と場所を決めてもらう」
などは日々のルールに組み込んでも
面白いかもな、などと思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<今週の一冊>
『聞く技術 聞いてもらう技術』
東畑開人 (著)、ちくま新書
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