IPOってなんだ? ー論文「IPOに至る要因の一考察」からの学び
(本日のお話 1884字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日日曜日は、論文の作成、
また週明けの研修の企画・準備など。
*
さて、本日のお話です。
この週末、土曜日には大学院の
キャリアの授業にて経営者である仲間から
今後のビジョンを聞き、刺激をいただきました。
そして来る日曜日には、
IPO(株式公開)を果たされた創業者のお一人でもある
同世代の役員の方とのお食事会などがありました。
図らずもキーワードで
「IPO(株式公開)」
という話題がでておりました。
*
そしてお話では
それて有償ストックオプション?
無償ストックオプション?
などなど、
自分が知らない単語も飛び交い
全然知らない理解していないんだな、と
聞きながら思っていたのでした。
改めて思うと、
私の周りの友人・知人で
スタートアップに携わる人がいても
この世界のことはよくわかっておらず、
知識も全然ないことに気づきました。
そんな中で
「改めてIPOとは一体なんだろう?」
と思う中で、関連する研究論文があり
読み進める中で色々と発見がありました。
今日はその論文からの学びと気づきを
皆様にご共有させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは
【IPOってなんだろう ー論文「IPOに至る要因の一考察」からの学び】
それでは、どうぞ。
■自分が知らない世界は、
やたら大きく見えたり
遠く見えたりします。
その全体像がわからないので、
凄さや大変さがリアルに想像ができません。
曰く、
・1年に登記される会社数 14万4622社(東京商工リサーチ)
・資金調達を実施したスタートアップ 1919社
・新規上場数 136社(2021年度)
↓
上場の成功率
・資金調達を実施したスタートアップを分母にすると「7%」
・日本における企業数を分母にすると「0.094%」
とのことで、極めて難しいことはわかります。
ただ、難しいことなんだなだけだと
IPOについても何よりその道で頑張っている
あるいは目指そうとしている人に
”いい質問”もできないなあ、
などと感じた週末でした。
■その疑問を持つ中で
「IPOとは」と検索すると、
ある早稲田大学の学生(2017年当時)による
研究論文がありました。
小井口 尚希(2017)
”IPOに至る要因に関する考察
~戦略論、資金調達、経営者の学歴を通じて~"
とのこと。
論文の内容としては、
以下のような内容でした。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
論文『IPOに至る要因に関する考察』のまとめ
<研究の背景と目的>
・日本の国内ベンチャー企業を取り巻く環境が変わり、
ベンチャー企業への資金供給も増加している。
・一方、IPOする成功確率は20~30%程度と言われており、
その成功確率は低いと著者は感じていた。
・本研究では
”IPOした企業”と”IPOできなかった類似の企業”では
どのような差があるのか、にいいて研究を行う
<研究の方法>
◯研究対象
・東京証券取引所が運営するマザーズ市場に上場した企業のうち、
目論見書、有価証券届出書、ホームページ等からデータ取得できる企業
◯研究方法
・上場までに採用した戦略論
・経営者の最終学歴
・未上場時に行った最後の資金調達から上場までの期間
について分析を行う。
また上場できなかった類似企業との比較を行う。
<論文の目次>
・ベンチャー投資の状況
・日本国内のIPOの状況
・IPOした企業の特徴
- 競争戦略論による分析
- 未上場時に行った資金調達と上場までの期間
- 経営者の最終学歴
- 戦略・資金調達・最終学歴の関係
・上場した企業と未上場企業の比較
<結論>
1、IPOした企業が採用した戦略は「差別化戦略」が多かった。
またコストリーダーシップ戦略を採用した企業はIPOできていなかった。
2,資金調達は上場2年前以内が一番多かった。
3,経営者の学歴は、高専大学卒の経営者が最も多かった。
大学院卒の経営者がIPOする確立は高専大卒の経営者より
4.6倍高いことがわかった。
4,IPOした企業とIPOできなかった企業を比較したところ、
経営者の学歴に大きな差はなかったが。
しかし採用した戦略はIPOした企業は「差別化戦略」であった。
※小井口 尚希(2017)
”IPOに至る要因に関する考察
~戦略論、資金調達、経営者の学歴を通じて~"
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とのこと。
■なるほど。勉強になります。
インターネットの記事だと
全体像が見えないのですが、
論文でまとめられていると
その界隈に必要な情報の全体像が
何となく見えてきます。
(そんな気がする)
そうすると、
”問いを立てるための
土台となる基礎情報”
が見えてくる(ような気がする)
印象を持ちます。
■この論文では、2017年ですので、
今のスピードからすると
前のお話とはなりますが、
それでも勉強になりますし、
ちょっとだけ身近に感じられるようになりました。
知らない世界を「わからない」だと
広がりはないものですが、
こうした情報に触れると
その領域の人にとっての当たり前に
少しだけ触れることができる気がします。
改めて今回の論文を通じて
「知らない世界」に触れるようなことが
できたような気がします。
そして、
こういう土台の情報を知るからこそ、
行間の当事者しか答えられないような葛藤や、
あるある話のようなややマニアックな、
聞いてみたい”問い”が浮かびますので、
今度当事者に聞いてみたい、と思いました。
他にもこうした研究が
たくさんWEBではあるようです。
気になった世界を
バーチャル空間で冒険してみたい、
そんなことを思った時間でした。
そして、IPOするって、
改めて本当に凄いことだなあ、と
尊敬の念を覚えた次第。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
食欲がないのに食べるのが健康に悪いように、
欲望を伴わぬ勉強は記憶を損ない、
記憶したことを保存しない。
レオナルド・ダ・ヴィンチ
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