LMX理論とは何か ー「リーダーとメンバーの交換関係」が影響を与えるものー
(本日のお話 1709字/読了時間2分)
■おはようございます紀藤です。
昨日は1件のアポイント。
またその後は大学院の論文を進めておりました。
*
さて、本日のお話です。
論文を書き進める中で、
改めて「リーダーとフォロワーの交換関係」に着目した
リーダーシップ理論、
『LMX理論』
について調べておりました。
今日はその理論の概要を
皆様にご共有させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは
【LMX理論とは何か ー「リーダーとメンバーの交換関係」が影響を与えるものー】
それではどうぞ。
■『LMX理論』。
はて、聞き慣れない言葉かもしれませんが、
これはリーダーシップ研究の
有名な理論の一つです。
かつてのリーダーシップ研究では
”リーダーそのもの”に焦点を当てて、
どのような特性や行動がリーダーに求められるか、
について明らかにしようとしてきました。
しかし、リーダーシップとは
フォロワー(=メンバー)への影響です。
じゃあ、それって
リーダー単体だけ見ていていいの?
フォロワーとの”関係性”も
重要な要素なんじゃないの?
ある人にはリーダーシップの影響はあるけど、
ある人には少ない、そんなことあるんじゃないの?
そんな問題意識から生まれたのが、
『LMX理論』
(リーダー・メンバー交換関係
という考え方です。
■以下、
「LMX理論」のポイントについて
まとめてみたいと思います。
***
<LMX理論とはなにか?>
・LMXとは「Leader-Member-Exchange」
(リーダーとメンバーとの間の交換関係)の意味である
・ここでいう”交換”とは、
「リーダーが提供する報酬」と、
「フォロワーが提供する貢献」の交換を意味する
・「リーダーが提供する報酬」には金銭や昇進だけではなく、
信頼や尊敬、注目などの心理的な報酬も含まれる
・「フォロワーが提供する交換」には
業務の遂行だけでなく、リーダーへの信頼や忠誠などが含まれる
***
とのこと。
リーダーとメンバーの間に
金銭、業務の遂行などわかりやすいものから
信頼、尊敬、注目などの心理的なものまで
幅広く「交換」している、というわけです。
■そして「LMX理論」では
同じフォロワーであっても、
”交換関係が異なるフォロワーがいる”
としています。
それが
「イン・グループ」
「アウト・グループ」
の2種類です。
***
<イン・グループ/アウト・グループのフォロワー違い>
・「イン・グループ」のフォロワー
=リーダーとの間に、相互の信頼感、敬意、きずなで
結びついた関係を構築しているフォロワーのこと
・「アウト・グループ」のフォロワー
=リーダーとの間に、必要最低限の交換関係が成立しているフォロワーのこと。
***
アウト・グループは
通常の職務上の関係を築いているフォロワーであり、
報酬に見合った範囲内だけで業務を遂行するのですが、
イン・グループは
通常の報酬に加えて、信頼感や敬意、
フォロワーを大事にする姿勢など、
アウト・グループ以上のものを交換している、
というのが特徴です。
※参考:石川淳(2022)『リーダーシップの理論 ―経験と勘を活かす武器を身につける』.中央経済社
■そして、
Dulebohn, Bommer, Liden, Brouer & Ferris(2012)らの
メタアナリシスによると、
「LMX」は以下の指標に
影響を与えることがわかりました。
***
<LMXが影響を与えるもの>
・転職意思
・転職
・組織市民行動
・ジョブパフォーマンス
・組織コミットメント
・感情的コミットメント
・規範的コミットメント
・職務満足度
・上司への満足度
・給与への満足度
・手続き的正義
・配分的正義
・エンパワーメント
・政治意識
・役割曖昧性
・板挟み
***
とのこと。
うーん、実に様々な指標に
影響を与えるのですね。
また別の研究では
・イン・グループのメンバーは
業績評価もされる、
昇進頻度も高い
より望ましいジョブ・アサイン
などもわかっています。
■感覚的にわかることですが
それくらい、
「リーダーとメンバーの交換関係」
とは大事である、
とも言えるのかもしれません。
■ということで、
本日はLMX理論のご紹介でした。
明日はこの理論につながる、
ある論文をご紹介させていただければと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
最も良い説得方法の一つは、
相手に気に入られることである。
カリエール
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