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3233号 2022年12月29日

グルポン合宿の体験記 ー人は人と交わり経験して学ぶもの(3日目)ー

(本日のお話 2954字/読了時間4分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は南山大学、立教大学、玉川大学合同の
診断型組織開発の合宿、最終日の3日目でした。

改めて本日は体験からの学びを
書き記してみたいと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは



【グルポン合宿の体験記 ー人は人と交わり経験して学ぶもの(3日目)ー】



それでは、どうぞ。



■グルポン合宿。

“Group on Group”

の略であり、

6グループに分かれたチームが
クライアント役とコンサルタント役を同時に体験する
組織開発の学びの手法の1つです。


聞くところによると
日本でこの手法をやっているところは
今回の機会くらいしかないそう。

たしかに、複雑かつ、
かなりのカオスが起こるので、

『組織開発の探求 理論に学び、実践に活かす』
中原淳、中村和彦(2018).ダイヤモンド社

の両先生方の合同ゼミ合宿だからこそ、
実現できるような気も勝手にしております。


そして関わる立教大学大学院生(LDC)として、
こうした機会を体験させていただけることは
希少で、貴重で、記憶に残る時間だった、感じている次第。
(なので、LDC とてもおすすめです笑)


■そして、結論ですが

「めちゃくちゃ疲れた。
 そして学びになった」

というのが、月並みですが
率直な感想でございます。
(昨晩から、気づいたら10時間位寝ていました) 



そうした「疲れ&学び」と感じた理由は、
主に2つあるな、と思いました。


まず、1つ目は


「(1)診断型組織開発のプロセスを、
時間的制約の中で3日間集中して進めたこと」
  


かと。

”「診断型組織開発」の流れ”は

・エントリーと契約
 ↓
・データ収集&データ分析
 ↓
・フィードバック
 ↓
・アクション計画&実施
 ↓
・評価

と進みます。

実際にシャバでこれをやろうとする場合は

一つ一つのプロセスの後、
じっくり振り返る時間や、
身支度を整える機会もあるのでしょう。

それが、3日という短い時間で
ガンガン前に進んでいくため時間がありません。

そんな時間的制約がある中で
皆で合意を取って民主的に進めるために、

・論理的に整理をする
・メンバーの話を汲み取る
・時に提案をしてグッと前に進める

ことをモードに応じて変えようとすることが
実に難しく、いろいろな要素を考えるので疲れる
(でも学びになる)と感じたのでした。



■そして、2つ目は


「(2)クライアント役とコンサルタント役、
  双方の役割を行うため、登場人物の情報量が多いこと」


です。


コンサルタント役の役割からすると
クライアントチームの

・個々のメンバーの状態
(非言語の反応は?、思考・感情は?)

・メンバー間の関係の状態
(関係性は?、信頼感は?)

・チームの状態
(規範・進め方のルールは? 役割やリーダーシップは?)

などに思いを馳せ続けます。
そして、こちらの関わり方を考えます。



一方、このプロセスでは
自分達がクライアント役にもなっています。

ゆえに、クライアント役として
自分たちのチームに目線を当てて、

・私の視点= 自分がどう思っているか、など
・あなたの視点= チームメンバーがどう思っているか、など
・チームの視点= 課題達成、集団維持機能、バランスが保てているか?など

にも意識を同時進行で向けています。

コンサルタント役として
クライアントチームの組織開発に意識を向けつつ
自分のチームの組織開発にも意識を向ける。

これが同時進行で続くので、
360°全方向に意識が働き続けるのです。

そうした環境に(少なくとも自分は)
3日間集中的になっていることが求められるので

思考力・感性のアンテナを磨き
使い倒すような感覚がするのです。

これが疲れ(そして繰り返しですが学び)の
感覚を呼び起こしてくれるのです。



■このように
クライアントチームにも6人の頭があり、
自チームにも6人の頭があり、

・どのような考えがあるのか(思考)
・どのようにしていきたいのか(欲求)

も想像しながら、
双方にとっての一つの
『納得解』

にたどり着くためには
ただプロセスをこなすだけでは実現できません。

そのために、

・IQ(知能指数):頭の回転のよさ、問題解決能力、思考能力
・EQ(感情知性):自分や他者の感情を察知して理解する力
・SQ(社会的知性):自分と他者の感情の複雑性を理解して、関係をマネジメントする力(EQを発展させたもの)

などを

効果的に発揮することが求められるでしょうし、
それぞれをチーム全体として補い合う、

自分ができるところは積極的に発揮しつつ
難しいところは頼り合う、
そしてお互いが貢献している感覚を持ちつつ、成果を出す

ことはまさしく「私・あなた・チーム視点」を
持ち続けなけれが叶えられないのでしょう。


■そして、そんな状況に思いを馳せつつ、

この3日間の合宿からの学びを言葉にしてみると、
大きく2つあると感じました。

それは

”1)人は「経験」から学ぶ”
”2)人は「他者」から学ぶ”

の2つです。


■まず1つ目の「人は経験から学ぶ」とは

理論的なキーワードで説明すれば
いわゆる、

『経験学習』

というやつです。

経験学習の

経験→内省→教訓化→適用

という流れで振り返ると
今回の経験では


・自分自身の「思考力(IQ)」の伸びしろ
(まとめる力、整理する力など)

・「個人の感情を読み取る力(SQ)」の伸びしろ
(相手がどう思っているのかを見る)


を感じます。

たとえ、社会人歴が長くても、

相手(大学生のチームメンバー)が納得する伝え方ができなければ、
こちらの意図とアイデアを受け取ってもらうことはできません。

自分が確信をしているアイデアや
それが的を射ている効果的な考えであっても

明瞭に言葉にできなければ、
相手がイメージできるストーリーで伝えられなければ
自信を持って、なるほどと思える伝え方でなければ

「よくわかんない、、、」と
雰囲気で流れしまうこともままあります。


そういう意味で、
特に知能(IQ)×社会知性(SQ)の掛け合わせは
まだまだ伸びしろがある、

と感じましたし、

自分が思った考えを、周りに向けて
もっと説得力を持って話を伝える、という点では努力が必要であろう、
と思ったのでした。


些末な話なようですが、

・伝え方の工夫
(かっこよくいえば修辞学=比喩・音韻・発想)

などは、もっと勉強したいな、
と感じたのでした。



■そして2つ目の「人は他者から学ぶ」です。

理論的なキーワードで言えば

『越境学習』

です。

今回は、大学生の皆さんとも
ご一緒させていただきましたが、

・その場を楽しもうとする姿勢
・チャレンジしようとする姿勢
・自分のことを客観的にみる姿勢
・1年前出会った人の成長

などを見て、

「自分は守りにはいっていないだろうか」

「こういう能力を身につけたい!と
 意図を持って行えているのだろうか」

と、自分はまだまだ半ばであるのに

次の世代に何かを残す
40代にならねば、、、と

まだまだやっていないことはたくさんある中で
変に落ち着いている自分がいることも発見しました。


経験値などは抜きして
大学生の皆さんから学ぶことも多かったですし、

こうした方々がこれから世に出てくるとしたら
(自分が60歳の時は、その方々は40歳)

自分ももっと謙虚に学びつつ、
できることを増やしていかねば、、、

という焦燥感を覚えたのでした。



■論文や本から学べることも
たくさんありますが、

経験から学ぶことは
それ以上に多いものです。


そうした密度の高い時間が
こうした3日間の合宿などには
あると思いますし、

そうした機会を
意識して見つけていくことが
自らをバージョンアップさせる上でも
役立つことなのだろうと思います。


そして、こうした学びが得られる
立教大学大学院 経営学専攻リーダーシップコース(LDC)
大変お勧めでございます。

https://ldc.rikkyo.ac.jp/

出願期間は1/6~1/19とのことでよろしければぜひ!

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<本日の名言>

安心、それが人間の最も近くにいる敵である。

ウィリアム・シェイクスピア
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