今週の一冊『日本の伸びしろ 悲観を成長に変える思考力』
(本日のお話 2056字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
お正月ですね。
皆様はいかがお過ごしでしょうか。
箱根駅伝を見て、お雑煮やおせちを
召し上がっていらっしゃる方も
少なくないのでは、と思います。
そんな中、私は発熱4日目にて、
ようやく熱が38度以下にまで下がりました。
このあたりのお話はまた、後日。
*
さて、本日のお話です。
昨日は「新年のご挨拶」として
毎週日曜日にお伝えしていた「今週の一冊」について
皆様にお送りしておりませんでした。
ということで、本日は昨日に変わりまして
お勧めの一冊をご紹介させていただければと思います。
今週の一冊は
=========================
『日本の伸びしろ 悲観を成長に変える思考力』
出口 治明 (著)/文春新書
=========================
です。
■明るいニュースより、
暗いニュースのほうが、
本能的に、なのかもしれません、
つい大きく見えてしまうものです。
実際に、
急激な円安
分断される世界
超高齢化社会と老後破産
など、
並べてみれば、
色々と不安な言葉が
確かにいくつも見受けられます。
■ただ、我々は
とはいえきっと
この日本で多くの人は
生きていくわけであり、
自分の子供達も、
この日本で生活をしていく、
とおそらく思われます。
「日本の生産性が低い」
「日本は構造的に上手くいかない」
「日本は勝てる産業が育っていない」
などなど、
”上手くいかない理由”を並べるのは
YouTubeやらで流れてくる情報を
右に倣えよろしくで復唱すれば簡単ではあります。
■しかし、
「課題だらけ」というと
袋小路感を覚えますが、
それを
『大いに伸びしろがある』
と発想を転換してみると、
まだまだできそうな気もします。
かつ、どのピースに働きかければ、
(どんなアクションをすれば)
ボウリングのセンターピンのように
波及効果が見込めるのか、
このことも明確になり、
明るい未来のビジョンを共有できれば
何となく実現できそうな気もします。
■そして、今回ご紹介の著書は
教養人としても知られており、
ライフネット生命保険株式会社創業者としての実業家の顔と
立命館アジア太平洋大学学長という教育者の顔を持つ出口治明さんが
「日本の伸びしろ」
について、
・グローバルでの競争力という観点から
・データを用いつつ
・現実的な視点で
新たな視点を与えてくれている一冊です。
■いくつかの話がありますが、
ポイントとしては、
”大前提:「経済成長を諦めてはならない」”
こと。
これは、豊かな日本を
維持できなくなるためです。
当たり前ですが社会保障もインフラも、
税収からまかなわれているものを
維持することはできなくなります。
ゆえに、現状維持、幸福度指数を追い求めよう、
という選択肢は現実的ではない、となります。
そして具体的に、上記を解決するための
3つのポイントが
「1、高学歴社会」
「2、女性活躍」
「3,ダイバーシティ」
とのことでした。
著者の出口さんは、
この30年間の日本の足を引っ張ってきた原因は、
この3つが不十分であったからである、
といいます。
■詳細の内容については、
ぜひ著書をお読みいただければと思いますが、
以下のような話が書かれていました。
***
「1,高学歴社会」
・日本は高学歴の国ではない。
・PISAからみて義務教育はよいが大学進学率はOECD内で平均以下である
・修士号・博士号の取得者が他国に比べて3分の1程度
・日本には尖った人材がいない、ダブルマスター、ダブルドクターなどを意図的に排出すること
「2,女性活躍」
・人口減少・少子化が問題である
・子供が増えない理由、その根本原因は、
「日本の社会にはびこる男女差別」である
・ジェンダーギャップ指数は日本は最低レベル
・日本人と日本社会が、グローバル基準に合わせること
・「夫婦別姓」の一点突破が取るべきアクション
「3,ダイバーシティ」
・働き方を変える「生産性」を高める
・移民を受け入れたら栄える
・留学生を受け入れる。
日本の大学ランキングでも超Aクラスは2校のみだが
Aクラス、Bクラスまで広げれば世界TOP3まで拡大できる
・「秋入学」の1点突破が取るべきアクション
***
と述べています。
■著書を読みながら、
わかりやすいシンプルな表現と
豊富なデータを元に説明がなされており、
また「取るべきアクション」も絞り込むことで
たしかに、まずここからやっていけば、
変化が起こっていくのではないだろうか、、、
そんな気持ちにさせられました。
*
以下著書のご紹介です。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日本は衰退している、
多くの課題を抱えて打開策が打てなくなっている、
と考えている人は多いでしょう。
たしかに人口減少、
一人当たりGDPの低下、
生産性の低さ、
向上しない女性の地位など、
先行きに不安を感じさせることばかりです。
しかし、これらの課題の中にこそ、
「日本の伸びしろ」がある。
それが出口流の「逆転の発想」です。
資源のない日本が豊かであり続けるためには、
モノと人と情報を活発に動かしていくほかありません。
本書では、具体的な課題を「伸びしろ」に変える方策を提示します。
本書の執筆過程で、脳出血に見舞われた出口さんは、
一年のリハビリを経て、学長の職務に復帰しました。
本書は復帰後初の日本社会への提言でもあります。
※引用:Amazon本の紹介より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
■新年の始まり、
放っておけば
悲観主義にいくらでもなれますが、
意志を持って楽観的に考えるのも
大切なことのように感じさせられた一冊でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
==========================
<今週の一冊>
『日本の伸びしろ 悲観を成長に変える思考力』
出口 治明 (著)/文春新書
==========================