キャリアを紐解く4つのアプローチ ー特性論・精神力動・学習理論・発達論ー
(本日のお話 2156字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は論文を書き進めておりました。
提出まであと3日。頑張ります。
(というか頑張るしか選択肢がない)
*
さて、本日のお話です。
キャリアコンサルタントの試験に
年末ほぼ勢いで申し込んでしまったので、
そろそろ勉強しないと、、、
ということテキストを開き始めました。
今日はその中の学びから、
参考になったお話を一つ、
ご紹介させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【キャリアを紐解く4つのアプローチ ー特性論・精神力動・学習理論・発達論ー】
それでは、どうぞ。
■「キャリア」にまつわる研究者は
有名な人だけでも
数多く存在しています。
ちなみに、
『新版 キャリアの心理学』
渡辺三枝子(編著)(2018)
では以下、
9名の研究者を紹介しています。
こんな皆様です。
・ドナルド・スーパー
・エドガー・シャイン
・ジョン・ホランド
・マーク・サビカス
・ジョン・クランボルツ
・ダグラス・ホール
・ナンシー・シュロルスバーグ
・サニィ・ハンセン
、、、うーん、
早口で5回位言ったら
すぐに下を噛んでしまいそうです(汗)
(先生方に失礼ですが)
ただ
「キャリア理論とはそれくらい
多様な立場がある」
と言えるのでしょうね。
■では、
これらの多様な理論を
わかりやすく理解するために、
一つ良い方法があります。
それが各研究者が支持している
『理論的背景』
を知るということです。
それぞれの研究アプローチには、
依拠している理論があるそう。
そして、それらの理論的背景と
研究アプローチをまとめると
4つが大きく存在する、とのこと。
ということで以下見てみましょう。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【キャリア研究への4つのアプローチ】
<(1)特性論からのアプローチ>
○特徴:
個人特性と仕事特性のマッチングによって
職業選択を説明しようとするもの。
両者の一致度が高ければ成功の可能性や満足度が高まると予測する。
○活用方法:
個人特性を把握するパーソナリティテストなど
<(2)精神力動からのアプローチ>
○特徴:
個人差がある欲求や動因、無意識に特に着目する。
また、幼少期の体験(親の養育態度も含む)を重要視し、
それが職業選択に影響を及ぼすと考える。
○活用方法:
欲求や動因、無意識、幼少期の体験などを原因として取り上げる
<(3)学習理論からのアプローチ>
○特徴:
キャリアにおける意思決定の要因として、
遺伝的特性や環境に加えて、学習経験の影響が特に重視される。
(例えば、学級の飼育係で肯定的な評価を得られた→動物を扱う職業に就きたい、など)
○活用方法:
新たに必要になった職業行動をどのように身につけるかを、
実践的に理解するために役立つ
<(4)発達論からのアプローチ>
○特徴:
職業選択の一時点にとどまらず、生涯に渡るキャリア発達の解明に
焦点を当てている点が特徴である。
職業選択も人生における一度きりのイベントではなく、生涯にわたるプロセスと捉える。
変化する自己と状況の中で、完全達成はされず、断念と統合の過程こそがキャリアと考える。
○活用方法:
生涯を段階にわけ、それぞれに特有の危機や課題を説明すること
対処するために必要な事柄を理解するのに役立つ
※引用:渡辺三枝子(編著)(2018)『新版 キャリアの心理学[第2版] キャリア支援への発達的アプローチ』.ナカニシヤ出版 P23-25
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■ふーむ、なるほど。。
同じキャリアを考える上でも、
・特性(能力・性格など)の違いに
注目してキャリアを考えるのか(=特性論)
はたまた、
・幼少期の経験に注目して
その人の欲求や動因に注目して
キャリアを考えるのか(=精神力学)
あるいは、
・これまでどんな経験をして、
どのような影響を自分に与えたのかに注目して
キャリアを考えるのか(=学習理論)
、、、
どちらの立場を
色濃く反映させるかでも
「キャリア」を考える上での
探究の仕方が変わってくるようです。
■この話は、自分自身のエピソードに
当てはめて考えるとわかりやすいです。
たとえば、私(紀藤)の例で恐縮ですが、
私が幼少期の頃は、母曰く
”飴を保育士の先生に渡して回るような
”周りに好かれようとする”
(愛想を振りまく、媚を売る?)
ような言動が見受けられたそうです。
これは、ある意味
「社交的」な性格として、
現在のキャリアである
人に関わる仕事(営業/研修業)にも影響している、
とも考えられます。
(つまり、特性論的アプローチ、とも言える)
■一方、別の側面では
「学習理論」的アプローチもあります。
一方、父親は自動車の設計をしている
バリバリの工学部でした。
また幼少期の親友も、
バリバリの理系的な頭脳を持つ友人でした。
それらの姿をみて、
「自分も理系の仕事につくんだ!」
と小学校6年生頃までは語っていました。
ゆえに高校も理系選択でした。
(結局、数3で撃沈し、
文系大学にいきましたが)
これは、
「経験」(父や親友の出会い)により、
自分のキャリアの方向性に影響を与えた
という例になりそうです。
(つまり、学習論的アプローチですね)
■人は社会的な生き物です。
自分のパーソナリティを
成り立たせているものも一つでなく
いくつか絡み合います。
・特性 もあれば
・幼少期の経験 もあれば
・これまで学習してきたこと
もあるのでしょう。
そして、人生の旅路を歩む中で
それが少しずつ変化して、
今の自分を形作っている、とも言えます。
■それらを峻別することは難しいですが、
いずれにせよ、
(1)特性論からのアプローチ
(2)精神力動からのアプローチ
(3)学習理論からのアプローチ
(4)発達論からのアプローチ
などで
キャリア理論は考えられている、
というフレームがあると、
自分自身のことも、
理解しやすくなるかもしれない、
そんなことを思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
ゆうゆうと焦らずに歩む者にとって長すぎる道はない。
辛抱強く準備する者にとって遠すぎる利益はない。
ラ・ブリュイエール
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