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3245号 2023年1月10日

論文は、今の自分を認めつつ、そこから何かを作り上げようともがく旅路である

(本日のお話 2265字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

論文提出から一夜明けました。

少しだけ気持ちが落ち着きましたが
口頭試問が残っております。

自分は雑な性分でございまして、
論文の書き方のお作法として
致命的なところをミスしていそうで、
大丈夫かなと、ビクビクしております。。

とはいえ、終わりました!



さて、本日のお話です。

せっかく論文を書き終えたので、
今の気持ちを忘れないように、
もう少し記述をしておこうと思います。

基本こういう振り返りをすると
だいたい自虐的になるのですが(汗)

それが自分の本心でもあるので
よろしければご笑覧いただければと思います。

それでは、まいりましょう!

タイトルは

【 論文は、今の自分を認めつつ
そこから何かを作り上げようともがく旅路である 】

それでは、どうぞ。

■「論文を書く」という行為は、

同じ”書く”でも、
このメルマガのように、

ゆるゆる徒然なるままに、
誤字脱字もお許しください的なスタンスで
(本当は改めないといけないですが)

好き勝手に書いてきたものとは、
別次元のものでした。

まあ、当たり前ですが。

■立教大学大学院
経営学専攻リーダーシップコースの論文は、
また少し、毛色が違います。

1,自らクライアント組織を見つけ
2,経営課題に資する人材課題・組織課題を見つけ
3,取り組むべき課題を設定し、
4,アクション計画・施策を行い
5,アクションの評価・考察を行う

という

「プロジェクト報告書」

を自分が主体となって行います。

クライアント組織の方々に協力いただく
交渉から含めてアクションを行った上で
「論文」の形で書き上げます。

■ゆえに、

論文を記述することもそうですが、
その前段階におけるプロセスも
やっぱり大変です。

そもそも書き始める上で、

・自分が探究したいテーマを見つける
(できれば、そのテーマを実現できる
クライアント組織を見つける)

・その領域に関する
広範な知識を獲得していく

・同時に、そのテーマに対する
介入施策を考え実行していく

というのは、

書き表してみると短文ですが
それなりに時間がかかる取り組みです。

■それらのことは、
通り過ぎれば揮発する記憶ですが、

それを「論文」として
文字に落としていく道のりが、
これまた何よりしんどいのです。

何がしんどいかというと、

『(未熟な)今の自分と向き合うから』

です。

行ったアクションを、
論理的に説明できない。

理論や先行研究に紐付けようにも
頭が混乱して、空中分解して立ち尽くす。

文字にしたものが
その次の瞬間、稚拙に思えてきて
論文のフォルダを開きたくなくなる

、、、などなどの気持ちになりました。

アカデミックな観点から
現象を表現する言葉を持たず、

明瞭でわかりやすく整合性がとれた文章を
編み上げることに苦労し続けました。

こうしたことを総合すると
論文の記述の旅とは、

『見たくない自分と
向き合う旅路でもあった』

とも言えます。

一言、悔しいのです。

出来ない自分が悔しく、
誰かにもらってばかりの自分が悔しい。

このアカデミックな領域において
自分は助けられてばかりで、
誰かに尽くすことはほぼできなかった、

このもどかしさが、
おそらく、本音なのだと思います。

■思えば、

大学院の受験に合格した時は
ものすごい全能感に溢れていました。

そもそも高校も適当に過ごし、
大学受験も自分がいけそうなところ
ということで選び、

さほど学業的に
ストレッチすることもなく、
受験を迎えました。

そして大学にいき、
(お恥ずかしながら)
やっぱり学業的に、何となく過ごして卒業しました。

■そんな自分が、
約20年の時間を経て、

その頃やり残してきた
受験のドキドキに
今一度向き合うことになり、

自分にとっては想像もしていなかった
「大学院」という場所に挑戦し、

そしてそれなりの倍率を
なんとか突破することができた、

と感じたのは、

自分にとって
自分はスゴいんじゃないか?!という

”全能感”

を感じるに十分足るものでした。

■しかし、

大学院の授業が始まると、
一気にそうではないと気づきます。

経営学の授業で
世の中のことを網羅的に
語ることができる人々。

その思考力も、
プレゼンをする能力も、
チームワークとして人と歩む力も総合して

実に優れた能力を持った仲間たち
個性的な仲間たちが集まっており、

(もちろん周りから見れば
自分もその一員とも言えますが)

隣の芝は青く見えるよろしく、

”自分は何者で、何ができるのだろうか?”

を問われてきた気がします。

それは、ある「大学院」という
共通の目的と場において自分を見つめるので、

好きなことや得意なことだけを
押し出すことと少し違う文脈になります。

ゆえに、アラフォーにして
「アイデンティティの再構築」とも
言える旅路だったようにも思います。

■それは他者がいたからこそ、

そして科学と実践を大切にするという
大学院という場において、

他者と学ぶからこそ気づくことができた、
知識からの学びではない

「経験からの学び」

でした。

■一方、間違いなく、
自分の視座は高まりました。

「理論」という視点を身につけ、

起こっている現象や課題を
「理論」というメガネで紐解くこと。

そうすることで、

・向き合っているクライント組織の課題

・介入施策がうまくいく理由
上手くいかない理由なども、

言葉で説明できる力を
涵養することができました。

(どうでもよいですが
「涵養する」という言葉も
人が使っているのを見て学びました。

”水が自然に染み込むように
ゆっくり養い育てる”の意味だそうです)

■そして、

「経験からの学び」
「理論からの学び」

それらを自分の中で統合して

クライアントの皆様に役立つべく、
苦闘する旅路が論文の旅路でした。

今の自分が出来ることと出来ないことを認め、
先生方や、仲間の協力を感謝しながら得つつ、
一つのプロジェクトを作品として形作っていく道のり。

それは、

『見たくない自分と
向き合う旅路でもあった』

し、言い換えれば、

『そんな今の自分を認めつつ
そこから何かを作り上げようともがく旅路』

でもありました。

それは、大変ですが、
実りある時間であったと感じます。

■まだ終わったわけではないですし
卒業できると決まったわけではないですが、

まずはここまで歩んできたことを
美しい歩みではなかったとしても、
なんとか歩いてきた事実を自分でも労いたい、

そのように思った次第です。

そして改めて、
このような機会をいただいたクライアントの皆様、
本当にありがとうございました。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

すべて物に励むには競うということが必要であって、
競うから励みが生ずるのである。

渋沢栄一
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